第一章、始まり。
今自分がここにいるのはあの人のおかげだということを俺は忘れない...。
事件は通り雨のように突然起きた。
その日、俺(タクミ・14歳)はいつも通り学校へ向かっている途中だった。
けれど、学校に近づくにつれて俺は何か周りの雰囲気に違和感を感じた。
やけに人が少ない気がする....。いや少ないんじゃない、いないんだ。いつもはサラリーマンや高校生、大学生など、人が絶えず通っていた通学路が静まり返っている。
俺はすぐに親友の樹(イツキ・14歳)に電話した。 いつもと変わらないはずなのに呼び出し音がとても長く感じた。数秒後イツキが電話に出た。
「はい?どした?」
というイツキのいつもどおりの返答に俺はほっとした。
俺は自分の見ている光景を慌てながらイツキに喋った。
ところが、イツキは信じようとせずに、
「何言ってんだよ、俺も今学校に向かってるけど、普通に人いるぞ。」
「え?」
俺はイツキの言葉を疑った。
そんなはずはない。現に人とどころか、鳥など動物すらいないのに。何言ってんだアイツは。
俺はこのまま話してても信じてもらえないと思い、イツキに学校で詳しく話すと伝え、急いで学校へ向かった...。
でもこの選択が俺の人生を大きく変えた.....あのとき行ってなければこんなことには......。