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婚約破棄され泣きながら帰宅している途中で落命してしまったのですが、待ち受けていた運命は思いもよらぬもので……?  作者: 四季


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22話「ただ、戦おう」

 今の私は魔法を使える。


 だから戦うことはできる。


 どんな敵が来たって、大切なものは絶対に護ってみせる……!


 心を決めて。

 戦いへと向かう。


 かつて戦い好きな人間として生まれていた時は、どんな恐ろしい敵が相手だとしても迷うことなく向かっていけた。ある意味怖いもの知らずだったのだろう。けれどもそれが強かった。恐れないこと、突き進む勇気があること、それ以上に強いものなんてなくて。だから、今振り返ってみると、あの頃の怖いもの知らずさはある意味偉大だった。


 でも今の私にはそこまでの怖いもの知らずさはない。


「マリーさま、共に戦いましょう」

「そうね」

「何があろうともお傍に」

「ありがとう」


 けれど、今の私にでも恵まれている部分はあって、それは『共に戦ってくれる味方がいる』ということだ。


 孤独でないから勇気が湧く。

 孤独でないから対峙する気力が溢れる。


「護衛いたしますので」

「あなたも無事でいてちょうだいね」


 精霊族の王女マリー・カロリエッタとして、私は戦いに挑む。


 これは、大切な人を護る戦いであり、同時に、生まれ育った愛おしい地を破壊されないための戦いでもある。


「さあ、いくわよ――」


 迫りくる悪の魔族を。


「ウンタラ・ウンテラ・アンディア・ルシシピエーシェラ・アンディラッツ・エリシトシリアカリアランティラメクルシィク・ウンタラ!!」


 一撃で吹き飛ばす。


 この魔法は、唱えなくてはならない呪文がやや長く発動するにあたって少々面倒臭くはあるのだが、引き換えに凄まじい威力を誇る魔法である。


「す、すごい……」

「このくらいどうってことないわ」


 それでも悪の魔族はまだまだ攻めてくる。

 先ほど消し飛ばしたものたちはあくまで第一陣ということだったようだ。


「「「アポポスト!!」」」


 敵は多い。が、味方も多い。味方も戦闘力はあるので魔法やら何やらで着実に敵を片付けていってくれている。それを目にするとより一層勇気が湧いてきた。頼もしい仲間に恵まれていたのだと改めて気づくことができた。


「また来たわよ!」

「みんなで倒しましょ!」

「準備できたっ」

「じゃあいくわよ……」


 一人で戦うわけではない。


「「「アポポスト!!」」」


 仲間たちも戦ってくれている。


「「「オンドブリュ!!」」」


 迫ってくる敵を少しずつ潰していってくれている。


 ――その時。


「見つけたぞ! マリー・カロリエッタ!」

「ローガン……」

「俺は貴様を仕留めてフィレアンに褒めてもらうんだ!」

「大人しく死んでやる気はないわ」


 懐かしい顔をした敵が現れた。


 けれど迷いは一切ない。

 なぜなら彼はもう大切な人ではないから。


 ……むしろ嫌いな人だ。


「死ねえ!!」


 容赦なく襲いかかってくるローガンだったが、近くにいた男性兵士に行く手を遮られる。


「じゃ、邪魔をするなっ……」

「高貴なお方に手を出すな無礼者!!」

「ひっ」


 今のうちに、と、男性兵士から言われて。


「ありがとう! ウンタラ・ウンテラ・アンディア・ルシシピエーシェラ・アンディラッツ・エリシトシリアカリアランティラメクルシィク・ウンタラ!!」


 強力な魔法を放ち、ローガンを吹き飛ばす。


「ぐぎゃ!」

「今ここで消え去ってもらうわ」

「き、きさ……ま……」

「ウンタラ・ウンテラ・アンディア・ルシシピエーシェラ・アンディラッツ・エリシトシリアカリアランティラメクルシィク・ウンタラ!!」

「ぎゃあああああああ!!」

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