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第8話 切ないキス

零夜が会場のドアを開き、観覧用のファン席に座ると

誰もいないことに気づいた零夜。

そしてファン席には零夜だけの状態なので目立った。

一人のカメラを持った記者が零夜と目が合いすぐに零夜と気づく。

「零夜がいるぞーーーーー!!!」

やばいと思った零夜は逃げようとするが出口に丁度涼介と会うことに。

そうすると涼介はいきなり女の格好をした零夜を抱きしめる。


「こいつは俺の彼女だ!」

 『零夜さんは女だと認めるんですね?』

「こいつは一般だ。零夜じゃない。」

 『!?』

「公開するつもりはない、じゃ。」


しゃべっている間にも聖と大まで会場にたどり着き入っていた。

聖と大は零夜が好きだ。

そんな零夜とライバルでもあり一番しっかりした涼介にとられてしまい

悔しくも見届ける。

「・・・・・・・・・そっか。(微笑)」

 「(笑)やるじゃん、涼ちゃん。」


そして涼介と零夜は走って特別控え室に入った。

事情の知る現場マネージャーとグループマネージャーの笹船が2人を向かえた。

社長は会場内に座っていたが、今は涼介の彼女はただの一般女性だと思っているので

零夜が女だとは思ってもいない。

そんな解釈をしているもので、社長が10分後にここに戻ってくると笹船が言った。

絶対に10分で零夜用の衣装は用意できない。

そしてこの部屋から出ると誰かにばれてしまう。

涼介はある提案をする。

「社長は俺が何とかする。お前は加賀見(現場マネージャー)とトイレへ行け。」

 「で、でも。そうしたら涼介さんが追い詰められてしまいます。」

「俺はお前をずっと守る、これからは俺がずっと守るからな。任せろ。」


現場マネージャーの加賀見という女性が零夜に毛布を頭に掛けて

すぐに走って今いる部屋に一番近いところのトイレに向かった。

だが、トイレは清掃中だった。

遠いがもうひとつのトイレに向かうとそこも清掃中。

ロビーへ向かうと記者が会場から出てきたところで鉢合わせの危険性大。

そんな2人を聖が見つけ、急いで2人のほうへ向かう。

「大丈夫っすか?俺、この会場詳しいんで。零夜は連れて行きます。」

 「そうですか。じゃあお願いします。」

「はい。」


そのときの聖の横顔はこの先に何も楽、喜などの感情がないかのような顔をしていた。

何より切ない顔をしていた。

そんな聖だったが零夜のことはしっかり心配しつつこんなことを言い出した。

「俺さ実は好きな人がいるんだ。」

 「そうなんですか?」

「あぁ、相手は気づいていないだろうけどね。」

 「応援しますよ?」

「そいつはさドジで一生懸命でいつも笑顔でさ。」

 「・・・・・。」

「俺は負けてんだ。」

 「負けてる?」


聖は零夜に気持ちを伝えようと思っていたがそれが出来なかった。

だからあえて零夜ではなく女性として例えて零夜に伝える。

でも零夜は気づかない。


「これ以上俺から離れてほしくないんだ!」


といって零夜の両肩に手を押さえ

今まで伝えれなかった言葉をすべて伝えた聖。


「俺の気持ちは・・俺の気持ちは誰よりも強いと思ってる。」

 「聖さん・・・・。」


キス。

聖は気持ちが抑えられなくなり思わず唇にキスをした。

零夜は驚いた。

聖がこんなに自分からリードしてくるなんて思いもしなかったから。

零夜はパニックになった。

自分は涼介が好きなのに、聖の気持ちにグッときてる自分がいることに。


「ごめん、俺・・違う人探してくるわ。」

 「聖さん・・・・・?」

「一人になりたいんだ。ごめん・・。」


聖の気持ちは知った零夜だったが、いきなり言われてどうしようもない様子。

せっかく聖が隠れ場所を探してくれるつもりだったが

そんなことを忘れて自分だけ控え室に戻っていった。


そこに涼介と大がやって来た。

零夜の初めての女の格好に大は不安げにこう言う。

「それってさ、Kanaちゃんが原因なの?」

 「ち、違います。」

「嘘つくなよ零夜。俺たちさ仲間だろ?」

 「で、でも・・。」

  「言いたいことは話せ。もう隠すな。」

 「・・・・・・。」


零夜は今までKanaに嫌がらせをされていたことをすべて話した。

大と聖は取りあえず社長が来るまで

もうひとつの控え室に待機することを進めた。

この会場でCM製作会見が今日の夜8時に行われるということで

他のモデルが着る予定であった黒いチェックのジーパンに

金色の星の模様が入ったボタンがついている学生服っぽい服に着替えた。

髪も事情の知っているヘアスタイリストにお願いし

いつもの零夜のヘアスタイルにセットしてもらった。

わずか6分で仕上げたヘアスタイリストさんはすごい。

走って他のメンバーがいる控え室に戻り自然に椅子に腰掛けた。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』

全員無言状態。

誰も話すという空気にはならない。

空気読みのスペシャリスト大はみんなを気遣いこう言い出した。

「ねぇねぇ!今日さ、パーティーしよう!」

 「パーティーですか?」

「そっ!今日は7月1日だから・・七夕祭!!」

 「7月7日はライブですからね・・。」

「だめ、かな・・?」

 「楽しそうですね!やりましょう!!」


Sweet★Kissメンバー全員で七夕祭というパーティーを開くことになった。


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