今そこにある危機 ~破局的噴火~をご存知ですか?
昨日熱を出して寝込んでいたら、このことを書かないといけないという夢をみました。
これは何か意味があるのかもしれないと感じたので、エッセイという形でまとめさせてもらいました。
このエッセイを読んで興味が出た方は、出来る範囲で備えてくれるといいなあと思います。
まあなるようにしかならないんですけどね。
こんにちは~ひだまりのねこです。
世間はコロナやウクライナ問題で騒がしいのです。
もちろん大変な問題ではありますし、世界中で協力して立ち向かうべき課題であることは間違いありません。
ですが、現在進行形で地球規模の脅威……もっといえば人類の存亡がかかっている問題に関して、世界中の政府が対策を話し合っていないことに私は非常に強い危機感を持っています。
少なくとも日本政府には、せめてコロナ対策の1%でもいいから予算を組んで対策を始めて欲しいのです。
え? 何の話かって?
火山ですよ、火山。
特に将来必ず起こるであろう「破局的噴火」のお話。
現在世界にはおよそ1500の活火山が存在し、そのほとんどが環太平洋に存在する。
日本にはロシアやアメリカと同水準の約一割の火山が集中し、インドネシアと並んで世界有数の超危険地帯。
発生頻度のせいか、地震にばかり話題が割かれてしまうが、実際には火山の方がはるかに影響は深刻なのだ。
最近の調査によって、人類史における謎の大半は、火山の噴火で説明がつくことがわかってきた。
突然の文明の消失、氷河期、ペスト、飢饉、歴史が変わるターニングポイントにはほとんどといっていいほど大規模な火山噴火が影響している。
ポンペイで有名なイタリアのヴェスヴィオ火山のケースはわかりやすいし記録にも残っているが、遠く離れた地球のどこかで起きた大噴火が影響している場合、当時の人たちにそれを知る術はないのだから、記録に残っていなくて当然だ。
長年の謎だった、高度なマヤ文明が突然滅亡したのも、2回の火山噴火が大きな要因だったことが判明しているし、ローマ帝国の存亡やフランス革命なども噴火によって強く影響されている。聖書で有名なノアの箱舟の洪水なんかもそれで説明がつく可能性もあるのだ。
西暦536年は人類にとって試練の年だったという学者もいる。前年535年にインドネシアのクラカタウ火山が大噴火、翌536年にはアイスランドと北アメリカでも大噴火が発生したのだ。
これによりジャワ島にあったとされる高度な文明カラタンが消失、地球規模の寒冷化により大干ばつが発生、謎の遊牧民突厥も消え、日本でも飢饉と疫病が多発、仏教が広まるきっかけとなり、欧州の経済活動は約100年完全に停止した。
火山噴火の噴煙は世界中に火山灰をまき散らし、長期に渡り太陽の光を遮断して地上の気温を下げてしまう。
夏でも気温が上がらず雪が降るような異常気象によって、作物は壊滅的な被害を受け、飢饉や疫病が蔓延。その結果、国家が弱体化し、滅んでゆくのだ。
例えば世界最恐級の北米イエローストーンが暴発した場合、アメリカ、カナダはもちろん、世界の平均気温が十数度下がるという試算もある。そうなれば全世界も無事ではすまない。まさに人類が滅んでもおかしくないレベルのインパクトになるだろう。
火山爆発指数(VEI)というものがある。
基本的には、噴火の規模によってVEI1~8まで分類されており、いわゆる「破局的噴火」はVEI7~8に該当する。
ちなみに、VEIが1段階上がると、規模は10倍になる。
幸いなことに、「破局的噴火」は近年起きていない。まあ起きたら文明が終わるので当たり前だが。
まだ記憶に新しいと思うが、先月15日にトンガで発生した海底火山の超巨大噴火。噴煙は北海道がすっぽり収まる直径520キロに及び、広島型原爆の数百倍のエネルギーだったと思われるが、あれで今のところ暫定VEI6。数百年に一度発生するレベルの噴火だった。
もっとも今回トンガのケースで幸運だったのは、噴出物が異様に少なかったこと。気候への影響はそれほど大きくなさそうなので一安心ではある。あくまで地球規模でみればの話だが。
話を戻すと「破局的噴火」というのは、最低でもあのトンガの10倍から100倍というとんでもない規模の噴火ということになる。
なかなかピンと来ないと思うので、最近の例を上げると、63名の死者・行方不明者を出した2014年の御嶽山の噴火がVEI2なので、ざっくり言えばトンガの噴火が御嶽山の10000倍、VEI7~8となる「破局的噴火」となれば、10万倍、100万倍の規模だ。いかに凄まじいかわかると思う。
今回は海底火山だったが、「破局的噴火」が地上や都市圏のそばで発生した場合……。
700度を超える超高温の火砕流が時速100キロで津波のように襲ってくる。千メートル級の山ですら易々と乗り越えて周辺をまさしく死の大地へと変えるのだ。
でも、そんなヤバい噴火なんて、そうそう起こらないと思いたいが、日本では地質学的に安定している過去12万年の間に北海道で5回、九州で6回、計11回起きている。
単純計算でだいたい1万年に1回起こる計算だ。これをどう考えるか。もっといえば、地域文明を消滅させる程度の噴火なら、平均すると6千年に一度の頻度で起こっているのだ。
そんな危険な噴火を起こす可能性が高いカルデラ火山が日本にはなんと7つもある (嬉しくない)
しかも九州には4つも集中していて、別名カルデラ銀座と呼ばれるほどだ (嫌な銀座)
日本列島にいつから人が住み始めたのかは定かではないが、少なくとも2万9千年前の姶良カルデラ (鹿児島県)の噴火で九州と四国の旧石器時代の文明が一度滅んでいて、一番最後の7300年前の鬼界カルデラ (鹿児島県)の噴火では、南九州の高度な縄文文明が壊滅している。
姶良カルデラのすさまじさは最近の調査で明らかになっており、降り積もった火山灰は、南九州 30 メートル、高知県宿毛 20 メートル、鳥取県大山付近 8 メートル、京都 4 メートル、東京 10 センチ、東北数センチに及んだ。
このことからわかるのは、九州から関西までほぼ全滅したであろうこと。そして関東地方や東北南部の人々も致命的な健康被害を受けたであろうことだ。
火山灰の組成は要するにガラスなので、肺に入ると無数のガラス繊維が突き刺さり、アスベストと同じように珪肺となり、肺気腫や心不全を引き起こす。
飲料水からも、体内へガラス片を取り込むこととなり、生き残った人間も咳き込み悶死した可能性は高い。
また7300年前の鬼界カルデラも凄まじく、高度な文明を誇っていた南九州の縄文人を瞬時に絶滅させた。
皮肉なことに、この噴火による層に保存されていたおかげで、謎に包まれていた縄文人の姿が評価される一因となったのだが。
火山層の下の大規模な遺跡からは、舟作の工具(世界最古)や燻製施設と大量の炉、独自の貝殼紋の土器などが発見されている。
ちなみに、この南九州の死の大地に再び大規模遺跡が復活するのは、5500~5100年前頃。
再び人が暮らせるようになるまで、数百年どころか、千年単位の期間が必要だったのかもしれない。
もし現代日本で「破局的噴火」が起きたらどうなるだろうか?
阿蘇カルデラ (熊本県)、姶良カルデラ、鬼界カルデラ、阿多カルデラ (鹿児島県)、洞爺、屈斜路、支笏カルデラ (北海道)は明日「破局的噴火」が起きてもおかしくない状況に現在ある。
残念ながら予知に関する知見が無い上、いまだにメカニズムすらよくわかっていない以上、噴火するのが明日なのか数千年後なのか目安すら存在しない。わかっているのは、地球が活動を続けている以上、いつか必ず起こるということだけだ。
ちなみに計算上の発生確率は、百年以内で1%以下。東日本大震災や阪神淡路も似たような発生確率だったのだから、安心できる確率ではもちろんないが、心配し過ぎるほどでもない。
残念ながら、宇宙に人が行く時代になっても、地下に関する研究はあまり進んでいない。人類はいまだマントルにすら到達できないでいるのだ。
九州で発生した場合、もちろん九州は2時間以内に全滅、風向きや天気にもよるが、偏西風によって北海道の一部を除いたほぼ全域が火山灰に覆われる。
噴火による直接の死者は1000万人で済むが、火山灰で車や電車は動けなくなり、交通インフラは麻痺、火力発電も出来ず、浄水も出来なくなるため、飲料水の確保も難しくなり、作物は全滅。降り積もった火山灰に雨が降れば、重さで木造住宅は倒壊する。最悪の場合、死者は1億人を超えるとのシミュレーションもあるのだ。
そこまで分かっていながら、国や自治体の腰は重い。研究はいまだ民間や大学の研究に留まっており、国民への周知教育もなされていない。
たしかに限りある予算の中で、優先順位を付ける必要があるのは理解できるし、ある程度対策が可能な地震や津波と違って、「破局的噴火」に対して出来ることは祈ることぐらいしかないのかもしれない。
だが、人類は何度も起きたであろう「破局的噴火」を生き残ってきた。
発生頻度が少ないからと言って、対策をしないのは思考停止でしかない。
予知は出来なくても、少なくとも主要インフラの火山灰対策はできるはず。飲料水に関しても、各家庭で1週間分のストックを基本にするようにすれば、多くの人々は生き残れる可能性が上がるのだ。
発電に関してもそうだ。日本には火山大国であるがゆえに、莫大な無尽蔵ともいえる地熱エネルギー資源がある。今のところ温泉や農業にしか使われていないが、本格的に地熱発電を検討するべき時期に来ているのではないか?
私はこれからは地下の時代だと思っている。土壌・地質を研究し、まず地球という惑星のメカニズムをもっと理解するべきだ。噴火に備えて地熱を利用した地下都市を建設するのも悪くないと思う。
人類の発展はたまたま運よく「破局的噴火」が起きていないことによるところが大きい。
仮に日本のカルデラが噴火しなくても、世界中のどれか一つでも噴火すれば、今の人類の繁栄は確実に終わる。
あとどれくらい時間が残されているのかはわからない。だからこそ今出来うる準備と研究を怠るべきではないのだ。
長文になってしまいましたが、私たち個人にも出来ることはありますよ~。
出来れば最低1週間分の水、そして火山灰を遮断できる高性能マスク、保存食、目を守るゴーグル。最低限の医薬品。
災害対策と兼用できるし、そこまで負担ではないはず。
九州と北海道の方は……移住するか覚悟を決めて人生を楽しむかの二択で!!
噴火の際は救援は来ない、いや来れないと覚悟しておいた方が良いのです。
少なくとも最低限のインフラが復旧する1~2週間程度は、自力で生き残らなければならないものだと思っておいてくださいね~!!
皆さまが生きている間には起こらない可能性の方が高いですけど、来ると思っていた方が日々の平穏に感謝できますし、当たり前だと思っていた毎日がかけがえのないものに思えてくるかもしれません。心身ともに備えあれば憂いなしなのです。
今日と同じような明日が来るなんて誰にもわからないのですから、出来ることは先延ばしせずに出来るうちにやっておくのも悪くないんじゃないかと私は思いますよ。
まあ散々脅しておいてなんですけど、長期的に見れば、火山はメリットというか恩恵の方がはるかに大きいんですけどね。
どのみち私たち日本人は、もはや火山の上に住んでいるようなものなのですから、怖がるのではなく、万一に備えて準備をして、楽しいウィズ火山帯生活を送るのが一番なのですよ~!!