弐
スバルの世話を買って出たライアン国王とその妻であるレフィアナ王妃は激しい怒りを押し殺す様に顔を無表情にして神子達とその世話係となった各国の王子と王女がいる部屋へと向かって行った。
「神子殿は?」
「昨晩からそれぞれの部屋で籠っています。世話係となっている王族の方々は昨晩からお見えになっておりません」
ライアン達の後ろで文官が付いて来ている。因みに今の時間は丁度お昼だ。神子達が昨晩から夜まで何をやっているのか下種な想像が思い浮かべてしまいライアンは舌打ちを打ちたくなる。
「アラアラ。今代の男の神子様も女の神子様も絶倫でいらっしゃる事」
レフィアナは素直に毒を吐いて嘲笑った。たかが小国の王妃が神子や大国の王子王女達を侮辱する事は許されない事だったが、誰もそれを咎めようとはしなかった。
ライアンとレフィアナはそれぞれの神子の元へと向かった。
男神子の警備を担当している衛兵がライアンに敬礼する。
「直ぐにお呼びします」
「いや、私が行こう」
止める衛兵を押しのけライアンは扉を開いた。
一歩進んだ途端、ムッとした熱と匂い、後から複数の甲高い喜悦の声が聞こえますますライアンの機嫌が悪くなった。
「レフィアナの言っていた通りだな……」
ワザと足音を大きくたてながら男神子様達がいるベットに向かう。
天蓋カーテンで中を見る事が出来ないが、影や声で何をやっているか嫌でも想像できた。
溜まらずライアンは大きな溜息を吐いて乱暴にカーテンを開いた。
「きゃあ!!」
「うわ!!」
予想通りにベットの上で裸の男と複数人の女が乳繰り合っていた。
「……姫様。貴女方は女神子様の世話係でしょう。何故此処にいるのです? それにその様な世話はしなくても良かった筈ですか?」
そもそも男神子には男性の世話係を、女神子なら女性の世話係と言う風に同性の世話係を付かせるのだが、どう言う訳か男神子には王女達が女神子には王子達が誰にも命令される事無く、自分達が自主的に世話をするようになった。
「無礼者! 妾を誰だと思っておる!」
金髪碧眼の見た目がロリな美少女が憤慨しながら立ちあがった。
「大国の第一王女さまでしょう? 我が国と比べれば何もかも天と地の差もある。……それよりも何か身につけて下さい」
ライアンに指摘された大国の王女が慌ててシーツに身を隠す。
「ぶ、無礼な!! 妾に何かあれば父上が……」
「その父上に命令されたのですよ。即刻神子様とその世話係達になった王子・王女達を集める様にと」
「……父上が?」
ライアンはソレだけ言うと「先に戻ります」と言って文官に後を任せた。後ろで何やら騒いでいたみたいだがそれを無視した。
部屋から出るとレフィアナと鉢合わせした。レフィアナの顔もゲッソリとしている。
「……ライアンの方も?」
「お前の方もか。……どうして両親はあんなに立派なのに奴等はあんな風になってしまったのか」
意図せず二人は同時に溜息を吐いた。




