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救い

 キュインキュインと音が鳴る。

 熱を感じて巴は目を覚ました。


「あっつ!?」


「あっ、起きました?」


 するとチェンソーを持ったクロナがいた。


「……おいクロナなんだそれは?」


「……何ってチェンソーですけど? 私の武器です」


「……武器ってお前おい。 ヤベェなぁ」


「……何がやばいんですか?」


「いや氷溶かすのにそんな物騒な物使うか? おい!」


「……いいじゃないですか氷は溶けたのですし」


 そんな巴のツッコミも無視してクロナはチェンソーを消した。



「……お前マジシャンか何かなの?」


「……さぁ? ただのアンドロイドですけど? 早くアウラを止めに行きましょう。 そうしなければ彼女は大変な事になります」


 そう言ってクロナは巴の手を取って走って行った。





「……私は何がしたいんだろうなぁ」


 アウラは心が死にそうであった。

 何も悪くない三百号を相手に大人気ない態度を取ってしまった。

 このまま死ぬのも悪くない。

 そう思っていた時だ。


「やぁアウラくん元気かね?」


「……大川」


 この研究所の管理者大川鉄がアウラに話かけて来た。


「……何か用か?」


「いやぁねぇ黒鴉部隊にこの研究所の事がバレてしまっていてね。 さっさと証拠を隠滅して帝国に行こうと思うんだ。 それでね思い出したんだよ君がシフォルの民とエルフのハーフだとね?」


 大川の目はゲスな目で濁っていた。

 さっさと斬りたいがアウラにはそれが出来ない。


「う、うぐぅぅぁぁぁぁぁぁ」


「ふははは! 残念だねぇアウラくん! 君の体には帝国から買った時に中毒性のある薬を飲ませているからね! 私しか作れない中毒の薬だ。 私に従わなければどうなるか分かるね?」


「う、うぅぅぅぁぁぁぁぁ!?」


 全身が痒い。

 イライラして頭痛がし、吐き気もする。

 助けて欲しいと声に出したいが声に出せない。

 脳裏に父や姉、妹に助けを呼ぶが助けは来ない当たり前だここは人工島で自分はこの男の奴隷なのだから。

 寂しさを紛らす為に人造人間に言葉や英雄譚を教えた。

 大川の知り合いだと言う謎の黒髪の女性に自身を模したアンドロイドを作りたいと言われてその協力をした。

 その女性との別れ際の際に何か言われた気がするがもう覚えていない。

 そんな気まぐれは何も意味はないと思い、刀を首に当てて自害しようとしたが大川に蹴りを入れられて意識が飛びそうになった。


「がぁはぁ!?」


「さぁ行こうアウラ君そして君は私の地位の為の土台となるのだ!」


「いやダァ!!」


「おっし、分かった!」


「えっ?」


「英雄見参って奴だぜ!」


「ぼごぁ!?」


 するとさっき凍らせたはずの三百号が大川を殴り飛ばしていた。


「おい大丈夫か? アウラ?」


 何故か自身の名前を把握している三百号にアウラは戸惑いを覚えた。


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