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怪力少女にご注意を!  作者: アエイラ
本編
15/93

Face of money!!

私達は、街に戻ってきた。


「「「「「「「ひいぃぃぃ~。」」」」」」

ギルドに入るなり、恐れられた。

「ブラッディ・マリーが来たぞぉ~。」

私の方を見て、小声で何か言っている奴もいる。

…ブラッディ・マリー?

それ?ヤバいやつよね?

都市伝説的な感じの化け物よね?

あ、でもカクテルの方かも!!

私は無理矢理納得する。


「…で、ゴブリン達を見せてくれるか?」

私達はギルマスにギルドの裏、解体場と呼ばれる場所に案内された。

ガッドさんがアイテム袋からゴブリンキングを出す。

「なっ!??」

ギルマスは腰を抜かしそうなくらいに驚いた。

「ははは…。大き過ぎますよね…。」

ガッドさんは渇いた笑いでギルマスに同情している。

「これを…一撃で…。」

ギルマスがまじまじと私を見つめてくる。

ギルマスは背があまり高くないので、胸を見つめられている気持ちになる。

このエロジジイめ…。


「さて…と。」

残りのゴブリン達も半分くらいは出せた。

が、数が多すぎる。

「そうだな…キング以外は高いものでも無いしな。全部解体しちまうか。」

ギルマスが宣言する。

その瞬間、ギルド職員達の顔が強張った。

主に、男勢。

ギルドに来たときはあまり見なかったが、裏方の仕事なのかな?


「マリの馬鹿力も借りたいんだが…。」

突然ギルマスがおかしな事を言い出した。

「お断りします。」

当然だ!女の子に何やらせんだ!!

「じゃあ私が手伝う。」

アイリが立候補した。

得意なのかな?

「駄目よ、女の子がやることじゃないわ。」

マーラさんが止めた。

「そうだよ!!」

私も同意した。

「マリちゃんも、女の子がやることじゃないと思うのよね?」

マーラさんが黒い微笑で同意を求めてくる。

「あ、しまった!?」

そこでやっとアイリの思惑に気が付く。

「マリばか、ばかマリ。」

アイリさんが横目でジットリ見てくる。

「ごめん…。」

私はアイリに心から謝った。

「何を謝っているの?」

マーラさん?気付いている上でそういうの、よくないですよ…。


そういうわけで、ギルド男勢達の熱い解体作業(たたかい)が始まった。

今日は依頼受付中止、解体作業を手伝った冒険者には、僅かながらの謝礼金が渡されるらしい。

「さて、依頼報酬の件だが…。」

ギルドに戻ると、ギルマスが切り出した。

「俺達は、何もしてねぇ…。」

ガッドさんが俯く。

「本来なら、こういった場合は支払われないが…。」

ギルマスは頭を掻く。

「じゃあさ、私がガットさん達のパーティに臨時で入ったってことにすれば?」

私は名案を思い付いた。

「俺を前にそれを言うか?」

ギルマスは苦笑いしている。

「まぁ、わざわざこんな田舎のギルドに来てくれて、あんなに熱心に対策を練っていた姿を見せられちゃな…。」

ギルマスはニヤッと笑った。

「達成報酬はちゃんと支払う!!」

「おおっ!!」

「太っ腹ぁ♪」

「よっしゃ!!」

ガットさん達は喜んでいる。


すると、エリーがやって来た。

「マリさん、依頼達成おめでとう?ございます…。凄いですね…。」

エリーさんはおどおどしながら私と接してくる。

「依頼?あ、ゴブリン三体のやつ!!」

「あ、はい。ざっと十四倍と、更にはゴブリンキングまで倒してますが…。マリさんの受けた依頼は三体ですから。」

私は達成報酬を貰う。

800G

安い。


「安心しろ、ゴブリン全部と…なんたってあんなにデカイ、ゴブリンキングがある。かなり金は入るぞ?」

私が狼狽していると、ギルマスが笑いながら話しかけてくる。

「ゴブリンキングって高いの?」

大きいが、ただのゴブリンだ。

「ゴブリンは害獣だから安いが…キングはフェイスマスクを欲しがる貴族が以外と多い。しかも無傷でこの大きさ…ざっと百万くらいで売れるかもな。手数料や加工料を引いても、八十万…。」

「マジすか!!」

おお、これは期待できる!!

「マリちゃんってたまに変わった言葉を使うわよね?」

マーラさんが聞いてきた。

うーん、どう答えるか…。

「たまに癖で私の祖国の言葉が出ちゃうんです。」

日本の皆さん、ごめんなさい。


私はキングのマスクで大金が入るので、ガットさん達の報酬は貰わない。

「そういえばさ…」

アイリが耳元で呟く。

「ゴブリンキングの肌って他のゴブリン達より黒ずんでたでしょ…?」

「うん。」

「あれって男性のちん…」

「ア~イ~リ~?マリちゃんにそういう話はやめなさい?」

「いたたたた…。」

アイリがマーラさんに(つね)られている。

…ちょっと気になる。

「男性の…ナニ?」

私は思わず聞いていた。

「…マリちゃんはもっと無垢な子だと思っていたのに。」

しまった…イントネーションミスった…。

マーラさんの目が冷たい。


…………勝手に無垢とか思わないで欲しいね!!

私だって年頃の女の子だよ!!



私は開き直った。

諸事情により、短めな投稿です。

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