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「……ライアン殿。今から二千年前にこの世界で大きな事件が起きたな。それを神子殿に話してくれないだろうか? どうせ此奴等は(しも)の世話ばかりで重要な事は何一つ教えていなかったみたいだがらな」

「分かりました……王子、王女様方、二千年前の大事件をご存じで?」


世話係達は怪訝そうに頭を傾げる。どうやら素で忘れていたみたいだ。だから神子達は()()()()の事を知らなかったのか。王女達の様子を見て親達は頭を抱えてしまった。

ライアンは頭痛を我慢して二千年前の事件の詳細を話し始めた。


「二千年前何時もの様に異世界召喚が行われました。ただその時の王族達は大変傲慢な人間ばかりで当時の神子様を奴隷の様に扱いました。堪忍袋の緒が切れた神子様は城から出没し姿を消しました。

此処で探し出して誠心誠意謝れば良いのに王族達は『神子がいなくても構わん』と言って探しませんでした。当時の騎士団が歴代で一番の強さだった事が傲慢の理由だったのでしょう。

しかし時間が経てば経つ程魔物達は強くなっていき、遂には騎士団の部隊の中で全滅する所が出始めました。

アイツ等は瘴気を栄養に成長するだけではなく、()()()()()()()()()()()()()()()。その結果魔物達は力をつけるだけではなく、知能の発達、肉体の発達したのです……最終的に奴等は()()()()()()()()()()()?」


王女達は思い出したのか大きく眼を開いた。だがもう遅い。


「奴等は我々に対抗できる様に()()()()()()()()()()()()同胞が産まれた。魔物達はソイツ等を頭に据え置いた。……()()の誕生です」





魔族は分かっているだけで十三人。人間にそっくりの外見の魔族だけではなく、上半身が虫や獣にそっくりなモノ(後の神子によるとそう言った者は亜人と呼ばれる)、成人男性程の大きさのスライムが人の形を取ったモノと千差万別だ。

しかし共通としては魔族達は一体だけで千の兵を殺す程の恐ろしい力を持っていた。そのせいで二千年前の死者・行方不明者は国民、兵士を合わせて十五万人、いや桁が一つ二つ足りないのではないか? と歴史研究者達は今でも正確な犠牲者数を議論している。無論そこまでの犠牲者を己達の傲慢で出した当時の王族達は全員火炙りの刑となった。


「後に心ある人間達と友情を深めた神子様は仲間と共に何とか奴等を何とか人間の土地から魔物達が産まれる土地まで撃退する事が出来ました。つまり神子様の力を使っても奴等を()()()()()()()()()()と言う事です。

魔族達がもう二度と人間の土地に来ない様に、雑魚である魔物が出る程度の初期段階の場所を早期に浄化する事で何とか今まで平和に暮らしていました。……今までは」

此処まで説明すれば愚鈍な神子達も分かってしまったのであろう。一年も浄化をしないと言う事は瘴気も高濃度になる。二千年前の神子が命を掛けて何とか弱体化した魔族達が濃くなった瘴気によって徐々に回復して……


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