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助手席のゆうれいさん②

 走りだすと、件の信号機まではあっという間だった。

 最初に幽霊さんを乗せて逆方向へ走ったときには、とても長く感じたというのに。


 目的地に到着して、幽霊さんに別れを告げた。

 ちらほらと歩行者もいたけれど、彼らに幽霊さんが見えているのかは分からない。


 幽霊さんが去った後、後部座席を覗き込むと、オレンジジュースの空き缶が残されていた。

 まったく、ゴミを置いていくなんて、と缶をつかんでーー


 助手席に置いた。


 今後また、幽霊さんに会えるのかは分からない。

 近いうちにまた出会うのかも知れないし、死んだ後にすら会えないのかも知れない。


 幽霊さんが霧のように消えていくのを見届けた後、僕はゆっくりと車を走らせた。


 オレンジジュースの匂いが、微かに漂ってくる。


 助手席に、座ったことすらない幽霊さんの面影が残っているような気がした。


     ――了――

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― 新着の感想 ―
[良い点] 幽霊さんと友の関りが良かった点です。 [一言] 悪霊って必要じゃない気がしますが、そうしないと除霊の目的や幽霊さんとの出会いの背景が適当になってしまうのかなぁと思いました。
2023/07/15 17:54 退会済み
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