成功率100000000000%以上!!
「おっはよ~!!」
「おは~!」
「おはようございます!!」
今日はエリー、サヤと街で…何すんだろ…。
「何します?」
エリーは私を見てくる。
「何しましょ~かね?」
サヤも私を見てくる。
「え?…取り敢えず…何か食べる?」
「そうですね…。」
「そ~しよ~!!……。」
シーン…。
現在8月1日…。
実はドラゴン征伐から帰った後、3人で何度も遊んでいて…何か、やりつくした感がある。
しかも、遊ばなくてもほぼ毎日合うので、色々と話尽くした感がある。
「ま、取り敢えずここで立ち尽くすのもあれだし、食べ歩く?」
「最近太っちゃって…。」
「私も~。」
私の提案は拒否される。
「そして、また愚痴の言い合いが始まる…?」
「ですね~。」
「っても何も無さすぎてな~。」
「また迷惑ハンターの話でもします?」
「ハンターが嫌いになりそうだからやだなぁ…それよりギルマスの悪い話無い?」
「いっつもそれだね~!!」
「マリさん…。」
結局…
見せられないよ
まぁ、雑談で日が暮れたね。
「そういえば、マリはもうそろそろ王都に行くんですよね?」
「あ、そうだね。」
「あ、そうそう、私も行くよ?ソヨと一緒におじいちゃんに会いに行くの。」
「え!?…また、置いてけぼりですかぁ…。」
エリーが何か可哀想になってきた。
「エリーは休み貰えないの?」
「わ、私、貰いすぎてるくらいなんですよ!!…マリがいなくなる前に沢山遊んでおこうと思って…うぅ。」
これは…どうにか出来ないかな?
…ギルド
……ギルマス
………うん、いける。
「私に良い考えがある!!エリー、一緒に王都行きたいよね?」
エリーは横に頭を振る。
「マ、マリ!脅迫はいけません!!」
いやいや…私そんなふうに思われてんの!?
「大丈夫、脅したりなんてしないよ?…取り敢えず任せといて!!」
私は胸を張って…ある胸を張って!堂々と宣言する。
「あら?マリに…サヤにエリーではありませんか。」
そこにやって来たミレーヌ様。
「あ、ミレーヌ様。お久し振りです!!」
カッチリと固まる二人の代わりに私が挨拶をする。
でも、年下に呼び捨てにされて、様付けしなきゃいけないのってなかなか馴れないね。
「聞いて下さい!なんと、貴女達三人とお友達になることが認められましたの!!」
……ん?
「えっ…と?…つまり?」
「呼び捨てOK!遊ぶのもたまにならOKなのですの~!!」
二人は真っ白になっている。
「え、え~…でも何でそんな…?」
何と言うか…急過ぎない?
「どうやら、マr…えっと、仮面の女性とやらが関わっているようでして…。出来る限り仲良くなっておけとお父様が…。あ、でも、私は本当にお友達になりたいわけで…」
ベロなんちゃらを倒したのが広まってるのか…。
「じゃ、じゃあ、よろしくね!えっと…ミレーヌ?」
「はい!お二人もよろしく♪」
「ふぇ?フフェッ!」
「フェイ!?」
こ、こんなに緊張するものなの?
逆に無礼な気が…。
でも、ミレーヌはそんなこと気にしなかった。
「ところで、マリは国王様のお誕生祭行きますの?」
「うん、国王様に呼ばれてるからね…。」
「「え!?」」
あ、やっべ…。
秘密にしなきゃいけないんだった…。
「べ、ベロなんちゃら倒した報酬の話だよ…。」
私は誤魔化す。
でも、二人には仮面の事はバレているから話ても良いのかな?
二人が気絶しそうだからやめとくけど。
「うふふ、これで王室との繋がりが強く…」
ミレーヌがどこぞの好き勝手にやっている領主様のように笑う。
「ミレーヌ?…下心ある付き合いは嫌なんだけど…。」
「マ、マリさん…。その…。」
エリーが後ろから震える手で肩を掴んできた。
…私にさん付けしないでよ。
平民が貴族と普通に接するのはやっぱり厳しいのかな?
でも、
「本人が良いって言ってるんだから良いんじゃない?…逆に、エリーは貴族様の言うことが聞けないの?」
「ヒイィィィ…。」
エリーは泡を吹いて倒れた。
いや、何かごめん。
「…まぁ、こうなりますわよね。」
ミレーヌは溜め息をついた。
「何か…すみません…。」
「これから段々と距離を縮めていきますわ!」
ミレーヌは前向きだった。
サヤは無言だが、辛うじて正気は保っている。
私はエリーに回復魔法をかけながら、ミレーヌにお願いしてみた。
「どうにかエリーも王都に行かせられないかな?」
当初の予定はギルマスに金を払うという単純な手。
多分、成功率は100%だろう。
だが…
「私から、聞いてみましょうか?」
ミレーヌに頼めば…
成功率は100000000000%以上だろう。
「お願い!エリーとの約束があるから、脅迫はしないでね?」
「ふふっ、あくまで、聞いてみるだけですわよ?」
「ふふふっ!」
「ふふふふっ!」
私とミレーヌは悪い顔で笑いあった。
でも…これで、皆で王都に行けるね!!
「あ、そうそう、王都に行くのなら、国営馬車はやめた方が良いですわよ?」
「え?そうなの?」
何でだろ?
「単純に、混みますから渋滞になりますし、何より暑苦しくてありゃしませんわ!」
そりゃそうか…国内の色んなところから人が集まるんだもんね。
それに、貴族馬車が優先して道を通れるようになっているらしいし。
「我がインスタール家の馬車に乗ります?」
「え!?良いの!!?」
「勿論ですわっ!!でも…」
「…あ、でも、私、前日には行かないと。」
思わずミレーヌの言葉を遮ってしまった。
「あら?奇遇ですわね、私も同じことを言おうとしてたのですわよ?」
あまり気にしないでくれるミレーヌはいい人のようだ。
単に私を怒らせないようにしてるとかじゃないよね?
「それじゃ、二人にもお伝えしといてくれるかしら?エリーの件は任されたから!!」
二人?
「え?サヤは聞いて…?……あ…。」
サヤも、泡を吹いて倒れていた。




