思い出とお別れと旅立ちと幼女。
ガールズラブではない気がしてきた…。
外そうかな?
あのあと、二着ほどパジャマを買った。
アイリが一緒の部屋が良いと言って、エリー意外は肯定したため(エリーも多分ネタで否定した)、下着姿で寝るわけにもいかなくなり、買うことにしたのだ。
「朝だよ、アイリ。」
私の隣で寝ている?アイリを起こす。
私はマーラさんと部屋を交換してもらい、(マーラさんはアイリと二人部屋だった。)アイリと寝ていた。
…あ、変なことはしてないよ?
朝起きたらアイリが私の布団で寝ていたけど。
…ベッドは離れているのに。
「…もう少し。」
アイリは目を擦る動作をするが、完全に目が覚めてから暫く経っているのは明白だった。
アイリはよく食べて早寝早起き。…とっても良い子だ。
「アイリも一緒に買いに行くんでしょ?」
「もう準備出来てる。」
「あっれえぇ…!?」
…アイリは寝巻きの下に普段着を着ていた。
その上で寝たふりをしていやがった。
私は急いで支度をし、アイリと宿を出る。
「オーク美味しい♪」
アイリは相変わらず肉を頬張っている。
「少し脂っこ過ぎない?」
私はツノウサギの肉の方が好きだ。
問題の肉の硬さを感じないせいもあるのかな?
「ウサギは顎が疲れる。それに、この体に悪そうな感じが良いとこ。」
わかるような…わからないような…?
私達は順調に干し肉や干物、王国全体の地図等、マーラさんに聞いた物を買っていく。
正直、魔法で水が出るのはありがたかった。
マーラさん曰く、水魔法が使える回復魔術師は取り合いになるらしい。
そして、この世界には人族意外にも獣人や吸血鬼、エルフ、ドワーフ等、異世界物の定番種族がいるとも聞いた。
…昨夜はケモミミ娘に会えるのかもしれないという興奮で暴れそうだった。
ただ、アイリが言うには中々壮絶な過去があるらしく、それぞれの種族は仲が良いとは言えない状態らしい。
私は図書館でそういった歴史を学ぶことも目的としている。とにかく今は異世界知識が欲しい。
「う~ん…これでOKかな?」
私がアイテム袋とお洒落なバッグも購入し、満足していると、後ろから聞き慣れた大声がする。
「これ!!マリは、絶対にぃ、必要、ですからぁ!!」
エリーだ。手には仮面を持っている。
ピンクの民族的な仮面だ。
「エリー?お仕事は?」
「皆さんがお見送りしてこいって。ギルマスも馬車停の方で待っています。」
馬車=バスと思ってもらって良いと思う。
ただ、停車単位が街だ。
そして、商人は基本乗れない。
「なんで仮面なんか…。」
凄くいらない。
が、アイリも勧めてきた。
「確かに、ふとした拍子に出た怪力を誤魔化せるかもしれないし、変装道具的なのはあっても損はないかも。」
…そう言われると、そうなのかな?
「でも、デザインが…」
ダサイ。凄くダサイよ。
「ラッタムさんの自信作で…デザインは私が担当したのですが………。」
エリーの落ち込み具合がヤバい。
「か、可愛い!!可愛いよ!!?」
私は慌てて弁解する。
「うん、可愛い。」
アイリは素で可愛いと思っていそうで怖い。
「本当ですかぁ!?大切にしてくださいね!!!」
そんなに言われちゃ断れない。
私はありがたく?受け取った。
ガッドさん達とは別方向で、私の方が早く出発することになっていたため、皆が見送りに来てくれた。
「マリなら大丈夫だとは思うが、一応、気を付けろよ。…馬車壊すなよ?」
ガッドさんには色々とお世話になった。
お尻も叩かせて貰ったし。
…でも、最後の一言は余分じゃないかな?
「マリちゃん、服の約束忘れてないわよね?約束だからね!!」
…忘れてましたぁ!!
マーラさんの魔法知識には助かった。
「お団子、また食べに来てねぇ。」
お団子屋まで来てくれていた。
「紫のミスリルタートル、覚えておけよ?」
「マリちゃん、夏までにもっと固いもの用意しておくから、楽しみにしてるわね♪」
ガイムさんとラッタムさんも見送りに来てくれた。
ラッタムはペチャンコに潰れたミスリルを家宝にするとか言い出しているらしい。
…わけがわからないよ。
「マリさん、私のこと、忘れてないですよね?」
ソヨさんも来ていた…けど、合うのは久しぶりかも。
診療所、忙しそうだったし…。
「サヤのこと、よろしく頼みます。」
「頼まれました!」
…サヤに会える、楽しみだ。
「また、手合わせよろしくお願いします。」
「格闘家じゃないんですけどぉ!?」
マーキスさん、良い人だが、なんというか…真っ直ぐだ。
「ギルドを代表して、感謝する。家のことは任せてくれ。」
ギルマスは頭を下げてきた。
「…格闘家ランクのことはまだ怒っているからね?」
それにしても…このギルマス、頭を下げすぎだろ。
見渡すと、意外と仲良くなった女性ハンター達や、蛇男もいた。
「いつまでも、一生、お待ちしております。」
「夏に帰ってくるから…。また買い物しようね。」
エリーは私の中で変人キャラが定着してしまった。
…でも、とっても大事な友達だ。
「マリ、またね。」
「うん。」
アイリとも、お別れだ。
最初は付き合いにくい印象があったが、誰よりも真っ直ぐで優しい事がわかって…、今ではとっても大切な友達だ。
そういえば、アイリとだけ、友達になって下さいとか、そういうの無かったね。
エリーとアイリ、そして私でお別れのハグをしていると、馬の甲高い鳴き声が響いた。
もうすぐ出発する合図らしい。
「皆さん、お世話になりました。優しくしてくれて、ありがとうございました。」
「アイリ、エリー、ガッドさん、マーラさん、…皆、さようなら!!またね!!」
私は皆にお辞儀をしたあと、精一杯笑って、馬車に乗り込んだ。
馬車には、おじいさんとおばあさんが一人ずつ、女性が二人、インタルの街の男性ハンターが一人、確かランクDの人だ。
そして、私と……、幼女がいた。
幼女出せたぁ~!!!
すみません次回の更新は夜頃で…。




