壱
とある異世界は異世界召喚を行っている。
と言うのは理由があって、その世界は人の負の感情や瘴気が原因で魔物が産まれる。それを浄化するのが『異世界人』だった。
その世界の住人にはない『浄化の力』を持っておりその力を各地に周って使い、魔物を退治する。それを五百年周期に繰り返していた。
無論異世界人には護衛が付くし、全てが終われば召喚された時に戻る事が出来るし、望むのであればこの世界に残りこの世界の住人として生きていける様に準備したりした。
ただある年の召喚の事。前代未聞の出来事が起きたのだ。
何と三人の異世界人が召喚されたのだ。しかも内二人は浄化の力を持っていて、もう一人はまったく力がなかった。どうやら呼ばれた際にどちらか片方に服を掴まれて一緒に来たと言う事だった。
前例にはない巻き込まれた『異世界人』。
他の二人は今まで通りに召喚した国の代表(召喚はそれぞれの国の一番の魔術師の力を借りる)が世話係となったが、巻き込まれた異世界人、スバルの処遇について話し合いが行われた。
何せ前例にはないケースだった為どうすべきか各国の王や重臣達は悩んだ。
しかもこのスバルはまるで手負いの獣の様に怯え、近づこうとしたら近くにあった物を投げる等をして暴れた。今はシーツで身体を隠し部屋の隅で怯えていた。
此方側の話を碌に聞かないスバルに大国の王族達は持て余したが、とある小国の若き国王夫婦が手を上げた。
「あの方はこの世界にいきなり来て怯えているだけです。皆様は神子様達の教育で大変でしょうから私達が責任を持ってスバル様をお世話します」
そう言ってくれたので他の王族達も彼等にスバルを預け、自分達は神子達の教育を任した。
通常の異世界召喚は最短で半年、遅くても二年で浄化を完了し、大体の神子達は一年で浄化が終わっている筈だった。




