24話「思わぬ強敵」
こちらが放った魔法をヴェンヴェルはまともに食らってしまって。
「な……ここ、こここ……こ、ここまで……とは」
そのまま消滅した。
「うっふ~、ハァイ、じぃさん消えたからあたしの番ねぇ~」
「貴女は?」
「あたし、西の悪魔族長、ミッシェル・ララポ・ランラ・ララポよぉ。うっふ~、よろしくねぇ。王女さまレベルの女が、とぉ~ってもセクシーなあたしに勝てるかしらぁ? うっふ~」
「敵のようですね」
「そうねぇ~。うっふ~。西ってぇ、セクシーなのぉ」
次なる敵は女性。
フィレアンの近しい部下の一人、色気溢れる女将軍ミッシェル・ララポ・ランラ・ララポ。
「さぁ、あたしの色気を見せてあげるぅっ」
ミッシェルが桃色の波動を飛ばす。
すると付近にいた男性たちは一斉に無力化されてしまう。
「な……なんだ、これ……動け、ない」
「なんか嫌な感じだこれ……」
「ふ、ふぇぇ……? 力が入らな、い……? ふぉふわぁぁ……? はわわぁ……? ふにゃにゃんふにゃぁぁ……?」
その後ミッシェルは。
「うっふ~、消えなさぁい」
黒ずんだ波動を放ち、無力化されてしまっていた男性たちを消滅させた。
「これでかなり片付いたわね」
「……貴女」
「男が邪魔でしょ? だから片付けてあげたの。さ、ここからは、王女さま、二人で語り合いましょぉ」
ミッシェルは余裕の表情でこちらへ目を向けていた。
「なんてことするの!」
「怒っているの? うっふ~、可愛い」
「やりすぎよ」
「は? やりすぎとかないっての。戦いでしょ? バッカじゃないの~? うっふ~? うっふうっふうっふふふ~?」
男性たちは消えてしまった。彼らはきっともう二度と元には戻らない。骨一つ遺さず消滅してしまったから。彼らの身体、彼らの命、どれも取り戻せない。
「許さないわ……ミッシェル・ララポ・ランラ・ララポ」
「あらぁ? 許すとか許さないとかそういう話じゃないでしょぉ。そ、れ、に。許してって言うとしたらそっちよ? あたし、強いんだから。うっふ~」
暫し睨み合いが続いて。
「ウンタラ・ウンテラ・アンディア・ルシシピエーシェラ・アンディラッツ・エリシトシリアカリアランティラメクルシィク・ウンタラ!!」
先に仕掛けたのはこちら。
仲間をたくさん消されて黙ってはいられない。
「うっふ~、当たらないわぁ」
「な……」
「王女さまの力ってこの程度なのぉ? よっわぁ~い」
「ウンタラ・ウンテラ・アンディア・ルシシピエーシェラ・アンディラッツ・エリシトシリアカリアランティラメクルシィク・ウンタラ!!」
「ぜんっぜん当たってないわよぉ~?」
「強い……」
「そうね。あたしって強いの。うっふ~。可愛い無能な王女さま、気づくの遅すぎよ~?」
強力な魔法を使っても彼女は倒せないということか。
……いや、そんなことはあるはずがない。
この魔法の威力は凄まじいものだ。
それこそ数十数百の敵を一気に消し飛ばすほどのもの。
なのにその魔法が通じないなんて、そんなこと、考えられはしない。
「うっふ~、そろそろ反撃の時間ねぇ。じゃ、楽しませてあ~げるっ」
「何をするつもり」
「言ったら面白くないじゃない? ねぇ?」
嫌な予感がする。
胸の奥がざわつく。
「アンミャラ・ラララ・ララ・ラララン・ララ・アンミャラ・ミャラン・アンミャララン・ララ・ラララン・ラン・アンミャ」
彼女がそう口を動かした瞬間、周辺一帯の草木が一気に枯れた。
「うそ……」
「ほんとよぉ?」
うっふ~、と、彼女は嫌みな笑い声をこぼす。
「この辺ぜぇ~んぶ、汚くしてあげちゃうわ」
それからも彼女は数回その呪文を唱えた。
そのたびに草木が枯れた状態となった範囲が広がっていってしまう。
「酷い……」
「うっふ~うっふ~うっふふふ~、ざまぁよざまぁ」
「どうしてこんな!」
「うっふ~うっふ~うっふふふ~うっふふ~うっふん~うっふふふ~うっふ~んうっふふ~んうっふ~うっふ~うっふふふ~」
ミッシェル・ララポ・ランラ・ララポは地味に強敵だ。




