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オジー王国の謎  作者: 寺子屋 佐助
第二章 オジー城編
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2話 バーチャマ乱入!

「えっ?バーチャマおばあちゃんも遊ぶんですか?」


 俺はあまりに予想外のバーチャマおばあちゃんの発言に、思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。

 いや、だってそうだろう。あそこまで怒りを露わにして、その理由が仲間はずれにされていたから、では誰も信じられまい。

 俺がそのまま呆気に取られた様子でバーチャマおばあちゃんを見つめ返していると、後方からアミさんが


「そう言えば、大叔母様も昔からこの遊びが好きでしたもんね」


 とかいう、驚愕発言をした。

 年下が歳上に向かって昔から、という言葉を使うのはどこかシュールだったが、顔筋を引き攣らせていた俺にとっては苦笑を浮かべさせる程度でしかなかった。

 まぁ、女性に年齢のことを言ったら最後、顔面に怒りの鉄槌が下されるのは目に見えている。

 俺は、その思いを心の中にそっとしまうと、いつの間にか治まっていた我が半身をチラリと見下ろしながらホッと溜息をついた。

 どうやらバーチャマおばあちゃんの登場で、分身は成りを潜めたらしい。

 心底安心した俺は、バーチャマおばあちゃんと一緒にアミさん達の輪の中に戻ると、静かに胡座をかきながら俺の番を待つことにした。

 しばらく、石が床に落ちたり小さな歓声だったりが、場の雰囲気を包み込む。

 アミさん、サキさん、サリーさんと続き、カエデさんが三個目の石を掴み損ねると、いよいよお待ちかね、バーチャマおばあちゃんの番になった。

 何やら腕に相当自信がある様子で、バーチャマおばあちゃんは手慣れた様子で石を転がしている。

 やがて、さりげなく腕捲りをしながら黒い石を掴んだバーチャマおばあちゃんはチラリと辺りを窺いながら舌舐めずりをすると、石をスッと上にあげながらなんと残りの石を全て拾いあげて、最後の一つを軽々しくキャッチした。

 わー、という歓声と共にアミさん達がお見事、と拍手を送る。

 俺は、バーチャマおばあちゃんの曲芸のような手使いに思わず仰天しながら目をパチクリと開け閉じしていると、バーチャマおばあちゃんは俺に石を渡しながら鋭い目で見つめ、そのまま俺の顔を指差しながら高らかに言い放った。


「勝負じゃ、小僧!!!」


 あの一芸の後にこの決め言葉と、いつになくかっこいいバーチャマおばあちゃんを見つめ返しながら俺は思う。

 ああ、ドヤ顔で鼻息を荒くしていなかったら完璧だったのに、と。

 しかし、勝負は受けるのが男の務めであり、それに勝利するのが男の生き甲斐である。例えそれがバーチャマおばあちゃんであっても。

 俺は新たなる決意を胸にバーチャマおばあちゃんを正面から真っ直ぐ見据えると、目をカッと見開きながら未だ鼻息荒く佇むバーチャマおばあちゃんに告げ返した。


「いいでしょう。その勝負、受けてたちます!!!」


 俺は自分の意志を確固たるものにする為、手に持った石をギュッと握りしめると、そのまま流れる動作で石を転がした。

 何故か俺の心の声が漏れていたようで、サリーさんが


「石と意志……ップ」


 と笑っていたような気がするが、きっとただの空耳であろう。

 大体あのサリーさんがこんなしょうもないオヤジギャグで笑う訳ないしな。

 俺は、傍らで痛そうにお腹を摩っているサリーさんを尻目に手前にあった石を取ると、精神を統一しながら石を上に放る構えに入った。

 目を暫しの間閉じ、自分の呼吸の音だけに耳を傾ける。やがて、集中力を高めた俺は、目をサッと開くと手を振って放り上げる予備動作に入った。

 そして……


「ちょっと待った〜〜〜!!」


 と言うバーチャマおばあちゃんの声に一旦集中を解くと、俺は胡散臭げにバーチャマおばあちゃんを見つめながら唇を尖らせた。


「何ですか?今始めるところだったんですけど」


 不貞腐れたようにそう告げる俺を咎める者は誰もいないだろう。

 直前に邪魔された訳だし、仕方が無い。

 俺が非難気な目でバーチャマおばあちゃんを見つめていると、バーチャマおばあちゃんは悪いのぉ、と断りながら俺に伝えた。


「いやのぉ、お前さんは既に何枚も脱いでいるのに私だけ何も脱いでいないのは公平じゃないと思っての……」


 そう言っておもむろにに服を脱ぎ出すバーチャマおばあちゃん。

 俺は突然の展開に反応出来ず、ただソワソワと挙動不審な状態に陥っている。


「えっと、それはつまり?」

「……じゃから、んしょっ、こうしてお前さんが脱いだ分だけ私も……」


 嫌な予感と共に全身を氷漬けにしたような悪寒が身体中をのたまう。

 やがて、おばあちゃんは上着を脱ぎ捨て、下着に手を付けると、へそをチラリと見せながらこう告げた。


「ホホホ。これでお前さんも私の全てを……ってあれ?小僧はどこじゃ?」


 そう言って上半身の下着を脱いだバーチャマおばあちゃんの視線の先にはただの虚空が。


「ごめんなさ〜い、棄権します〜」


 身の危険を肌で感じ取った俺は風のように一目散に荷車の扉まで駆け寄ると、まだ走行中であるにも関わらずに広大な砂漠の中へと飛び出して行った。
























「危険と棄権……ププっ」


 その頃、荷車の中ではサリーさんが不気味な笑みを浮かべながら一人静かに笑っていた。

違和感の正体はまた次回ということで。

すみません。

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