12/81
しっぽ
猫舌猫カラダなので、熱い飲み物は苦手だが、冬は炬燵で丸くなる。アイツは犬カラダなので、雪の中でも元気に駆け回っている。何が楽しいのやら、皆目見当もつかない。
身体の一部を動物に見立て、分類して、それぞれの特色を見つけてみる。なかなかに面白い遊戯だが、だからといって相手の心中までが察せられるわけじゃない。
というような話をアイツにしてみた。
しっぽがあるじゃないか。アイツの返答はいつも予想の斜め上をいく。大昔のエロい人も言ってるだろ。しっぽは口ほどにモノを言う。以しっぽ伝心。がんばれしっぽん。
しっぽん語の乱れは深刻だ。
尻を振りつつアイツは笑う。もちろんそこには何も見えない。見えぬけれどもあるんだよ。どこのみすずだオマエは。初代くにおくんの。わかるかボケ。
考えるんじゃない、感じるんだ。両掌を合わせて目を瞑る。何でもツッコんでもらえると思ったら大間違いだと思う。わからないよ。アンタが今何考えてるかなんて。
もしもそいつがあったとしてさ。それじゃアンタの、そして私の。
ついてるしっぽは、犬か、猫か。
いったいどっちだ。
(完)