告白的な約束。
ガットさん達は報酬を受け取った。
私は後で、らしい。
手持ちマネー、800G
これで服買える…?無理だよね。
「私、お金無いし…服はまた今度で…。」
「お金なら貸すわよ?」
…流石に服は奢ってはくれないよね。
「利子は?」
「0Gよ♪」
逃げられそうもない。
行くしか…ないのか…。
「ガットは解体を手伝うから、私達はゆっくり服選びが出来るわ♪」
マーラさんは楽しそうにギルドの出入口へと歩きだした。
「勝手に決めるなよ…。まぁ、そうするが。お前らも…頑張ってくれ。普段ならトーヤが良い感じに制御してくれるんだがな…。俺じゃどうにも出来んからな…。」
トーヤさん…弓使いの人だっけ?
なんか苦労人ポジ?
『虹の爆剣』
三人が良いバランスな凄いパーティなのかもしれない。
私とアイリもマーラさんについていこうとすると、オバサンに止められた。
「エリーと仲良くしてやってね。」
「へ?…はい。」
よくわからないが、頷いた。
「あれ?エリーから聞いてないのかい!?」
「何をですか?」
依頼の事では無いだろうし…。
「エリー!!」
オバサンはエリーさんを呼んだ。
「は、はいぃぃ…。」
エリーさんはビクビクしながら私の前までやって来る。な、何かな…?
「まだ言ってなかったんかい?」
オバサンは何かをエリーさんに急かしている。
「ううぅ…。マリさんと二人きりじゃないと…切り出しにくいというか…。」
「させない。」
すっ、とアイリさんが私の前に立つ。
アンタは何だ。
「え、と?何のようかな?」
エリーさんは顔を真っ赤にして目をギュッと瞑りながら、大きめな声で聞いてきた。
「明日っ、空いてますか!?」
「へ…?あ、空いてるけど…?」
まるで告白のような…一世一代の大勝負な雰囲気で質問され、私は少し戸惑った。
「では、私とお団子屋行きませんか?」
お団子屋…?団子なんて売ってるんだ!!
「うん、行く!!」
行ってみたいし、食べてみたい!!
「じゃあ、明日の朝、宿に迎えに行きますね!!」
あれ?何で宿の場所知ってるのかな?
まぁ、どうでも良いか。
「エリーと同年代の子はうちのギルドにはいなくてねぇ…。エリーと仲良くしてやってくれると、アタシらも嬉しいんだけどね。」
オバサンが嬉しそうに言う。
確かに…ギルドには…その…なんというか…ね。
お歳が…いっているひとが…。
「なんか失礼な事考えていないかい?」
くっ…オバサン…鋭い…。
「それにしても、お団子屋なんてあるんですね。」
異世界だと大和の国なイメージだ。
「大和の国出身のプロの味。美味しいよ。」
アイリは知っているようだ。
プロの味…美味しそう!!
「…でも、私は誘ってくれないんだ。エリー殿。」
アイリは残念そうにエリーさんを見る。
いや、アンタが行ったら大変そうだし…。
「殿!?…あ、アイリさんは大食いだと聞いておりまして…。」
エリーさんは俯いた。
声が尻すぼみに消えていく…。
…う~ん。エリーさんは人見知りっぽい。
アイリさんを誘うのは難易度が高いと踏んで私を誘ったとも思えるね。
アイリはさん付けしたくなる雰囲気あるし。
後で私が仲介した方が良い感じかな?
「えっと、じゃあ、明日はよろしくね。エリーって呼んでも良いかな?」
「は…はいっ!!私もマリ、で宜しいですか?」
「…敬語はやめようか。っと、そういえばエリーはお仕事どうするの?」
素朴な疑問だ。異世界にも休日あるのかな?
「明日は私が休みの番なんです!!」
番…ということは、シフト制なのかな?
「だから私!!…」
「…わかったから…明日沢山お喋りしようね。」
エリーの興奮が凄い。
これまでずっと同年代の人がいなかったのなら…確かに嬉しいかもね。
エリーに別れを告げて、私は出入口に向かう。
私が話を切り上げたのにはもうひとつの訳があった。
「マーリーちゃん、マーリーちゃん、マーリーちゃん、マーリーちゃん、マーリーちゃん…。」
…さっきから、マーラさんがうっさいのだ。
恐らくは、これから行く予定の服屋で使う時間を惜しんでいるのだろうが…もうちょい気を使ってくれても良いよね。
「行こうか、戦場に。」
小声でアイリが呟いた。
服屋に向かう道で、マーラさんが話し出す。
「少し聞いていたけど、明日エリーちゃんとお団子デート行くんでしょう?お洒落しないとね!」
その言葉に、アイリが身体を震わせた。
「デート…。」
私をにらめつけてくる。
「え、と、デートじゃないけど、何かな?」
「うん、デートじゃ無いよね。」
アイリは満足気に頷いた。
もう、よくわからないよ。
一話につき5~15回アイリにさんを付けてしまい消しています。
なんかキャラ的に付けてしまうのですよね…。
キリが悪いので、ここで切りました。
前回の話とくっつけて丁度良いくらいだったかな?
次回から、午前0時投稿に統一します。




