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水風船 ~恋に落ちてしまうと~

作者: kana

“すき”になってはいけない…


絶対に…



私は、待ち合わせをしていた。


友達と…。


「お~い!」


あ、来た!!


「おそいよ~」


「悪い」


こいつは…ソラは、私の親友。


「りんごアメ食いてーなぁ」


「えぇー!」


来ていきなり!?


遅れてきたくせに…。


「アンタがおごってくれるなら、いいけど~」


実は、私も食べたかったし♪


「えっ!!2人分買う金なんてねーよ…」


「いいでしょっ!」


「しょうがない…買ってくる…」


ソラは、走って行った。



「はぁ…はぁ…買ってきたぞ!!」


「ありがと…」


「少し、歩くか…」


「うん…」


なんで2つ買ってきたのかなぁ…


ドンドンドン ドンドンドン


太鼓の音が響いた。


「お!水風船じゃん!!」


ソラって、子どもみたい…


「はいっ!!」


「ええっ!!!」


目の前に差し出された、ピンクの水風船。




ソラは、私の手をとり、水風船を持たせた…が、


私の手からするりとすりぬけてしまった。


バシャンッ


「きゃっ!!」


水は、はねかえり、私の浴衣の裾をぬらした。


「あ~ぁ…割れちゃった…ミサトの馬鹿」


ソラは、ひざまづいてぬれた所を見た。


「そんなにぬれてなくてよかったな」


「う…うん…」


なんだろう…この気持ち…


むねがきゅうってなって…かゆいような…


夏のせい…恋じゃない…


すきにならないって決めたのに…


そのとき…――


私の手をにぎった…


ソラの顔は、少し赤く見えた。


ドキン…


私は、顔を少しソラに近づけた…


唇にやわらかい何かが触れる。


たぶん、ソラの唇だと思う。


「ソラの事…もっと知りたい…」


ドーン


「何…?」


私の声は、花火にかき消された。


「なんでもない」


花火は、一瞬で空をそめた。



暖かい風が頬をなでた。


ゴロゴロ…


遠くで、雷が鳴り始めた。


まだ…帰りたくない…


一緒にいたい…


「雨降りそうだから帰るか…」


「うん…」


のぼり坂を並んで歩く。


歩幅をあわせてくれる、優しさが愛しい…


水風船が割れたとき、ソラの優しさに触れたとき…


私は…


恋におちてしまった…


絶対にしないと決めたのに…


「ねぇ…」


「ん?」


「あのね…」


言えない…


絶対に…


ソラが口をひらいた。


「俺の家…来る…?」


答えは…


「うん…」


覚悟はできてる…


「意味…わかってる…?」


私は、小さく頷いた。




ベッドに押し倒されたわたしは、ソラの指先を感じているだけだった。


「あっ…んん…」


この気持ち…。


恋に…おちてしまった…


END


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