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オジー王国の謎  作者: 寺子屋 佐助
第二章 オジー城編
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0話 プロローグ(オジー城編)

お待たせしました。

オジー王国の謎、第二章 オジー城編お楽しみください。

 灼熱の太陽が黄土色の砂漠をジリジリと焦がしている。その陽射しの下、オジー王国フーガ村に向かう一行は延々と続くと思われる地平線をゆっくりと進んでいた。

 砂埃の所為で汚れ、色が煤けてしまった荷車を中心に四頭の馬が正方形を作るような陣形で囲み、その間を何頭かのダチョウが隙間を埋める形で歩いている。

 そんな中、荷車の中では護衛ではないもの達が何やら真剣な表情を浮かべながら鋭い視線を交わしあっていた。



 ◇◇◇



 休憩が終わった俺たちはオカリナ遺跡を離れ、フーガ村への帰路を辿っている。

 そんな中、日の光にじっくりと熱され、まるで熱々のオーブンに入れられたような感覚を味わいながら荷車に揺られる俺は、額に伝う汗を拭いながら小さな窓の外に目線を向けていた。

 通気を目的とした穴から外を眺めて見えるのは大量の砂と二頭の馬、そして一体のダチョウだ。

 現在はバーチャマおばあちゃん特製のコミュニケーターが起動していないから分からないが、その内の一体のダチョウはおそらく今こんなことを嘆いているだろう。


「何で俺様が荷車を引かなきゃいけねぇんだ!!!」


 クケェ、と力無く叫びながらひたすら荷車を押すダチョウ、バザールを見て俺は思う。


 ーーーだからそれは自業自得だっつぅの。


 大量の汗をダラダラと流しながらも、いやいや自分の罰を全うしようとするバザールに心の中で毒づきながら、俺は一向に沈む姿を見せない太陽を見上げた。


「それにしても…」


 ……暑い。無意識にそう呟いたのは俺だけではなく、他の女性陣もそうなのだろう。

 身体中から水分が搾り取られる幻覚を見ながら、俺はまた視線を荷車の内部に戻す。

 見ると、俺同様に他の女性陣も何かしらの布で滲み出る汗を吸い取りながら宙をボーッと眺めていた。

 その面々はいずれも脱力感に溢れ、疲れ切っている。

 しかも、その顔はまるで夏風邪を引いたようにほんのりと紅潮している。


 俺は、この暑い状況を打開出来るかもしれない人物を視界の隅に抑えながら溜息を漏らした。

 今、俺の目線の先にはスースーと寝息をたてながら身体を丸める老婆の姿がある。白い髪の毛をつむじの辺りでお団子にしているこの女性こそが、俺が言った状況を打開出来るかもしれない人物である。

 彼女は、自称偉大なる考古学者であり、また同時に魔法結界学を極めたツワモノなのだが、現在は魔力切れとかなんとかで、睡眠をとっているのだ。

 魔力切れとかふざけんな!【魔力茶】とかいうチートなお茶があるだろうが!早くエアコンつけろや!

 などと叫びたくもなるが、今はその【魔力茶】も、キングコブラとの闘いで切れているらしく、止むを得ず往来の治療法、睡眠をとっているらしい。

 とにかく、そんな俺は暑さを紛らわせる為にシャツの胸元をパタパタと扇ぎながら涼をとっている。

 他の女性陣もまた、暑さを忘れる為に何かをはじめたようだ。

 流石に俺もこの暑さじゃ参ってしまいそうだったので、彼女達に混ぜてもらうことにした。

 で、彼女達が何をしているかと言うとそれは…


「何ですか、これ?」


 色形様々な石をバラバラに転がし、それを順番通りにとっていくゲーム、とでも言えばいいだろうか?

 どうやら、見た目と違ってルールは至って簡単なようだ。

 ようは、五つの石をサイコロのように転がして、バラバラになった石を一つずつ順に上に投げて空中でキャッチすればいいらしい。

 その際、取った石は床に置かず、ずっと手の中に持っておくようだ。

 つまり一個増えるごとに空中でキャッチしなければいけない石が増えるという寸法だ。

 しかも、いずれも片手だけでキャッチしないといけないらしい。

 俺は、単純かつ奥が深いゲームに感慨を受けながら、ゲームに熱中する女性陣を見つめると、その内の一人、亜麻色の髪を肩辺りで切りそろえた女性、アミさんに呼ばれた。


「かずや君、ちょっといいですか?」


 俺何かしたかな?、と頭に疑問符を浮かべながら俺はひとまずその場で立ち上がると、そのままアミさんに連れられ、荷車の隅の方についていった。

 そこまで他の女性陣と離れてはいないが、何か静かに話したいことでもあるんだろう。

 その証拠に、アミさんはスタンとしゃがみ込みながら俺も座らせると、小声で耳打ちをしてきた。


「大叔母様が起きたらでいいんで後で相談したいことがあるんですけどいいですか?そろそろ小休憩を挟もうと思っているのでその時にお願いします」


 何故こんなコソコソと隠れたやり方で俺にそう伝えてくるのは分からなかったが、まぁそれなりに事情があるんだろうなぁ、と察した俺はただ一言で了承を告げるとアミさんは満足気に一つ頷いてあの女性陣の輪に戻っていった。

 俺も一旦、彼女達の輪に入ると少し思考を巡らせた。


「何の話だろうなぁ…」


 一人そう呟きながらゲームを見ていると、ちょうどサリーさんが五つの石を取り終えたところだった。

 俺はいずれ来るであろう俺の番に、腕まくりをしながら待っていると、突然サリーさんが悪戯っぽい笑みを浮かべながらこう告げた。


「ねぇ、皆。負けた人に罰ゲームつけない?」


 今思えば、俺はこの時点で退場していれば良かったのかもしれない。何故なら罰ゲームの内容があまりにも悲惨なものだったからだ。

 だが、その時はまだ全員がゲームに燃えている状態で冷静な思考を失っていた。おそらくこの暑さも冷静さを欠かせる助長をしていたのだろう。

 俺たちは真剣な眼差しでサリーさんを見つめる。サリーさんは一拍の溜めの後、その淡いピンクの唇を動かした。

「今暑いし、服も汗で湿ってきたから負けた人は一枚ずつ服を脱ぐっていうのはどう?」

 ピキッっと何かが固まったような音がしたが、きっと何かの幻聴だろう。

 しかも何か目の前でこの暑さよりも熱い視線が交差している。

 悲しいことにどうやら誰もやめる気はないらしい。

 こうして俺たちは異世界版【野球拳】をはじめることになった。

一応、これまでの話の誤字脱字と矛盾点を修正させていただきました。

多分、大丈夫です。……多分。


今章はオジー家の人間関係の方に重点をおくかもしれません。

お楽しみに。


今後もどうぞよろしくお願いします。

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