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第2話 アメリカに留学

癒亜は父親がいない場所で育ち、母親は1年前に他界した。

兄弟は誰もいない。

とてもさびしい環境で育った癒亜だからこそ、人の気持ちを

誰よりも理解してくれる。

それに気づいてくれた男子や女子は現在誰一人もいない。

苦しくて切なくて時に楽しくて。

そんな感情を出すことが出来ることだけで自分は幸せだと思う癒亜。

初めての感情ドキドキ・愛しさ。

その恋は叶うはずもなくなってしまった。

ーアメリカで留学するー

こう決めたからだった。


「先生。入学してまだ2週間ですがお話があります。」

 「なんだ?」

「アメリカに留学することにしました。これ以上迷惑かけたくないですから。」

 「そうか・・。短かったな・・。」

「でも4年後の20歳になったら必ず日本に帰ってきます。」

 「待ってるぞ。」


留学する理由は学力アップと英語能力を高めるため。

癒亜の夢は幼稚園の先生。

そのために小学校から中学1年生まではピアノを習っていた。

歌は小さい頃から音程は取れている。

英語能力を高めれば英語ゲームなど小さい子でも出来る遊びがまた増える。

学力アップは先生になるには必要なこと。

自分にはまだ足りないと思っている癒亜は厳しい環境に飛び込んだのだ。

アメリカの日本人留学スクールは高校生でも中学生でも4年間と決まってる。

一応のために涼介にも伝えることにした。

ギターを弾いている涼介。


「わたし、アメリカに留学することになりました。短い時間だったけど楽しかったです。」

 「お前、幼稚園の先生になりたいんだよな?」

「わたし、子供好きなので!小さいこと遊んで笑ったりするのが夢なんです。」

 「ピアノのテスト、歌唱テストは100点満点中98点だったよな?」

「あ、はい!小さい頃にピアノ習ってたので。歌唱テストは偶然ですかね?」


その後は何も言わなくなった涼介。

偶然という言葉が嫌いだったのか。

それとも何かを考えていたのか。

偶然で何も出来るわけがない。たまたまではなく

才能があるから出来るのであるという考えを持っている涼介。

いつもなら偶然と発言した人には必ず

「偶然はお前にある気づいていない才能だ。気安く偶然とか言うな。」

年上にも年下にも大人にも子供にも全員に言わないと気がすまない性格。

実は自分でも強く言いすぎるところがあると知っている。


「さようなら・・・。」


野獣の中に子羊が一匹いるように子羊もいつかは野獣のように強くなり親離れをする。

親離れに成功した子羊は最高のパートナーを見つけ

自分の居場所を作る。

これが野生界のお決まりだ。

癒亜も自分の居場所が分かったのかもしれない。


日の丸に立つ日は4年後の春前であろう。



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