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522 ハルトまたまた失敗する&つくってみた『朝食』

 ベリルママとの通話が終わった後は特にこれといったことはなかった。


『そうそうドッキリがあっても困るわな』


 そんな訳で風呂から上がって円形ベッドの中央で寝っ転がる。

 キングサイズが可愛く思えるくらい広いのは妻たちと一緒に寝るからだ。

 一応は寝室も含めて各自の部屋があるんだけどね。


『みんな俺と一緒に寝ると言って聞かないんだからしょうがないよな』


 全員で寝ると雑魚寝感が半端ないけど。

 それでも俺の部屋が狭く感じないのは空間魔法で室内を拡張しているからだ。


『改装したときは、みんな呆れていたな』


 いつものことである。

 気にしては負けだ。

 妻たちだって呆れはしたが気にしていない。

 そんなものを気にするくらいなら特等席を確保する方が重要だと口を揃えて言っていた。

 俺の両隣が彼女たちの言う特等席だ。


『嬉しいけど最初は冷や冷やさせられたよな』


 いざ寝るときになって目線だけで牽制し合っていた。

 微動だにしない。

 喋りもしない。

 あまりの緊張感に俺は内心で震え上がっていたさ。

 結局、特に戦争状態になることもなく事なきを得たのだが。


『念話も使わず目線だけで会話が成立するとは思わんかったけど』


 で、決められたのがローテーション制。

 俺の隣を確保するための争奪戦が行われないのは素直に喜ぶべきだろう。

 たまに何かの貸し借りの精算ということでズレは生じたりするが。

 そこはまあ、当人たちが納得ずくでやっていること。

 俺は口出しをしない。


『すれば被害が発生するだけだからな』


 なんにせよ、みんな仲良しなのは実にありがたいことである。

 ちなみにエッチなのはせいぜいスキンシップ止まりだ。


 ヘタレと言うなかれ。

 婚約者であるノエルもいるのだ。

 未成年者相手にあんなことやこんなことは見せられない。

 ノエル自身は知識を得てしまっているので興味はあるようだが。


『俺はロリコンじゃないからな』


 言っておくがYLNTを合い言葉にするアレな紳士でもない。

 ノータッチを信条とする紳士たちとは違うので、お休みのチューくらいはする。

 婚約者だから堂々としちゃうぞ。


 というか、しないとノエルが拗ねるのだ。

 皆の生温い視線が恥ずかしいとか言っていられない。

 ノエルが拗ねると月狼の友の面々が迫力満点の顔をして迫ってくるからな。


『肉食獣に襲われた草食獣の気持ちが味わえるぞ』


 とにかく今夜もチューしてお休みするのは間違いない。

 しばらく待っていると水着のデザイン会議が終わった妻たちが部屋に戻ってきた。

 皆で風呂に入るようだ。


 風呂の方も空間拡張してあるから無駄に広いぞ。

 ミズキやマイカの元日本人組は「ホテルの大浴場みたい」なんて言っていた。

 そりゃそうだ、参考にしているからな。


『伊達に旅行が趣味じゃなかったのだよ』


 懐かしいものだ。

 今回のように海水浴なんて行くこともなかったがね。

 お一人様に海水浴はハードルが高い。

 そんなことを考えるのはナンパ目的の野郎だけだろう。

 選択ぼっちだった俺にそんな蛮勇的行動は不可能である。


『今回は気兼ねなく楽しめるのがいいな』


 みんな身内で家族同然だから当然と言えば当然なんだが。

 あんなことしてこんなことしてと妄想を膨らませていく。


『ヤベえ、楽しそうだ』


 やはり脱ぼっちを目指して正解だった。

 海水浴だけでも楽しいのに温泉で花火だからな。

 マイカにドヤ顔で「私のお陰でしょ」とか言われるのはイラッとしそうだが許容しよう。


『今夜のチューは少し濃厚にしておいてやろう』


 あれで初心なところがあるから恥ずかしがらせることで先に溜飲を下げておこう。

 そんな感じで色々と考えている間に皆が風呂から上がってきた。

 後はチューして寝るだけだ。


『フフフ、敵は油断している。

 これはチャンスなのだよ』


 この夜、俺は全員と濃いめのチューをすることになった。


「未成年者もいるのにマズいんじゃないの?」


 俺はそう言ったんだよ。

 だったら最初からするなと言われてしまえば、ぐうの音も出なかったけどね。

 自業自得である。

 墓穴を掘ってしまったせいで妙に悶々とした夜を過ごすことになってしまった。

 馬鹿だろって?

 そうだな、俺もそう思う。

 恥ずかしいけど良い思いしておいて反省するのも変だけどな。

 教訓、後先考えて行動すべし。



 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □



 夜が明けた。

 が、眠れぬ夜を過ごしたなんてことにはなっていない。


『我ながら図太い性格をしているよな』


 これは昔からなので今更だ。

 スパッと身支度を調えて朝食の準備に取り掛かることにした。

 今日は俺が作ると事前に言ってあるので厨房には誰もいない。

 手伝おうにも理力魔法や転送魔法を駆使して作るので手伝う余地がないのである。


『ちょっと寂しいね』


 今度、作るときは誰かに手伝ってもらおう。

 魔法の頻度を減らせば何とかなるはず。

 さて、メニューはサンドイッチにしてみた。

 もしかすると惑星レーヌに降り立ってから初めて作るかもしれない。

 言うまでもなく食べるのもね。


『たまにはパンで朝食ってのも悪くない』


 というより今日はリゾート施設を設置する作業がある。

 故にササッと食事を終わらせられるものにしただけだったり。

 複製は楽なので勢いに任せて作っていく。


 まずは卵サンド。

 味付けは3種類。

 ケチャップとマヨネーズとサウザンドアイランドソース。


 続いてミックスサンド。

 具材はハムと卵とシャキシャキレタス。

 ソースはマヨネーズをベースにしたものだ。


 次が唐揚げサンド。

 パンは食パンではなくバターロールを使ったけどな。


 そしてポテトサラダたっぷりの芋サラサンド。

 これで腹を膨らまそうという姑息な魂胆がある。

 もちろん味が他のものに劣るようでは意味がないのでポテトサラダも手抜きはなしだ。


 味見をしてみる。


「うん、旨い」


 どれもこれも満足のいく出来だ。


「次はホットドッグなんかもやってみるか」


 あれはパンにソーセージを挟むだけでできてしまうから手を出してなかったんだよな。

 急いでいるときには便利なんだけど。


『あー、食堂3姉妹の屋台メニューとして採用するのはありかも』


 何にせよ準備ができたら早速、朝食である。


「あれぇ、ごはん党のハルくんにしては珍しいメニューだね」


 ミズキが真っ先に感想を漏らした。


「たまにパンを食べることでごはんの良さを再確認するのだ」


「ふむ、これは興味深いのう」


 シヅカは初めて見るサンドイッチをしげしげと眺めている。


「くぅーくぅー」


 旨そう旨そうと涎を垂らしているローズさん。


「唐揚げがあるよー」


 涎2号と化しているマリカ。


『マリカは雑食だけど肉食寄りだから当然の反応だよな』


 というより、それを狙ってメニューに組み込んだからな。

 唐揚げで似たような反応をしているのが他にもいた。


「これがサンドイッチ」


「「お姉ちゃん、かかか唐揚げとパンがドッキングしてるよ」」


 リーシャと双子の妹たちである。


『犬系のハイラミーナだからな』


 相変わらずリーシャは狼だと言い張っているが。

 もちろん誰も信じていない。

 本人も主張したいだけで何がなんでも認めさせたいとかではないようなんだけど。

 おかげで言い合いとかには発展しないのは幸いだ。


『それにしても双子ちゃんたちの表現がなぁ』


 些か厨二チックな気がしなくもないんですが?

 これって俺が提供している動画の影響だよね。

 保護者の立場だったら責任を感じていたことだろう。


『まあ、娶るという形で責任は取っているから良いということにしておこう』


 人はそれを逃避と言う。


「なあなあ、卵のやつは3種類の味付けになってるみたいやで」


 同じ犬系でも狐なアニスは卵に興味が湧くようだ。


「卵にケチャップって……」


 一瞬、呆れ気味の表情を見せたレイナ。

 しかしながら、ふと何かに気付いたような顔になって頷き始めた。


「ああ、分かった。

 オムレツとかオムライスの発想なんだ」


『正解だ』


 ただし他の調味料も少し入って調整してあるからケチャップのままじゃないぞ。


『食べなきゃ分からんだろうがな』


「あ~、こっちはポテトサラダですよ~」


 ウサギ系なダニエラは軽く体を上下に揺すって喜びを表現している。


『相変わらずポヨンポヨンしてやがるぜ』


 眼福である。

 トモさんは頬を赤く染めてフェルトの影に隠れるようにしてたけどな。

 エロ話は平気でするのにこれである。

 そういうときに女性から切り返されると何も言えなくなったりするし。

 声優の浅唐柚さんは、それでトモさんをやり込めたことがあるとか。


『意外と初心なんだよなー』


 ちなみにフェルトはダニエラと一緒になって芋サラサンドを絶賛している。

 そのせいでトモさんの様子には気付いていない。


『食欲で目が眩むとは思わなかった』


 これも天然と言うべきなのだろうか。


『まあ、バレても怒るまい』


 露骨にスケベ面を晒すようなことをした訳じゃないし。


「旦那よ、これを作るとは予想外であったわ」


 ツバキがはしゃいでいる妖精組を楽しげに眺めながら、そんなことを言ってきた。


「ハルト様が朝食を作られるということで和定食を予想していたのですが」


 そんなことを言ってきたのは弟子2号のカーラだ。

 弟子1号と2号でそんな話になっていたとは。


『和定食か……』


 それが切っ掛けで思い出したモノがあったので1品増やすことにした。

 調理は倉の中で超高速に仕上げていく。


「悪い、アジフライサンドを忘れてた」


 そう言って追加していくとカーラの耳がビビッと震えてシャキーンと気を付けした。

 カーラだけではない。

 ハイケットシー全員とレイナがそんな感じで興奮している。


『やっぱ猫には魚なのか』


 他にもレオーネがウズウズしている。

 さすが海エルフから進化したシャドウエルフである。


『漁を自給自足の中心に据えていた種族の生まれともなると魚好きは猫並みか』


「ん?」


 今朝は妹のリオンも一緒のようだ。


『俺が朝食を作ると言ったから昨夜のうちに連れて来たんだな』


 仲良きことは良きことかな。

 美味しく御飯を食べて今日も1日頑張ろう。


読んでくれてありがとう。

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