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偽物と魔性の民  作者: 宅間晋作
誕生編
17/37

唱独術講座

「ふぁ?」


「んっ?」


「えっ? えぇぇぇぇぇ!?」


 巴が目を覚ますと隣にはアウラが眠っていた。


「……あ、アウラ!? な、何で俺の布団で寝てんだよ!?」


「……す、すまない! じ、自分の部屋で眠ろうとしたらもう吸血した行為の多幸感で眠くなってしまってな」


 顔を赤面しながらアウラがもじもじと巴に対して言葉を告げる。

 非常に真面目な彼女にしてはすごく気を許しているなと巴は思った。


「さ、さぁ! く、クロナも待っているから早く行こうぜ!」


「そ、そうだな!」


 そう言って巴とアウラはリビングに向かった。


「……お二方言い訳は何かありますか?」


「……あ、いやそ、そのぉ」


 巴はジト目を絶対零度にしたクロナを目の前にしてタジタジになっていた。


「……シたんですか? えっ? 六歳と生後六日歳児がシたんですかえっ?」


「や、やめろ! そ、そんな事をするにはわ、私達は早すぎるだろ!?」


 するとすかさずアウラがクロナの発言に対してツッコミをした。


「ふーん? アウラはシフォルの民の血筋ですからムッツリな所がありますからねじとー」


 クロナは皿に乗ったフレンチトーストを持ちながらアウラと巴を見つめてくる。


「……本当に何もないってクロナ。 お、俺がそんな度胸ある男に見えるかよ?」


「……まぁあに様はソッチ系の知識ないですもんね」


「わ、悪かったな! 無知で!」


 クロナの毒舌に巴は大きな声をあげるしかなかった。


「まぁどうしようかなぁ。 学校行くまでに一ヶ月もあんだろ? でいうかお金とかどうすんの?」


「まぁそこは恵様が全部賄ってくれますので」


「それ大丈夫なの? 俺めっちゃ不安よ?」


 クロナの淡々とした態度にツッコミを入れながら巴はため息を吐く。


「まぁ要は入学までに強くなれば良いのだろ?」


 そう言うアウラはぺろっと自分が食べる分だけのフレンチトーストを完食していた。


「……アウラどんだけ食うんだよ軽く八枚は食っていたぞ」


「と、巴! き、貴様が少食だからわ、悪いんだろ!?」


 食べ過ぎと言われたのが恥ずかしかったのかアウラが赤面して巴を指差す。


「……イチャイチャしないで下さい」


「「なんかすみません」」


 クロナに冷たい目線を向けられては巴もアウラも強く発言することが出来なかった。


「まぁとりあえず二人は何も用意する事はありません。 普段通り過ごしてこれからの未来について考えていればいいんです」


「……これからって具体的に何すればいいんだよ」


「まぁ勉強したり、運動したり、唱独術でも学べばいいんじゃないですか?」


「そんな事出来るのか?」


「出来るぞ」


「えっ?」


 するとアウラが発言した。


「私は唱独術の心得があるのでな。 せっかくだ教えてやる庭に出ろ」


「分かった」


 巴は庭に出てアウラと向き合った。


「……ど,どうすんだ?」


『凍れ!』


「うおっ!?」


 アウラが何かを発言したと思ったらアウラの手のひらから氷が出て来てびっくりした。


『燃えよ!』


「うおっ!?」


 そう唱える手から炎が


『電光! 風の嵐よ!』


 そう唱えると雷が放たれ、風の竜巻が起きた。


「……何これ?」


「……何って唱独術の一つ詠唱魔術だが?」


「……これ俺覚える事出来るの?」


「ああ今からでも覚えられる私と一緒に特訓すればな」


 アウラはそう言って満面の笑みを見せた。


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