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いっぱいがおっぱい

 彼女が着てる黒いニットの下にはおっぱいが二つ。

 叩いてみたら四つに増えた。

「増えて欲しかったんじゃない。大きくなって欲しかったんだ」

 涙を流しながらバンバンと胸を何度も叩く。膨らみは幾つも増えてゆき、俺はその中に埋もれる。

 ああ、これは確かに、おっきいのに顔を埋めたときと同じ感触だ。

「質は量で補えるのか」

「世の中見てると、そういうことも多いわね」

 彼女が俺の頭をやさしく撫でる。その指もまた、柔らかだった。


(完)

200文字小説。エイプリルフール以外でも胸元はたくらんでいる。

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