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第4話 ファンが見せた笑顔

新メンバーになってくれとグループマネージャーの笹船に頼まれた癒亜。

普通にデビューできると思ったら桐生零夜という名前で

男装してファンと接しないといけないことになってしまった。

しかもSweet★Kissは社長が気合を入れて建てたSweet★Kiss専用の共同生活場である

「Sweet★HOME」を建て2010年の夏から共同生活スタートとなった。

一人の部屋もバスルームもすべて大きく、S★Kエンターワールドと同じデザインになっている。

ガラス張りが多く白と緑とオレンジを基調にしたデザインになっている。


「ちょっと待ってくださいよ!!笹船さん、男装ってどういうことですかぁ!共同生活って!!」

 「まぁメンバーを頼れ。聖はメンバーの中で一番落ち着いていて優しいからな。」

「そういうことじゃなくて・・・あの・・。」

 「涼介は人をよく見てから認める、認めないを決めるやつだ。ちょっとは我慢しろ。」

「男装って衣装とか髪型は・・・・?」

 「明日にすべて予定している。Sweet★Kiss専用ヘアスタイリストが担当するから大丈夫だ。」


笹船はSweet★Kissだけのマネージャー、現在47歳。

マネージャーに合格したのは2009年。

それからはずっとSweet★Kissを支えてきた。

おっちょこちょいでせっかち。

よくメンバーに迷惑をかけ、空気が読めない。

癒亜と聖は両思いだと思っていて、それからは見えないところで

2人をくっつけようとがんばっている。

そのせいで涼介と大も勘違いをし、癒亜は癒亜で迷惑気味。

聖は自分の気持ちが相手には知られたくないという性格なので

こちらも少々迷惑気味。


共同生活初日、癒亜の部屋にはたくさんの今必要な荷物が届いた。

本棚にタンス、幼稚園の先生になれるための本が数冊。

それから男装に慣れるために男物の服やアクセサリーなど。

初めての夜、癒亜は広い空を眺めていた。

ーお母さん、お父さん。この広い空の下にいるわたしを見ていてくださいー


この言葉には意味がある。

2008年の夏、癒亜は一時日本に緊急帰国をした。

その理由は癒亜の母親と父親が事故で怪我をし病院先で亡くなったからだ。

事故といってもバスが事故を起こしたのだ。

少しの出血だったが、脳出血を起こし気を失ったままになった。

癒亜に情報が届いたのは亡くなった次の日。

癒亜には兄がいる。今は各国で自分で作った曲を披露し回っている。

何年も会っていなく、癒亜は今でも兄がどこにいるのかを知らない。

情報をいただければその情報だけで探し回るような性格である癒亜は

マネージャーの笹船にも協力を頼んでいる。


一方涼介は母親と父親は小さい頃に虐待を受け児童相談所の職員に

一生会えないような環境に育て上げた。

涼介の誕生日は12月24日のクリスマスの日、そしてA型。

これしか自分の情報を知らない。

3歳で親とはなれた涼介は親の愛情を十分に貰っていない。

父親は2年前に亡くなったと知らせが入った。

母親は同じ芸能界で活動をしているが涼介は知らない顔をしている。


ーお母さん。理想とはまったく違うお仕事をすることになりましたー


Sweet★Kissを応援するファン層は大体20代から40代。

男性ファンも多く、女性のほうが多いがどちらにも人気がある。

一番人気は今のところ涼介。

二番目に聖。

三番目に大というところ。

癒亜、ではなく、これからは零夜と表記しよう。

零夜はまだファンには顔を見せていない。

歌唱チェックを涼介に頼み、一先ず自分の好きな歌を歌うことに。

「恋のおまじないを~願いながらキャンドルの火を消すの~♪」


この曲はスペルマジックという曲で

S★Kエンターワールドの社長「石神社長」がSweet★Kissのために用意した曲。

アレンジは涼介がすべて担当した。

発売は未定の曲で優しい音でギターとピアノが妙に合うのだ。

歌詞はサビしか決まっていない。

最初は女性アイドルのために取っておいた大切な曲だったらしい。

事務所の所属を男性限定にしたS★Kエンターワールドは

この曲を女性アイドルに使ってもらうことは不可能になり

一番力を込めて育て上げたSweet★Kiss用にと曲だけをあげた。

歌詞はすべて涼介に頼んで、現在涼介が歌詞を探している。

出来上がるのはまだまだだという。


テレビでは新メンバー会見予定ということを発表しているので、すでに

ニュースでは必ず1回は話題になるようになった。

名前も今日に公表したのだ。

S★Kエンターワールド前には多くのファンが訪れ

「零夜!零夜!零夜!」

こんなコールが事務所の前では広がっていた。

テレビをつけるとファンの笑顔がズームになっていて

一人一人が楽しそうに見えた。

ーこんなにわたしを待っている人がいるんだー

零夜はだんだん自分の存在に実感してくる。


涼介はスペルマジックという曲を作っていた。

アレンジは取りやめにし、すべて自分で作るということにした。

「涼介さん・・・こんなわたしを待っていてくれる人がいるんですね。」

 「俺が唯一メンバーとして認めたやつだ。人気のないやつなんて失格だ。」

「明日は会見ライブですね。わたしは最初しか意味ないけどライブがんばってください。」

 「・・・・・・・・・・・・あ、あ。」


明日のライブではハプニングが。

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