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目が醒めると、少しココアを!

作者: roki

俺は空虚だ。慢性的な空虚感は生きづらさに変わる。そして空っぽなんだ。当たり障りのない自分と日常。言葉ではいい表せない違和感を感じる。俺が俺であるゆえでのこの人生なのか、この人生での俺なのか、正解をみつけることができない。山があれば谷もある、そんな人生である。自分が生まれるのは奇跡的な確率であり、さらに宇宙に生命が誕生するのは天文学的な確率である。 

 


おれは殺風景な部屋にいる。病室のベットは生温かい。俺はもう死ぬ。長年苦楽を共にしてきた年老いた体は見た目の割に目新しさを感じる。四時半と呟く医者の声が頭の中から遠のいていく。 

 


「おかえりなさいませ。」 

と甲高い声が鳴り響く。目が醒めると同時に電極が張り巡らされたゴーグルを頭から外す。新鮮な酸素が耳と鼻と口を通り抜ける。ぼやけた視界が徐々に色鮮やかな色彩を取り戻す。 

「おかえり」 

と君は言う。ああ、全てを思い出した。全てを実感した。ああ、すべての自分を思い出した。こんなにも満ち足りて、こんなにも自由だったのか。ここに全てあったのだ。 

「どうですか?我が社が開発した娯楽的最新体験ゲームは?」   

「最悪だったよ、あと少しココアを。」



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