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家出
小学校4年生の時に,母から勧められた受験。
異常に教育熱心だった母は塾だけでなく,家庭教師までも私につけた,,,。
勉強,勉強,勉強。
そんなことで,6年生になって,それで,,,
受験に落ちた。
家族からは冷たい目で見られ,教師からもあきれられ。
私,悪い事した?悪い子なの?
受験がそんなに,そんなに大切?
ねえ,どうなの,,,?
そして,もう我慢できずに,家出をした。
―――この物語は,そこから始まる。
「家出しちゃったけど,行くトコないなあ。」
暗い夜道をとぼとぼ歩く。
今日の空気はいつにも増して,冷たい。
夜の闇のなかの,犬の鳴き声。
誰かの笑い声。
車のエンジン音。
そして,,,
「あんた,どうしたの?」
背後からかかる冷たい声。