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第八場(大井競馬場他)

登場人物

 平井学(26)

 水野正之(45)

 看護師1 若い女性

 患者2 中年の男性

 患者3 中年の女性

 競馬場の観客など

 治療院の患者

 


〇大井競馬場・パドック

 次のレースに出場する馬が順番にパドック内を周回している。

 平井、パドックの柵の側に立ち、ダウジングロッドを構えている。

 馬が次々に平井の前を通過する。

 そのうちに1頭の馬が通過するとき、ダウジングロッドが左右に開く。


モノローグ(平井)「まさか、こいつが1着かよ。もしかして万馬券かな」


 

〇大井競馬場・スタンド

 平井、馬券販売機から馬券を買い、空いているスタンド席に座る。

 レースが始まる。観客の声援。

 レースが終わる。多くのハズレ馬券が投げ捨てられる。

 平井、「よしゃあ」と叫んでガッツポーズをする。



〇ミズノ気功治療院・待合室

 待合室に複数人の患者が座っている。患者2、患者3もいる。


声(看護師1)「福島さん、福島さん、診察室にお入りください」


 患者2、立ち上がり、診察室に入る。



〇ミズノ気功治療院・診察室

 水野と患者2、向かい合って回転椅子に座り、看護師1が側に立っている。

 水野、患者2の頭に手かざししている。


水野「(手かざしをやめ)どうでしょう」

患者2「いやあ、頭痛も耳鳴りもすっかりなくなりました」

水野「そうですか。それはよかったです。今日で治療は終わりですが、また何かありましたらご連絡ください。漢方薬も処方しておきましょう」

患者2「(立ち上がり)先生、本当にありがとうございました」

水野「お大事に」


 患者2、立ち上がって診察室を出ていく。

 水野、回転椅子を机の方に向ける。

 机に雑誌が置いてあり、水野、手に取ってパラパラめくる。

 カラーページに大きく「福島県のグルメ特集」の文字。


モノローグ(水野)「福島県グルメ特集か。

 さっきの患者さん、確か福島さんだったよなあ。

 福島つながりで、こいつはシンクロニシティーかな」


看護師1「先生、次の患者さん、お呼びしていいですか」

水野「((雑誌を閉じ)ああ、すまない。呼んでください」

看護師1「(備え付けマイクに向かって)鈴木さん、鈴木さん、診察室にお入りください」


 患者3、診察室に入る。


看護師1「(回転椅子を指して)おかけください」


 患者3、回転椅子に座る。


水野「どうされました?」

患者3「肩こりと腰痛がひどいんですの。

 これまでいろんな病院に行ったんですが、どこ行っても治らないんです」

水野「そうでしたか」

患者3「水野先生のお噂を聞きまして、今日、わざわざ遠方から東京に来ました」

水野「遠方?。どちらからでしょう」

患者3「福島です」


(’つづく)

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