表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽物と魔性の民  作者: 宅間晋作
誕生編
8/37

アウラの過去

 光が光が見える。

 暖かくてのどかな風が吹く。


「お父さん! お父さん!」


 少女は父に向かって走る。

 大きく両手を広げながら走っていく。

 見た目は五歳ぐらいだろうか。

 とても花のような笑みを浮かべている。

 さっきまでの憎悪とは全く違う表情だと巴は思った。


「……あれ? ここどこだ?」


 意識がちゃんとある。

 それでいて目の前にある景色の意味をよく考える。


「……あいつの記憶なのか?」


 とりあえず巴はこの景色を歩いてみる事にした。


「こらアウラずるい私もお父さんと一緒に遊ぶ!」


「お、お姉ちゃん! 見てお花!」


 その黒髪の少女の後ろを紫髪に赤い瞳をした少女と金髪をツインテールにした青い瞳をした少女が追いかける。


「ははっ大丈夫。 僕はここにいるからね今日はたくさん遊ぼう」


「うん! ありがとうお父さん! 私嬉しい!」


 黒髪の少女否アウラは金髪に緑の瞳をし、耳がとんがっている男の胸に飛び込んで華やかに笑った。


「……あいつアウラって言うんだなぁ。 て言うかなんであいつ研究所にいんの?」


 そう言って巴は暗闇を歩く。


「うーん多分これはあいつの記憶でトラウマなんだろうなぁ。 それで何故か俺はそれを見れると」


 おそらく自身の異能の力なのだと思うが今は深く考えない事にした。

 すると場面が出る。


「逃げろ! 逃げろぉ!」


「早く逃げろディア!」


 おそらくアウラの父親の名前を呼ぶ仲間なのだろうと巴は察する。


「……兄さん! 早く逃げましょう! 帝国軍が! アウラもミエルもドミエラも皆殺されてしまいます!」


「分かっている! リンシアお前は子供達と一緒に逃げるんだ! 僕は時間を稼ぐ」


「はい!」


「さぁ逃げよう。 アウラ、ミエル、ドミエラ!」


「お父さん!」


「だ、だめだよお姉ちゃん! パパの言う事聞かなきゃ!」


「そ、そうよアウラ私達は無力よ!」


「嫌だ! お父さん! お父さん!」


 だがアウラはミエルとドミエラの静止も聞かず飛び出してしまった。

 そこで映像が途切れた。


「……なるほどなぁ」


 おそらくリンシアと言われた女性はディアの妹だろう。

 すると次の場面が出た。

 ディアは黒い服を着た連中と戦っている。


「お父さん!」


 アウラはディアを見つけるとディアの元に駆け寄って抱きしめた。


「……逃げなさいアウラ!」


「で、でも!」


 その時だ。


「がばぁ」


「……お、お父さん?」


 銃声が響いてディアが血を吐いた。


「お、お父さん! お父さん!」


 アウラがディアの体を揺すっても反応はなかった。


「へっ、エルフ如きが帝国に逆らうんじゃねーよ」


「……あ、なたは?」


「俺? 俺か? 俺はラグナルただの妖霊だ」


 灰色の髪に黄金の瞳の男がアウラを見下していた。


「よくもお父さんを!!」


 アウラが殴りかかろうとしたが思いっきりアウラは殴られて気絶した。


「……ちょうどいいこいつを売り飛ばすか」


 その言葉を最後に巴の意識は覚醒した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ