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もしも在宅だったらシリーズ

もしも名探偵が在宅だったら

作者: たかげるげ

もしも在宅だったらシリーズ、今回は現代です。

「モリオ様、お食事をお持ちしました」

「ああ、いつもの場所に置いといてくれ」

「それと、先日解決した事件の報奨金、モリオ様の口座に振り込んでおきました。お手すきで、ご確認下さい」

「ああ、いつもありがとう」

「では、私はこれで失礼します」


助手は静かに去っていった。生身の人間が苦手な僕は、助手ですらも、あまり顔を合わせない。


僕は、ヒキノ モリオ29歳、滅多に家から出ない引きこもりだが、探偵の仕事で食いつないでいる。人は僕を、「在宅名探偵」と呼んでいるらしい。


僕は家にいながら、パソコンなどを駆使し、事件を解決する。

今日も僕のパソコンのチャットアラートが鳴る。依頼人かなと思いでてみると、姪っ子のユリちゃんだった。

「モリオおじちゃん、算数の宿題教えて」

「宿題は自分でやろうよ〜」

ユリちゃんは、僕の姉の子ども、小学校2年生。僕の家からだと、車で30分くらいかかる場所に住んでいる。人嫌いな僕だが、姉とユリちゃんはたまに会う。

ユリちゃんは、画面上にプリントを見せてくる。

「ここの問題だけどね〜」

ユリちゃんは指差しながら、聞いてきた。かわいく聞いてくるので、自分でやりなと言いながらも、僕は宿題を教えた。ユリちゃんは聞いているのか聞いていないのか。途中で、好きなアニメの話を始めた。


急に画面が暗くなり、回線が切断された。

サーバーダウンか?それともユリちゃんがあきたのか?あまり気にせずにいたら、またチャットアラートが鳴った。

ユリちゃんの母親である僕の姉が、慌てた様子でパソコン画面に映った。

「うちのユリが、いないの!学校から帰って来ないの。携帯もつながらないし、モリオ、何か知らない?」

「え?さっきまで、ユリちゃんとチャットしてたけれど」

「え?さっき?まだユリは帰ってきてないわよ」


僕はカメラを積んだドローンを沢山飛ばした。

ユリちゃんの住む街をくまなく、検索。

しばらくすると、ユリちゃんは学校の裏山で、男に取り押さえられていた。誘拐だ!

僕はGPSで裏山の住所を割り出し、警察へ電話した。


程なく犯人はつかまり、ユリちゃんは無事だった。



どうして、今自宅でチャットをしていたユリちゃんは、裏山にいたのか?裏山は自宅から2キロ程離れている。



「あれ、ビデオレターだよ。モリオおじちゃん」


僕としたことが、迂闊だった。リアルタイムかそうでないかの区別がつかないとは......


たかげるげ 初推理物と言えるかな。

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