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みんなのらぶっ❢

ときめいて 死ぬほどキミに 恋したら パレス六条 平安ならむ

 春の主である桜が取り囲む春の庭での結婚式でございます。

 桜の花びらたちは花嫁花婿を取り囲み、または舞台の池をその色で染め、パレス六条にさらに彩りを添え、空を舞います。


 楽しい宴はまだまだ続くようでございます。


「今日お集まりの皆さまに幸せが溢れますように」

「レディースアンドジェントルマン!」

「ボーイズアンドガールズ!!」

「我々源ちゃんズによる音楽のプレゼントですっ。まずはこのふたりからっ」


 ブーケトスの次は源ちゃんズの演奏のようですわね。ノリのよい管一のコールを受けておもむろにベース音が聞こえてまいります。弦四郎でございます。さくら池のほとりでウッドベースを弦四郎が指で弾きます。


 そこにハスキーな歌声がのってきます。


 ―― L、はわたしを見つめて(look at me)


 そう、あさりのヴォーカルでございます。


 ―― O、はたったひとり(only one)


 コントラバスを抱くように鳴らす弦四郎の元へと歩きながら歌います。


 ―― V、はとっても(very)特別な気持ち


 ときおり目を合わせ微笑みあいながらのセッションでございます。


 ―― E、は誰より(even more)キミに恋してる


 弦四郎念願のあさりとのコラボレーションでございますね。とても仲良さげなふたりです。ようやく弦四郎はあさりに告白したのでございます。すると、あさりも数年前のクリスマスイベントの頃から弦四郎の演奏に恋していたんだとか。とても早い段階からお互いの才能に恋したアーティストカップルだったようでございます。


 明るいジャズ『L-O-V-E』の旋律をアルトサックスが奏でます。司会を担当していた管一です。ラッキーにハッピーにテンポよく。お屋敷の簀子縁の夕さまと雲子さまの側での演奏です。目の前の南庭の向こう、弦四郎のいるさくら池が見渡せます。

 人気者の管一の周りに皆が集まってきて手拍子を始めます。ブーケトスに参加していたいちごたちSKJも南庭でレッツダンス、でございます。


 次に合流してきた音色は三味線です。この日のために弦二郎が練習を積んできて初披露の演奏です。和洋折衷のパフォーマンスでございます。恋人のももが手を振ります。


 ここまで弦四郎がリズムを刻んできましたが、打楽器(パーカッション)が混じります。ドラムや和太鼓で参加するのは夕さまの三従士でございます。霜に露の兄弟と雹ですわね。父親の弦一郎や管二にレッスンを受けてきました。母親のかりんやあずきは我が子の演奏に惜しみない拍手を送ります。


 一番の歌が終わり、いったん今までの楽器の音が止み、間奏に入ります。これまた今日が初披露の弦一郎によるギターソロでございます。寝殿の前、夕さまと雲子さまのいらっしゃる簀子縁の下での演奏でございます。さすがは源ちゃんズリーダー、かなり練習もしたのでしょうね。うねるようなメロディが皆のテンションを盛り上げます。

「パパ! カッコいいわよっ」

 娘のこうめが声をかけます。うめも微笑みで声援を送っています。


 弦一郎のソロが終わると次に聴こえてくるのはピアノの音色です。白砂の庭にセッティングされたピアノを弾いているのは……


 桐山でございます。そう、さざ波のようなピアノソロでございます。シルバーグレーのダンディ桐山の滑らかな旋律に女性陣そろってうっとり、でございます。続いて2番の歌が始まります。


 ―― L、はわたしを見つめて


 歌っているのはさざえです。


 ―― O、はたったひとりの


 こちらも桐山との夢のコラボでございます。


 ―― V、はとっても特別な気持ち


 桐山からセッションを持ち掛けられました。


 ―― E、は誰よりアナタに恋してる


 卒倒しないで歌えるようにと、ピアノの桐山とのあいだに几帳を立ててさざえはジャジーに歌い上げます。


 途中からぱんだ、うさぎ、こあらがタンバリン、すず、トライアングルを可愛らしく鳴らすと前半組も再度演奏や歌を再開させます。さくら池のほとり、白砂の南庭、寝殿の簀子縁、植栽の桜の木の下などパーティー会場のあちらこちらからさまざまな音色が聴こえます。


 かすみ、あられ、しずくの雲子さまSKJが花びらのシャワーを散らします。3人は夕さま、雲子さまの元へと向かいます。花びら以外にもこの日のために従者皆で作った五色の紙吹雪も振りまきます。その華やかさに歓声が上がります。手を繋いでいる夕さまと雲子さまを花びらと五色紙が包み込むように寿ぎます。


 弦三郎が筝の琴を奏でます。かすみが弦三郎にも花びらを振りまきます。

 管二のトランペットが今日も冴えています。妻のぽんずも久しぶりの演奏を楽しんでいるようです。

 管三が尺八で参加して源ちゃんズフルキャストでございます。ほたてが隣で歌っています。そのふたりの前にぱんだ、うさぎ、こあらのプチパーカッション隊が駆け寄ってきます。


 花嫁と花婿を取り囲むように花びらは舞い、光る君管弦楽団(源ちゃんズ)とスペシャルコラボチームによる愛の歌がパーティー会場に響きます。


「ラストはやっぱりこの方~」

 管一が呼びかけます。


 ―― 愛は俺とキミのためにあるんだぜ


 こんな歌詞セリフが似合うのはひとりしかいませんわね。

 光る君がラストを飾られます。


 夕さまも雲子さまも立ち上がってリズムにのっていらっしゃいます。他の皆さま方も手拍子をして、歌をくちずさんでいらっしゃる方もおりますわね。


 ―― 愛は夕と雲ちゃんのために


 夕さまと雲子さまも皆に花吹雪を舞わせます。ヴィレッジすぷりんぐが色とりどりの花の雨に彩られます。

 もっと、もっと、と管一が皆を盛り上げます。


「みんなでっ! もう一度っ!!」


 ―― (LOVE)は俺とキミのために

 ―― (LOVE)はわたしとアナタのために


「もういっかい! はいっ!!」


 全員での大合唱は何度もリフレインされます。 

 歌声は空にまで届くようでございます。



 まことに


 まことに


 パレス六条平安なり、にございます。

 


 ♬BGM

 L-O-V-E     Nat King Cole



 ✨『げんこいっ!』トピックス

 桐山はさざえと文通を始め、今回のセッションにこぎつける。

「今後はゆっくりふたりで人生の歌を奏でませんか?」

「ひえっ! じん? 人生? って、それって、それっ!!」

 ひぇぇぇぇ! ぱたん。

☆次回予告

フィナーレは やっぱりこれよ ハッピーエンド

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