成長
「うぁ?」
「……人造人間だから声帯も知性もあまり発達していないのか。 しょうがない刀国語と異国語を教えてやる」
「うぁ?」
「……本当に何も分かっていないのかお前」
目の前の少女が何を言っているのか意味がソレには分からなかった。
「まずはあいうえお」
「あぐぅるぇぁ」
「……頑張ろうな」
どこか冷めた目をソレに向けて来るがソレは少女の発音をなんとかマスターしようと努力した。
「ぐぁっ?」
「おい! 何をやっている? 三百号! さっさと戦え!」
「……なんだよ。 こっちは頑張ってんのに」
少女から二日間勉強を教わり、十歳までに教わる俗に言う義務教育で教わる事はソレ否三百号は学習する事が出来ていた。
今では三百号は十歳の子供の感性であらゆる物事を感じ取っていた。
三百号のやる事は変わらない。
起きて人造人間としての戦闘能力というか異能というものを大人達は観測して研究したいらしい。
彼らが言うには自分達はある人物のクローンであるらしい。
「……誰だよそれ」
そんな事を思いながら三百号は日常を刻む。
「……おいお前の名前を教えろよ」
「……別にお前に教えてやる義理はない」
「勉強教えてくれたじゃねーか」
「……それとこれは別だ」
そう言って少女はそっぽ向く。
「なんでだよいいじゃねーか」
「……よくない。 私はこの国の奴隷のようなものだからなぁ」
「……生まれが違うのか?」
「……まぁな。 お前みたいな子供には分からないだろう」
「……ムカつくなお前」
「なんだ?」
「なんか見ててムカつく」
「……あっそう?」
少女がそう言うと見えない風が三百号を吹き飛ばした。
「うぐぁ!?」
「……何か勘違いしていないか? 私はお前の友達でもないし、姉や家族でもない。 ただお前を監視する役だそれを忘れるな」
そう言って少女は歩いて行った。