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オジー王国の謎  作者: 寺子屋 佐助
第一章 オカリナ遺跡編
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31話 新たな同行者達

「夫がお世話になりました。重ねて他の二人まで面倒を見てくださり心よりお礼を申し上げます」


 今俺たちはリーダーダチョウ、もといバザールの妻のトゥインカさんに頭を下げられている。そう言って熱心に頭を下げるトゥインカさんにオロオロして手を前で振りながらカリンさんはそのまま返事を返した。


「いいえ、私達は何もしていないので顔をあげてください」


 自分は何もしていないと主張するカリンさんの言葉にバザールが気を良くしながら調子に乗って同意を示した。


「ほら、相手もそう言ってる訳だし…。もう帰ろう、母ちゃ…イテ‼‼」


 すると、バザールの言葉にイラっとしたのか、彼の足を捻じるように踏みつけながらトゥインカさんが顔だけをバザールに向けた。


「あんた今なんて言ったのかしら?助けてもらったくせに態度が大きいのね…。またムブラナを連れて実家に帰ってさしあげましょうか⁈」


 トゥインカさんは文字通り怖〜い顔をしながら口元だけをあげて笑うとバザールは思いっきり顔を引きつらせながら大量の冷や汗を流して弁解を始めた。


「ええっと〜、ほら、遺跡の近くまで乗せてってあげたし、蛇が大量発生してるっていうのも教えてあげたしだから大丈夫かと……はい、この度は私達を泊めていただいた上に食べ物を分けてくださって誠にありがとうございました。……こ、これでいいかい?……ふー、これだからメスは…」


 また足を踏みつけられ突かれているバザールに今のは確実にお前が悪い、と心の中でツッコミをしながら冷たい目でバザールを見る俺。

 そしてバザールの言葉に呆れて物も言えない女性陣。


「これだからあんたは……もっとデリカシーを持ちなさい、デリカシーを!」


 トゥインカさんが今度はバザールさんを翼で引っ叩きながら叱り出した。まるで夫婦漫才のように接し合う二体に何と声をかければいいか分からず、ただただ口を挟みかねていると状況をあまり理解してないのかただ単に空気を読んでいないのか、ダチョウの子供、ムブラナが二体の間に入りバザールの羽を毟り出した。


「痛い痛い痛い痛い。ムブラナやめるんだ。父ちゃん痛いぞ」


 すると、ムブラナはバザールに向かってキツイ一言を言い放った。


「男が言い訳なんて情けないよ、父ちゃん。素直に皆にごめんなさいって言ったほうがいいよ」


 息子の正論が直接心に刺さったのか大理石のように固まるバザール。やがてようやく反省したのか、バザールはきちんと姿勢を正すと、全員に向かって深々と頭を下げた。


「俺が悪かった。遅くながら改めて礼を申し上げたい。迷惑かけてすまなかった」


 バザールの真剣な一言にトゥインカさんも納得したかのように頷く。実際特に迷惑はかかっていなかった俺たちは全然問題ないですよと答えると、バザールはホッとしたように胸を撫で下ろした。

 バザールのその様子を見て何故かプププ、と笑いを堪える残りのダチョウ二体。いつの間に現れたのかは定かではなかったが、コソコソと何かを耳打ちしている様子が気になって、さりげなく近づいて耳をそばだてると、「隊長の珍しいところが見れたな」とか、「帰った時の土産話だな、これ」と、バザールについて楽しそうに話している。

 その二体の様子に「おめーら、帰ったら残業な」と脅すように彼らを叱るバザールは先ほどのトゥインカさんに対する態度とは全く違っていて俺は思わず吹き出してしまった。同様に笑い出す女性陣。

 場が笑いの渦に包まれ、ようやく落ち着いた雰囲気に安堵しているとトゥインカさんが場を遮るようにある提案をしてきた。


「夫達を泊めてくださったお礼としてあなた達の旅の終わりまで同行したいのですが私達もついていっていいでしょうか?」


 トゥインカさんの提案に少し考える素振りを見せるカリンさん。カリンさんは荷車から顔をだしていたバーチャマおばあちゃんに確認を取ると、そのままトゥインカさんの方へ振り返り首を縦に振りながら口を開いた。


「もちろん、大歓迎です。その代わり移動する際や護衛する時には真っ先に私達を背中に乗せて頂けますか?」


 トゥインカさんは返事をする代わりにクェ〜、と鳴き叫ぶとそのまましっかりと頷いた。



 ◇◇◇



「お姉様、少し休みましょうか?」


 草も殆ど生えない砂漠と荒地の境目、オカリナ遺跡からまだまだ遠い地点で三人の女性がそれぞれ動物に乗りながら急ぎ足でオカリナ遺跡まで向かっていた。

 一人目は大きな鳥に、残りの三人は馬に乗りながらひたすら速く走っている。しかし、その内の一人は馬で速く走ることに慣れていないのか少しだけ顔を青に染めながら必死に酔わないように前をまっすぐ見つめていた。


「大丈夫、私に構わないで早く行こう」


 この中で一番上の彼女は心を強く保ちながら心配しないで早く行こう、というとそのまま明様に青ざめた顔でそう言った。


「早くカリンや大叔母様達にオカリナ遺跡に巨大蛇が潜んでるって言わなきゃ」


 その女性は遅れを必死に取り戻そうとしながら馬の体に鞭をいれた。

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