始祖
「おいサタ族のクソ長老が! よくも姉妹の喧嘩に横槍を入れたな!」
「……ミエル」
ミエルが拳を強く握りながらサタ族の長老を見る。
そんなミエルの態度にアウラが涙を流しながら見つめていた。
「……見た感じゾズマ一族か珍しいな闘争の果てに死ぬのがゾズマだと言うのに生き残りがいるとは」
「……はっ? ゾズマ? 何言ってんの? アタシの親はパパだけだから」
ミエルは長老の発言に対して嘲笑の笑みを浮かべた。
「ふむ。 もしや先祖返りか?」
「……それがどうしたってんだ?」
「……無知なお前達に教えてやろう」
巴の疑問に長老が口を開いて答え始めた。
「いいか? 我ら数多いサタ族。 女の家系であるシフォルの民。 そして戦争に生きて死ぬゾズマは元々は家族であったらしい。 だがゾズマ一族はタロスの血が入っているのでな子供が出来る前に高熱を出して死ぬ方が多かったらしい。 そして数百経った今では先祖返りの者がゾズマには多くてなそこの女はおそらく先祖返りだろう」
そう言いながら長老がミエルを指差した。
「……それがなんなのよ」
長老の指摘にミエルは不機嫌そうに眉を寄せた。
「お前は例を見ないゾズマの先祖返りだ。 これは大きい収穫だ早速帝国に報告を!?」
「何悠長にペラペラ喋ってんのよ」
喋り終える前にミエルが長老をぶん殴っていた。
「えっ? ミエルさん? もうちょと話を聞きません? なんか重要そうなお話してましたけど?」
「……別にいいじゃない。 あんな奴の話聞いても無駄よ」
「えーとミエルお前って本当にゾズマ族なの?」
「さぁ? アタシは捨て子だからそんなの分かんないわよ」
巴の質問に対してミエルは両手を広げて首を傾げた。
「やれやれ相性がぐふぁ……悪い」
長老がよろよろと立ち上がりながらミエルを見た。
「やれやれ老体には堪えるなぁぐふぁ」
「えっ? ワンパン? まじで?」
巴は信じられない光景を見ていた。
既に長老はミエルのパンチ一発で致命傷を負っていたのだ。
「ふっ、そのようでは我ら始祖アースについても知らぬようだ」
「始祖アース?」
「我らの始祖の父であるノヴァ・アースとオルレイ・アースの事よ」
「お、オルレイ!?」
巴は見知った女性について言葉が出てきたので驚いて固まった。
「ふっ、我らサタ、ゾズマ、シフォルの民は元々血を分けた血縁なのだ。 我らの始祖サタ・アースは書物にアース一族について記していたが私にはどうでもいい私はサタ一族が最強である事を証明出来ればいい」
「……結局あんたは何がしたかったの?」
「ふっ、帝国に行けば全てが分かる全て……がな」
そう笑って長老が粒子となって消えた。
「チッ、分身だったのね」
ミエルは消えた長老を見ながら舌打ちをした。
「アウラドミエラを迎えに行こう」
「ああ」
巴は無言のアウラの肩を叩いて立ち上がらせ、急いでドミエラの所へ走って行った。




