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怪力少女にご注意を!  作者: アエイラ
本編
50/93

成功率100000000000%以上!!

「おっはよ~!!」

「おは~!」

「おはようございます!!」

今日はエリー、サヤと街で…何すんだろ…。


「何します?」

エリーは私を見てくる。

「何しましょ~かね?」

サヤも私を見てくる。

「え?…取り敢えず…何か食べる?」

「そうですね…。」

「そ~しよ~!!……。」

シーン…。


現在8月1日…。

実はドラゴン征伐から帰った後、3人で何度も遊んでいて…何か、やりつくした感がある。

しかも、遊ばなくてもほぼ毎日合うので、色々と話尽くした感がある。


「ま、取り敢えずここで立ち尽くすのもあれだし、食べ歩く?」

「最近太っちゃって…。」

「私も~。」

私の提案は拒否される。

「そして、また愚痴の言い合いが始まる…?」

「ですね~。」

「っても何も無さすぎてな~。」

「また迷惑ハンターの話でもします?」

「ハンターが嫌いになりそうだからやだなぁ…それよりギルマスの悪い話無い?」

「いっつもそれだね~!!」

「マリさん…。」

結局…


見せられないよ


まぁ、雑談で日が暮れたね。


「そういえば、マリはもうそろそろ王都に行くんですよね?」

「あ、そうだね。」

「あ、そうそう、私も行くよ?ソヨと一緒におじいちゃんに会いに行くの。」

「え!?…また、置いてけぼりですかぁ…。」

エリーが何か可哀想になってきた。

「エリーは休み貰えないの?」

「わ、私、貰いすぎてるくらいなんですよ!!…マリがいなくなる前に沢山遊んでおこうと思って…うぅ。」

これは…どうにか出来ないかな?

…ギルド

……ギルマス

………うん、いける。

「私に良い考えがある!!エリー、一緒に王都行きたいよね?」

エリーは横に頭を振る。

「マ、マリ!脅迫はいけません!!」

いやいや…私そんなふうに思われてんの!?

「大丈夫、脅したりなんてしないよ?…取り敢えず任せといて!!」

私は胸を張って…ある胸を張って!堂々と宣言する。



「あら?マリに…サヤにエリーではありませんか。」

そこにやって来たミレーヌ様。

「あ、ミレーヌ様。お久し振りです!!」

カッチリと固まる二人の代わりに私が挨拶をする。

でも、年下に呼び捨てにされて、様付けしなきゃいけないのってなかなか馴れないね。


「聞いて下さい!なんと、貴女達三人とお友達になることが認められましたの!!」

……ん?

「えっ…と?…つまり?」

「呼び捨てOK!遊ぶのもたまにならOKなのですの~!!」

二人は真っ白になっている。

「え、え~…でも何でそんな…?」

何と言うか…急過ぎない?

「どうやら、マr…えっと、仮面の女性とやらが関わっているようでして…。出来る限り仲良くなっておけとお父様が…。あ、でも、私は本当にお友達になりたいわけで…」

ベロなんちゃらを倒したのが広まってるのか…。

「じゃ、じゃあ、よろしくね!えっと…ミレーヌ?」

「はい!お二人もよろしく♪」

「ふぇ?フフェッ!」

「フェイ!?」

こ、こんなに緊張するものなの?

逆に無礼な気が…。

でも、ミレーヌはそんなこと気にしなかった。


「ところで、マリは国王様のお誕生祭行きますの?」

「うん、国王様に呼ばれてるからね…。」

「「え!?」」

あ、やっべ…。

秘密にしなきゃいけないんだった…。

「べ、ベロなんちゃら倒した報酬の話だよ…。」

私は誤魔化す。

でも、二人には仮面の事はバレているから話ても良いのかな?

二人が気絶しそうだからやめとくけど。

「うふふ、これで王室との繋がりが強く…」

ミレーヌがどこぞの好き勝手にやっている領主様のように笑う。

「ミレーヌ?…下心ある付き合いは嫌なんだけど…。」

「マ、マリさん…。その…。」

エリーが後ろから震える手で肩を掴んできた。

…私にさん付けしないでよ。

平民が貴族と普通に接するのはやっぱり厳しいのかな?

でも、

「本人が良いって言ってるんだから良いんじゃない?…逆に、エリーは貴族様の言うことが聞けないの?」

「ヒイィィィ…。」

エリーは泡を吹いて倒れた。

いや、何かごめん。



「…まぁ、こうなりますわよね。」

ミレーヌは溜め息をついた。

「何か…すみません…。」

「これから段々と距離を縮めていきますわ!」

ミレーヌは前向きだった。


サヤは無言だが、辛うじて正気は保っている。

私はエリーに回復魔法をかけながら、ミレーヌにお願いしてみた。

「どうにかエリーも王都に行かせられないかな?」

当初の予定はギルマスに金を払うという単純な手。

多分、成功率は100%だろう。

だが…

「私から、聞いてみましょうか?」

ミレーヌに頼めば…

成功率は100000000000%以上だろう。

「お願い!エリーとの約束があるから、脅迫はしないでね?」

「ふふっ、あくまで、聞いてみるだけですわよ?」

「ふふふっ!」

「ふふふふっ!」

私とミレーヌは悪い顔で笑いあった。


でも…これで、皆で王都に行けるね!!



「あ、そうそう、王都に行くのなら、国営馬車はやめた方が良いですわよ?」

「え?そうなの?」

何でだろ?

「単純に、混みますから渋滞になりますし、何より暑苦しくてありゃしませんわ!」

そりゃそうか…国内の色んなところから人が集まるんだもんね。

それに、貴族馬車が優先して道を通れるようになっているらしいし。

「我がインスタール家の馬車に乗ります?」

「え!?良いの!!?」

「勿論ですわっ!!でも…」

「…あ、でも、私、前日には行かないと。」

思わずミレーヌの言葉を遮ってしまった。

「あら?奇遇ですわね、私も同じことを言おうとしてたのですわよ?」

あまり気にしないでくれるミレーヌはいい人のようだ。

単に私を怒らせないようにしてるとかじゃないよね?


「それじゃ、二人にもお伝えしといてくれるかしら?エリーの件は任されたから!!」

二人?

「え?サヤは聞いて…?……あ…。」

サヤも、泡を吹いて倒れていた。

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