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ありがちな家族紹介

ひとしきり、家族の再開を喜んだところで、私も含めて転生前と転生後の家族について情報をまとめていきたいと思う。


まず、私。転生前は安藤美佳。20歳になって半年程で専門学校に通っている。デザインや建築が好きで休日は色んな建築物を巡っている。

そして、転生後はミカエラ・アルデンツィ、10歳。公爵家の一人娘。優秀な兄と比較され、家ではネグレクト気味。ゲーム内では主人公のライバルとして登場する。幻覚魔法を得意としていて、姑息な戦い方をしてきた。


次に、お父さん。転生前は安藤剛。53歳、普通のサラリーマンで、模型作りと釣りが趣味。お母さんに玩具増やすなってよく怒られてた記憶がある。アニメなどにも寛容で、よく旬のアニメについてお姉ちゃんと語っていた。

転生後は、グレン・アルデンツィ。32歳。公爵家当主で、圧倒的な氷魔法の腕前、そして厳格な性格から((絶対零度の番人))と呼ばれている。ゲーム内では、主人公の旅立ち前に成長具合をチェックするため戦闘になる。ちなみに、私は2回負けた。


次、お母さん。転生前は安藤和子。50歳の専業主婦。お菓子作りが得意で、最近はアイドルグループにハマっていた。1人でライブに行けないタイプなのでよく同行させられていた。

転生後は、マーニャ・アルデンツィ。30歳。公爵夫人で、社交界での立ち振る舞い、その麗しい見目から((朝露の美魔女))と呼ばれている。ゲームには、登場しないが、後にキャラクターブックでシルエットだけ公開されていた。


最後に問題のお姉ちゃん。転生前は、安藤雪歩。24歳の理系大学院生。ゲームとアニメが好きで、特にファンタジーが好き。私に「幻花嵐戦記」を勧めてきたのもお姉ちゃんだ。

転生後は、エイベル・アルデンツィ。15歳。公爵家長男。苛烈な性格と圧倒的な魔法の才能から((魔の簒奪者))と呼ばれて、畏れられるとともに憧れの存在である。ゲーム内では主人公の攻略キャラとして登場し、その美貌と天才肌の性格から私含め、女性の心を鷲掴みにしてきた。スチルまで解放したイケメンの中に姉がいるという何とも複雑な感情。


いや、転生後のキャラが濃すぎるのだが。前世の記憶が戻ったのはみんな流行病で寝込んでいた時で、みんな目覚める時に今世の記憶の遥か昔に前世の記憶があるような状態だそうだ。私以外は4日前に目覚めてからこの生活に順応したらしいが、お姉ちゃんに至ってはもう性別違うのになんで受け入れれてるのか訳が分からない!


そんな問題のお姉ちゃん…いやお兄ちゃんは今、私の髪を結って遊んでます。

「いやぁ、転生しても妹が可愛すぎる…。髪の毛スベスベサラサラなんやけど、え、天使かな??」

正直、お父さんに似た鋭い目つきのせいで真顔で褒められると怖いが勝つのだが、こういう扱いは前世から慣れているので特に何も言わない。言ったって止まらないしね。

「うーん、この髪色なら飾りもうちょい派手にしやんと、浮きそうやんな」とぼそぼそ呟いたお兄ちゃんが、手を振ると勝手にクローゼットが開いて豪華な髪飾りが飛んできた。私がそれを見て目を丸くしているのを見るとお兄ちゃんはこの世界の魔法について詳しく教えてくれた。


どうやら、この世界には魔力と魔素が存在しているらしい。基本的に魔法を発動するには適切な呪文とイメージ、そしてエネルギーとしての魔力が必要で、魔力は身体で生成する分に加えて、魔素から変換することもできるみたい。魔力の属性によって使える魔法は決まっていて、身体のどこかについている厨二病全開の痣は作りやすい魔力の系統を示しているんだって。魔力のコントロールが上手くなると、自分の系統以外の魔法も使えるようになるらしいけど、そこまで魔法を極めるにはとてつもない才能と努力が必要だから知ってる人も少ないみたい。

ところで、お兄ちゃんの痣は薔薇だから植物に関わるような魔法が得意だと思うんだけど、今髪飾りを運んできたのはどう見ても風だったよね?

「うわー!妹の観察眼が天才的すぎるね!これは世界も放っておかないよ!」と、何を言っても私をべた褒めしてくるお兄ちゃんを宥めて話を聞いたところ、

何と、お兄ちゃんは転生初日から徹夜でこの世界の魔法について検証を初めて、もう既に無詠唱と他属性の使用を可能にしたらしい……。いやいや、だから展開が早いんだって!

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