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第六場(首相官邸他)

登場人物

 黒木次郎

 竹下良一

 中林文雄

 綾瀬里美

 藤堂淳一

 アナウンサー 若い女性



〇首相官邸・応接室

 テロップ「首相官邸」

 ソファーに黒木、竹山、中林が座っている。

 黒木、テーブルにノートPCを置き、キーボードを叩いている。

 MS-DOSのPC。ホロスコープが画面に表示されている。


竹山「ところでオロチ神道の動きだが、何かわかったかな」

黒木「はい。同教団が文化庁に宗教法人の申請を届け出た日が8月1日です。

 これにもとづいてホロスコープを作成しました。

 西洋占星術ではオロチ神道の太陽星座は獅子座になります」


 黒木、ノートPCのディスプレイを竹山、中林の方へ向ける。

 ディスプレイにはホロスコープの円。


中林「ホロスコープなんか見せられても私たちには読めないよ。で、どうなんだ」

黒木「彼らは日本にとり、政府転覆を企む危険なテロ集団に成長する可能性はありません。

 特に公安がマークするような必要はないかと存じます」

竹山「実は君とは正反対の回答を警察の公安や内閣官房調査室から入手している。

 教団の秘密を暴いたジャーナリストや信者の家族が起こした訴訟の担当弁護士などが相次いで変死している。

 これらの事件のいくつか、または全部が彼らの仕業かもしれないとのことだ。

 しかも、おそろしいのは彼らは超能力を使って攻撃することもあるようなんだ」

黒木「超能力ですか?」

竹山「ときに黒木君。オロチ神道の代表、室野和孝だが、君の知り合いだよねえ。

 公安が調査済みだよ」

黒木「(少し緊張して)確かに室野は知り合いですが、彼とは最近、音信不通で会ってません」

竹山「ほんとうかね」

黒木「ええ、なんでしたら公安に調査させたらいかがでしょう。

 もしかしたら今日はこのことを確認するために呼ばれたのでしょうか」

竹山「わかるかね」

黒木「実は私の生年月日を入れて作ったホロスコープですが、今日は厳しいスクエアがありまして、詰問されることを予想していました」


 黒木、ノートPCのキーボードを叩くが、しばらくして「わっ」と声を上げる。


中林「どうした?」

黒木「(PCをせわしくいろいろ操作しながら)ハードディスクがクラッシュしたみたいです。

 でもご心配なく。バックアップは自宅のPCにあります。

 実は今、水星が逆行してまして、こういうときはPCのトラブルが相次ぐんです」

竹山「もしかしらオロチ神道の呪いじゃないだろうな。

 やつらは超能力を使うし......」



〇藤堂のアパート

 2Kのアパート。

 里見、台所でカレーを作っている。

 しばらくして藤堂、アパートに帰って来る。

 藤堂、里見を見つけて驚く。


藤堂「なんだ。来てたのか。

 来てるなら連絡よこせよ。不法侵入だぞ」

里見「不法侵入? それってジュンちゃんの業界用語?」

藤堂「法律用語だ」

里見「アパートの合鍵渡す方が悪いんでしょう。

 それより今日はジュンちゃんが好きなカレーよ」

      X      X      X

 里見、藤堂、テーブルについてカレーライスを食べる。

 藤堂、リモコンでテレビをつける。


〇テレビ画面

 教会の建設工事の現場。

 周辺では「オロチ神道は出ていけ」などのプラカードを持ったデモ隊。

 

声 (アナウンンサー)「現在全国におよそ100か所あるオロチ神道の教会ですが、信者数の急増に伴い、新たに200か所程度の建設を予定しています。

 ところが多くの周辺住民たちが教会の建設に反対しています。

 青少年を強引に勧誘し、洗脳して信者にさせるされるオロチ神道。

 多数の信者の家族が教団を訴えていますが、教団側は信仰の自由を主張して譲りません。

 警察が近く、調査に入る予定です」


(つづく)

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