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野良オーク




なにか、ってなにをしよう…




魔物の残骸たちを眺める。

このマジックボックスの中では時間が経過しない。そのため入れた時の状態を維持できる。



最近入れたものではオークがある。数は50体ほどといったところか。

顔は豚を怖くしたような感じで、鋭い目つき、上向きの大きな牙が左右の顎から生えておりより怖さが強調される。まあ今は見慣れたものだが。

頭の悪い個体は牙から涎がたれているので、そこを見て戦法を決めたりする。

緑色や赤色の体の上に、魔王軍の配下なら服を着ているが、野良の魔物はなにも着ていない。

野良でも稀にツルや木の皮などを体に巻き付けている個体もいる。

体の大きさや、独特に入っている体の模様にも個体差があり一点ものだ。


本来なら食べないし、皮なども利用しないのでメッタメタにやっつけてもいいはず。

しかし、無駄な体力と魔力を消費して魔物を倒すのは合理的ではない。

そのため戦闘による傷が最小限なのだ。


これが戦闘力の低いパーティーだと表面はボロボロで、もう肉塊としか呼べない状態になる…


私は一応「元・勇者」という肩書きがあるので(決して自ら吹聴しているわけではない)冒険者パーティーに入る時も、それなりにレベルの高い人たちと組むことが多かった。



「結構嫌味言われたりもしたけど、みんな戦闘能力は高かったんだよな…」






「なんだかすごい空間ですわね…」

「ララー様!」


ゲートを開きっぱなしにしていたので、お二方がボックス内に入ってきた。


「アンちゃんから話は聞いてたけど、本当にすごい量の魔物だね…」

整理しておいて良かった…!

「この魔物たち、どうするおつもりですの?」

「うーん、食べたり?」

「ま…魔物を食す…!それは危険ですわ!毒がありますもの!」

「そうなんですね…!……………あの、それってどのくらいですか?」

「…たしか文献では、痺れや麻痺を起こが全身に広がった後、呼吸困難で死亡するとか…」

「うーん……なんかフグと似た症状ですね………なんとかすると、食べられるかもですね」

「ハルカ様!ご冗談はおっしゃらないでくださいませ…!」

「たしかに、フグも専門の職人の正しい調理だと食べられますし、こんにゃくも生食はできませんが様々な過程を経ると食べることができますね」

「葵さん!やっぱりそう思いますよね!」

「勇者様方は、時々変なことをおっしゃいますわね……」

「なんだか内臓がホルモンに見えてきた…」

「も、もうやめてくださいませ…!!」


ララー様は王族でもあり私や葵さんより年上なのだが、こうフランクに話せるし、ちょっとからかってもお許しいただける。

勇者として召喚された我々のメンタルケアを率先して行ってくれたのも納得の人徳である。


「肉はとりあえず置いておくとして…外皮は魔物なだけあって硬くて、なかなか刃が入らないですよね。解体も難しいかもですよね…」

「そうだね…一回、剛士くんのところに行ってみる?」


王都で日本料理店を経営している、勇者仲間の剛士くん。


「そうですね!今から行ってきます!」






善は急げ。

思い立ったが吉日。


やりたいことが見えてきたら、迷わず進むべき。

私の中の何かが動く音がした。


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