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オジー王国の謎  作者: 寺子屋 佐助
第一章 オカリナ遺跡編
20/95

19話 同行者

少しだけ書き方を変えてみました。読みやすくなっているといいな…

「それではかずや君と共にオカリナ遺跡まで行く人達を発表します」


 アントワンヌさんが名簿を持ちながら高らかに発言すると、騒ついていたダイニングルームが一瞬の内に静かになった。夕食を食べているこの時間帯、普通ならあちこちで女性特有の噂ばなしが始まり賑やかな食卓になるのだが今回は違った。

 俺が異世界に来てから二日目の晩、オカリナ遺跡への出発を明日に控え、皆真剣な面持ちで誰が選ばれたのか何一つ聞き漏らすまいと耳を傾けている。


 昨日持ち物の手配をし、今日それらを引き取り荷造りした俺は行く準備は万端だったが、心の準備はまだまだ出来ていなかった。それぐらい緊張しているのだ。

 しばらくの沈黙の後、辺りを確認したアントワンヌさんはやがてゆっくりと口を開くと一人目の名前を呼んだ。


「食糧管理役はタミ、あなたにお願いします。これから呼ばれた人は私のテーブルの周りに集まってね」


 タミ、と呼ばれた女性は言われた通りにアントワンヌさんのテーブルの周りまでくると一番端っこの席、俺からみて右斜め前の席に座った。

 見るとタミさんは半分期待、半分諦めたような目でこちらを盗み見てすぐにアントワンヌさんの方へと向き直る。

 俺はとりあえずタミさんと目が合った時に軽く会釈をすると、次の人が呼ばれるのを待った。


「伝達係はカナ、あなたに任せます。何かあった時はすぐにこっちに飛んできなさい」


 この人は確か俺が砂漠で倒れていた時に俺をこのフーガ村まで運んできてくれた女性だ。

 カナさんはタミさんの隣、つまり俺の正面に座ると俺に握手を求めてきた。よろしくお願いします、といいながら手を握り返すと犬の肉球のような弾力を感じた。


「道案内兼遺跡調査を務めてくださるのは叔母様です。かずや君は初対面だろうから後で自己紹介しておいてください」


 するとどこから現れたのか俺の隣には白髪をつむじのあたりでお団子にした高齢のおばあちゃんが座っていた。


「バーチャマ・オジーです。は〜、これが異世界人の顔ね〜」


 そう言って俺の顔を弄り出すバーチャマおばあちゃん。絶対名前ふざけてるだろう、と思いながら横目で辺りを見渡すとバーチャマおばあちゃんに頭を下げながらクスクスと笑うタミさんとカナさんの姿が目に入った。

 頬っぺたをつねられ散々こねこねされた挙句眉や鼻をペタペタと触られて本気で怒ろうかと思ったが本人がとても楽しんでいたので仕方なくされるがままになる。


 段々音量が上がっていく笑い声の中おばあちゃんは満足そうに頷き俺の頬っぺたから手を離すと何事もなかったかのように振る舞い、そのままアントワンヌさんの方に視線を移した。


 いつか必ず仕返しをすると心に誓った俺は聞こえてくる笑い声を意図的に遮断するとおばあちゃんと同じように体をアントワンヌさんの方に向けた。


「では最後に護衛の人達は…………」


 みんなに期待させるように少し間をあけるアントワンヌさん。やがて全員の期待が最高になるところを見計らってアントワンヌさんは口を開いた。


「マイ、マキ、カリン、そしてカエデです。それじゃあ残りの皆は解散で呼ばれた人は私のところへ来るように」


 次々と出ていく女性達を尻目に俺はアントワンヌさんの方へ顔を向けた。

 テーブルの周りに呼ばれた人達がどんどん集まってきたことを確認し、辺りに人がいないことを確かめながらアントワンヌさんは俺たちの方に来るとそのままこう言った。


「じゃあ改めてみんなよろしく。かずや君にまだちゃんと自己紹介してない人はちゃんとしてね。それじゃあ残りはあなた達に任せるから」


 スタスタと歩き去っていくアントワンヌさんの代わりに今度はアミさんが現れ現状を説明する。


「それではこのメンバーがかずやさんと一緒に同行することになった人達です。多分かずやさんはみんなほとんど知らないと思うので軽く自己紹介をお願いします。それでは大叔母様からお願いします」


 そう言われてスッと立ちあがったおばあちゃんに顔を向ける俺。意図が読めない奇妙な笑い声をあげながらおばあちゃんは話だした。


「バーチャマ・オジーです。ホホホ。考古学と魔法結界学の研究をしています。ホホホ。今回は道案内と遺跡調査を担当しますのでどうぞよろしくお願いします…………ホホホ」


 挨拶している時はまるでお手本のように礼儀正しいのにその後にくるホホホ、のせいで全てが台無しになるおばあちゃんを残念に思いながら俺は彼女の略歴に興味をもった。


「魔法結界学って一体なんですか?」


 俺が聞いた途端おばあちゃんは目を大きく見開きさもや意外そうな顔で返事をする。


「ほ〜、お前さん魔法結界学に興味があるのかね?じゃがあれは結構難しいぞ。お前さんにとって理解不能な公式や図式がいっぱいあるからの…。それに……」


 そうやってお年寄りに限って多い有難いお話を始めたおばあちゃんに対し、アミさんは慌てて止めにかかるとなんとか長くなる前に止めることが出来た。そんなアミさんを不満気に見つめるおばあちゃん。

 その視線をなんとか振りほどきアミさんは他の人達に自己紹介をするよう促した。


 残念ながらこの自己紹介はそう簡単に終わるものでは無かった。この話し合いはまだまだ続く。

次回は11月16日12時予定です。

予告に時間をいれてみました……。

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