14話「浮気にまみれたその身には」
有能な兵士である男女の間に生まれた私パルストア・オイリーンは子どもの頃から剣を振って遊んでいた。しかし年頃になるとなぜか自然に婚約されられることとなる。よく分からない流れのままに私の婚約者となったのは、三つ年上の青年ルータスだった。
しかしルータスは浮気を繰り返す男性で。
それゆえ私たちの関係は強固なものにはならなくて。
「ルータス、また女遊びしていたでしょう」
「は? それが何。パルストアはうるせぇなぁ。女と遊んで何が悪い? 自由だろ、そんなん」
「私たちは婚約しているのよ、好き放題女性と遊んで許されるわけがないでしょう」
「ほっとけよ! いちいちうるせえなぁ!」
「申し訳ないけれどそれは無理だわ、放っておくことはできない」
「うるせえ! うるせえよ! 何なんだよ! ……まぁいい、もういいわ」
やがてその時がやって来る。
「パルストア・オイリーン、お前との婚約は今ここで破棄とする!!」
ルータスは平然と切り捨ててきた。
「お前みたいなウザいババアは俺には要らねぇんだよ! ババアなんざいなくてもなぁ、俺はモテモテなんだ! 分かるか? 誰にも相手にされねえお前とは違う! 俺はモテてるんだ! だからなぁ、お前なんて要らねえんだよ! 分かったか? 分かったな? 分かったんだな? なあ? なぁ! 分かったんだろ? 分かってるんだよな? 分かったなら分かったって言えよ! 大声で!」
しかも失礼な言葉までかけてくるからなおさら悪質。
「パルストア! ババア! パルストアババア! シワガレタババア! カチナイヤツダ! パルストア! ババア! パルストア! ババア! ミリョクナイ! ババア! ワカクテモシワシワ! パルストア! ババア! オマエナンカ! ババアダ! ババアダ! シカモ! ムイミナ! ババア!」
ルータスが挑発的にそんな言葉を発していたところエンジェルババロアゴッドレディが舞い降りてきた。
『貴方は人を侮辱しました。ですので私は貴方に天罰を下さねばなりません。ルータスという名でしたね、貴方はこれから地獄へ堕ちることとなりますよ』
エンジェルババロアゴッドレディは静かな面持ちのまま杖を振る。
――するとルータスはコケになった。
コケになったルータスは身体の自由を完全に失った。
『貴方は生涯そこにいて、これまでの行いを悔いなさい』
それだけ発してエンジェルババロアゴッドレディは姿を消した。
いろんな意味で失礼極まりないルータスだったがざまぁの刑に処されたのであった。
その後私は兵士になった。
親の影響もあってその道へ進むことにしたのだ。
正直、結婚はもういいと思っていた。
だから私はこの道を選んだ。
「パルストアさんって剣めちゃくちゃ強いよなー、すげー」
「そう?」
「いやホントマジで! 強すぎだろ! 女性なのに俺らよりつえーもん!」
「褒めてもらえて嬉しい、ありがと」
仲間がいること自体は悪くは思わない。
なんせこれは結婚うんぬんとは話が別だから。
異性と、であっても、仲間や友人としての関わりであれば問題ない。
「お茶持ってきたでんよ」
「あ! そうだった、頼んでたんだった」
「ほいこら」
「ありがと、飲みたかったー」
「冷たいやつでんよ。きっと美味でんよ。さてさて、皆で飲んでみようでんよ」




