人生二度目の依頼でハンターランクAに!
インタルの街に着きました?
着きましたったら、着きました!!!
はい、そんなわけで、戻ってきたよ!!
…先ずはギルドに報告に行かないとね♪
「ただいま戻りました~♪」
「マリさん!!!」
おっと、戻りエリー…脂がのってて…
…ごめんエリー、今の無しで。
でも、何かエリーさん興奮してる…。
「マリ!!お前さん何をしたんじゃ!?」
ギルマスまで…?
私、何かした?…無礼だったのかな?
「ハンターランクAになっちゃうの?」
「国王様直々の命令だ。…まさかとは思うが…」
やっぱドラゴン…だよね?
ベロなんちゃらさん…
「いや、依頼の内容勘違いしててさ~、赤岩の方もちゃんとクリアして依頼主から判子とか貰ってきたし…。」
全て事実です!!
「ベロムナジュル戦は命懸けですので…稼ぎがある凄腕のランクA以上のハンター達はわざわざ受けてはくれないんですよ…。」
「お陰で今回も甚大な被害が出て…国王軍が出動する事態にまでなったらしいが…。」
いたね。
国王軍…見た目凄く強そうだったよ。
「…で?お主が倒したと。」
「うん。」
「一人でか?」
「一人で。」
「…ギルドカードを貸してくれ。」
「ほい。」
珍しくギルマスが手続きをしてくれている。
…確かに誰かが注意を引き付けてくれていたら、あんなに痛い思いはしなくて済んだのかも。
でも、誰かを危険な目に遭わせるくらいなら、自分が傷付く方がマシだ。
身体の痛みは回復すれば直ぐに消える。
でも、心の痛みは恐らく消えない。
…折角のチートだ。
せめて、友達だけでも守りたい。
「…あのぅ、そろそろツッコんでもいいですかね?」
エリーが何かを我慢できずに口を開こうとする。
「…何を言っても無駄だろう。」
ギルマスは諦めていて、エリーを制止した。
うん、そうだね。諦めも大事だよ?
「…そういえば、ベロムナジュルはどうしたんだ?」
あ…そういえば…
あの後、出来るだけ秘密にしろとか言われてたっけ?
「エリーがいると言えないかも…。」
そう言った瞬間、エリーが愕然とした表情で凍りついた。
「え!?…何ですか?私を除け者にしてマスターといちゃつく気ですか!?」
エリーは一瞬で溶け、反撃に転じてくる。
「エリー?…ぶっ飛ばすよ?」
少しカチンときた。
私はギルマスが嫌いだ。
「…ごめんなさい。…国王様関係の大事なことなんですよね?」
エリーは素直に、深々と謝った。
…あれ?意外と鋭いな。
「う、うん。」
「じゃあ、私は向こうでお仕事してきますね。終わったら呼んでください。」
そう言うと、エリーはバルさん達の方へ向かっていった。
…でも、呼ぶ必要ある?
「で、ベロムナジュルはどうした?」
「国王様が買い取った。何かアホみたいな金額出されそうになって必死に値下げ交渉したよ。」
「はぁ…うちのギルドに寄付してくれてもいいんだぜ?」
そんなに経営危ないのかな?
「ギルマスが変わったらね。」
変わるには色々な意味を込めてみた。
「…で、まぁ他にも色々とあって。」
一応、私は変装のことや誕生祭のパレードに出席することなど、一通り話した。
腐ってもギルマスだからね。
「…大体わかった。もう、好きにしろ。」
最初からギルマスに縛られてた覚えは無いけどね。
「好きにしてるよ?」
随分と。
「うちの領主や国王様が後ろに付いてるんだ、必要は無いかもしれんが、…何かあったら微力ながら力は貸すし、相談にも乗る。まぁ、友人達に迷惑かけない程度に暴れろよ?」
少し頼もしいが…
「私が普段から暴れてるみたいに言わないでくれる?」
やっぱりギルマスは好きになれないね。
「まぁ、一応覚えておくよ。…エリー!!終わったよ~!」
私はギルドカードを受け取り、エリーを呼ぶ。
「お仕事中ですのでまた後でゆっくりお話ししましょ~!!」
え~…なんだよそれ~…。
私は一度自宅に帰り、荷物を整理した後、温泉へと向かう。
やっぱり、大仕事の後は、温泉だよね♪




