朱雀と常盤と龍神
『朱雀と常盤と龍神は』
『退魔師の血筋や』
『したがって、常盤は調和、朱雀は不死鳥、龍神は龍や』
『それぞれ天照様に与えられた力があるんや』
『せやかて、一流以上の退魔師になれるんやで』
俺ら、清水川 爽と、最上 琉子と、甘楽 常陸はオトンにそう言われて育ってきた。
代々俺らの家系は【寺】。
将来は寺を継ぐことになる。
そのためには、【一流以上の退魔師】にならなければいけない。
なぜ寺の子が退魔師?と思うかもしれんが、俺らは天照大神様に仕える寺で、その血筋から、悪霊が肉眼で見える。
悪霊は人間に害を及ぼす。
悪霊の主害は【腐】【病】【死】【悪思考】【食】
精神的に人間の魂を喰らう悪霊もいれば、体内に寄生し、臓器を腐らせ、死の病に陥れ、その肉体を喰らうものもいる。
低級の悪霊はそう恐ろしくはないが、中級、上級、最上級となってくればかなり危険だ。
その悪霊が俺らには見える。
人間を喰らう瞬間までも見てきた。
だから、俺らは退魔師になって、俺の兄さん、琉子の母さん、常陸の親父を喰らった最上級の悪霊、イノセントっちゅー奴を殺すために俺らは強くなるんや。
仇をとるって三人で誓ったんや