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マームコット王立学院初等科2




「こんなところニ、おいしそうナ、おにくたちガ!!!」



なぜか聞き慣れた声が屋根から聞こえてきた。


年季の入ったお城の屋根の上に、きなこが乗っていたのだ。しかし、きなこは大きな布を切り裂いたようなアイマスクをつけていた。一応変装しているつもりのようだ。

「きなこ!???!?」

葵さんが私以上に驚いていた。

そりゃあそうだ。学園についていくと昨日まで駄々をこねていたのに、急に大人しくなったので、いい加減きなこも『お留守番』という単語を己の脳みそにインプットしたのだと葵さんは思っていたからだ。



「「「きゃーーーー!」」」



いきなり現れた大きな生物を見た子供たちが叫び声をあげ逃げまどっていた。

「先生方!生徒たちの安全を!!」

校長先生が悲鳴を聞きつけ集まった教員に指示を飛ばしていた。

「校長先生!少しお待ちください!」

「どうしてですか?アオイ様!

我々は、あの巨大な魔物をはやくこの学院から追い出さねばいけないのですよ!」

「いえ、あれは魔物ではありません!マーガレット様とココアの友達なんです!もしかしたら、彼女たちにはなにか作戦があるのかもしれません!」

「そ、それは…」


その間にきなこは中庭中を持ち前の素早さで駆け回り、芝生の土をひっくり返したり、生垣に体重を乗せてメキメキと変形させるイタズラをしていた。

しかしこの巨体がするイタズラは子供たちが脅威に思うには十分だった。


「に、逃げるぞ!!!」

口では色々言える少年たちは一心不乱にこの場から逃げようとしたが、きなこに建物の角に追い詰められ、見下ろされていた。


「ぴちぴちノ、おにく、おいしいかナ?」


「ぎゃあ!!!!」

「誰か!助けてくれ!!!!」

「お"があ"ざま"ぁー!!!!!!!

泣き叫ぶ彼らの悲鳴が学院中に響いていた。


「アオイ様、もう待てません!」

屈強な教師たちと学院の警備隊は臨戦体制だった。

「もうちょっと、もうちょっとだけ待ってください!!いざとなれば、私が間に入りますので!!!」

その一瞬の間に、何者かがきなこから彼らを救出した。



それは『小さな大守護天使』ココアちゃんだった。



「なにものダ!じゃまをするんじゃなイ!」

ココアちゃんはポケットにしまっていた携帯用大楯を展開し、いじわるな少年たちとマーガレット様をシールドの中に保護した。

「そ…そっちこそ!マーガレット様とクラスメイトには指一本ふれさせない、よ!」

「ココア様、がんばれー!!!」

かっこよく守っているココアちゃんにマーガレット様が激励を飛ばす。



これは…プイキュアだ…!!!!



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