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173 ダンジョンで強行軍?

改訂版です。

ブックマークと評価よろしくお願いします。

 臨時編成されたパーティでダンジョンに潜る。

 俺はいつものように風魔法で外部に音が漏れないようにしてマルチライトを使った。


「ハルトよ、隊列はこのままで良いのか」


「ああ。行きは俺が先頭で行かせてもらう」


「えらく張り切っておるな」


「うちの子たちに早く渡したいものがあるんだよ」


「帰ってくるのを待った方が入れ違いにならぬと思うのじゃが」


 普通ならそうなんだろうけど俺には熟練度カンスト済みの【地図】スキルがある。

 そして地下レーダーの魔法を使えば、うちの子たちがどこにいるかも把握できるのだ。


 この時間ならすでにダンジョン変質前の最深部だった40層あたりまで到達しているだろう。

 広さもそこそこあるのでベテラン組でも深く潜るのは苦労するらしいが、うちの子たちなら大丈夫。

 当たりをつけて探れば……


「捕捉した」


 予想通り40層を超えていた。


「なんじゃと!?」


 ガンフォールが目を開ききっており、ハマーやボルトも呆然としている。


「さすがは我が主じゃ」


 満足そうに頷くシヅカとツバキ。


「48層だ。戦闘中のようだな」


「どうやったら、そんなことまで分かるんじゃ」


「地下レーダーって地属性の魔法だよ」


「どれだけ魔力をつぎ込んでおるんじゃ」


 呆れっぱなしのガンフォールが呟いた。


「知らない方が幸せなことってあると思うぞ」


「ワシもそう思う」


 誤魔化すための冗談だったんだが、真に受けてしまったようだ。


「ということで合流するまで速攻で行くぞ」


 ツバキとハリーに素早くアイコンタクトを送った。

 それを見て俺が何かするのだと察知したであろうシヅカがニヤリと笑みを浮かべる。


「シヅカは殿で頼むわ」


「心得た」


「ワシらはどうすれば──」


 最後まで言い切る前にジェダイト組は俺たちに抱えられていた。


「俺に続け!」


 ガンフォールを抱えてダッシュで奥へと向かう。


「「「おおーっ」」」


 ツバキがハマーを、ハリーがボルトを抱えてそれに続く。

 そして俺の指示通りシヅカが殿である。


「待たんか─────っ!」


 ほとんど悲鳴じみたガンフォールの制止の声がむなしく響く。


「またこれか─────っ!」


 冒険者ギルドへの連行に赤イナゴ騒動での避難があるからこそのハマーの悲鳴。


「チンタラしてちゃ追いつけないだろ」


「なんだなんだ!?」


 ボルトは赤イナゴ騒動の時よりも混乱しているっぽい。

 あの時は蝗害による街中のパニックに気を取られて頭が一杯だったのかもしれんな。

 なんにせよ移動の速さに驚いているだけのようである。

 見所はあるかもな。


 そんなことを考えながらもノエルたちとの合流を目指して1層の階段を駆け下る。


「うおおおぉぉぉぉぉ─────っ!」


「んぎゃあぁぉぁぁぁ─────っ!


「うわあっ!」


 まるでジェットコースターに乗っているかのような絶叫だ。

 暴れないのは楽なんだがうるさいったら。

 それに先程かけた遮音結界は弱めのものなので叫ばれると効果がない。

 二度手間だが仕方ないか。


『遮音結界をかけ直したのですか?』


 ハリーが念話で聞いてきた。


『ドワーフたちがうるさいからだろう』


 ツバキが俺の代わりに答える。


『なるほど。強くしたのですね』


『そういうことだ』


『索敵はどうするのじゃ?』


 今度はシヅカが問い合わせてきた。

 遮音結界を強めたことで外からの音も伝わりにくくなったことに気付いたか。


『音以外でも感知できるだろ』


 そう伝えると苦笑交じりで肯定の念話が返ってきた。


 その後も階層を駆け下りていく。

 10層に下りた頃にはジェダイト組も慣れてきたのか騒がなくなった。

 疲れただけかもしれないが静かになったのであれば何でもいい。


 しかし、問題なく下っていけたのは38層までだった。

 それまでは他の冒険者連中と鉢合わせないように手を尽くしていたのだが……


『この先を曲がった通路の奥でいったん止まるぞ』


 ミズホ組に念話で伝えると、徐々に減速して予告通りに止まった。


「ようやく休憩か」


「違うじゃろう」


 ホッとした様子を見せるハマーの呟きをガンフォールは否定する。

 音は聞こえなくても気配を察知したようだな。

 まあ、荷物状態のままのやり取りだったので格好はつかないんだけど。


 ガンフォールたちを解放して風魔法を解除。

 途端に激しい剣戟の音や怒声などが聞こえてきた。


「おいおい、間近で戦闘しているようだが?」


 ハマーの問いには非難めいた響きがあった。


「どういう状況じゃ?」


 続いてガンフォールが聞いてくる。


「迂回路がないんだよ」


 階下に降りるために必ず通らねばならない大広間で戦闘が行われているのだ。

 頭数が少なければ光学迷彩を使って通り抜ける手も使えたのだが……


「2組のパーティがオークの群れに囲まれているんだよ」


 物量で負けているせいで守るのが精一杯な感じな上に重傷者が1人いるような状況で何とか持ちこたえていることも説明した。


「ワシの出番じゃな」


 腕まくりまでしようかという意気込みぶりだが、生憎とそういうことにはならない。


「いや、俺が変装してさくっと片付けるから待機だ」


 ガクッとずっこけたガンフォールはスルーして変身バックルを取り出す。

 右手には黒く艶めく球体の玉石。


「今から見るものは内緒だからな」


 そう言ってから龍の頭部を象ったバックルを下腹部に押し当てれば、いつものようにベルトがセットされる。


「変身!」


 掛け声と共に黒石を龍の口に押し込み顎を閉じた。

 いつもなら光に包まれるところだが今回はそうはならない。

 闇属性の宝玉を使ったので、それっぽく闇の靄に覆われるようにしてみたのだ。


 霧が消え去ると漆黒のヒーローが姿を現す。

 その名も仮面ワイザー・ダークネス。


「おおー」


 何故かシヅカが変身後の俺の姿を見て目を輝かせながら喜んでいた。


「さて、行ってくる」


 返事は待たずに大広間へと向かう。

 闇を纏って目撃されないようにしてから大広間を駆け抜け反対側の通路から爆発音と派手な光をフラッシュさせて登場だ。


 一瞬で剣戟の音が止まった。

 防戦一方で必死に守っていた冒険者たちも襲いかかっていたオークたちも全員がこちらを呆然と見ていた。


 凶暴な魔物相手に遠慮は無用。

 両腰のガンセイバーを引き抜いてダッシュ。

 一瞬でオークに肉薄し闇色の刃を一閃すればオークの首が落ちる。

 それが地面に落下してしまう前に俺はすべてのオークを絶命させた。


 だが、これで終わりではない。

 ガンセイバーを闇剣モードから切り替え冒険者たちに銃口を向ける。


「何を……」


 何事かと身を固くする連中のことは無視して引き金を引いた。

 腕と脚を骨折している女冒険者に淡い光が送り込まれる。


「「「「「なっ!?」」」」」


 冒険者たちが狼狽する中で女冒険者だけが己の腕や脚を見て驚いていた。

 怪我の痛みが引いていくからだろう。

 もちろん、怪我は完治させたさ。


「何処も痛くない」


 女冒険者のその一言が仲間たちの視線を集める。

 その間に俺は闇にまぎれてさっさと消えた。


「無茶苦茶じゃ」


「まったくですな」


 ツバキが幻影魔法で大広間の様子を見せていたらしいが、戻ってきた直後のガンフォールとハマーの言葉がひどい。

 とはいえ、ここで言い合うのは賢い選択ではない。

 広間の冒険者連中が引き返してくれば鉢合わせしかねないので先を急ぐ。

 戦闘していなければ広間を通り抜けるのもそう難しいことじゃないのでね。

 光学迷彩の魔法を使って大広間を通過した。


 その後は何事もなく48層に到着。

 広めの部屋で休憩を取る。

 ようやく本当の意味で解放されたジェダイト組はへたり込んでしまったが、だらしないとは言うまい。


「酷い目にあったわい」


「まったくですな」


 ガンフォールやハマーからは非難めいた目を向けられたが無茶をしたとは思うので甘んじて受けようじゃないか。

 それよりもボルトが静かなのが気になった。


「気分でも悪いか?」


「いえ、そういう訳では……」


 否定する割には歯切れが悪いと思っていたら。


「修行不足を痛感しておりました」


 そう吐露した。


「教えてください。どうすれば、あのように強くなれるのですか」


 仮面ワイザーのことを言っているのか。

 間違ってもセーブしているとは言えないな。


「まずは身体強化の魔法を使えるようになってみせろ」


 そんなものは入り口に過ぎないがね。


「魔法ですか」


 苦渋の表情になるボルト。

 ドワーフもラミーナと同じく魔法が苦手だったよな。

 妄想するのが苦手なのかね?


「この階層でうちの子たちが戦えている理由は全員が魔法を使えるからだぞ」


「えっ?」


 信じ難いことを聞いたと表情を一変させるボルト。

 月影の面子にはラミーナが6人もいることを知っているからな。


「ちょっと待て、ハルト」


 ガンフォールが割り込んできた。


「何だ?」


「魔法が使えなければ、この階層では戦えぬじゃと」


 おや、ガンフォールが気付いたようだな。


「魔法の武器でも可だ」


「アンデッドかよ!」


 ハマーも気付いたか。


「2人とも武器に魔法が付与されているだろ」


 そうでないのはボルトだけだ。


「シャレにならんぞ」


 ハマーは緊張感を滲ませながら立ち上がり短槍を構え忙しなく周囲の様子を探り始める。


「落ち着かぬか、馬鹿者がっ」


 ガンフォールに窘められて恥ずかしそうに構えを解いて再び座るハマー。


「若いボルトが動じぬというのに情けない」


 動じないんじゃなくて動けなかっただけだと思うよ?


「面目ございません」


 今は反省するハマーよりも自衛手段が弱いボルトを気にかけるべきか。

 強くなりたいと言ってることだし、少しばかり手を貸すのも悪くはないかもな。


読んでくれてありがとう。

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