カバンがパンパンなのです
安心が欲しいだけなのです。
こんにちは、聖属性エッセイストひだまりのねこですよ〜。
杞憂……皆さまご存じのことでしょうが、古代中国で、杞の国の人が天が落ちてこないかと憂えたことから転じて、無用の心配の意で使われております。
そして、ここ現代日本でも、ひだまりのねこが、日々憂えているというお話。
私のカバンは、いつもパンパンだ。
これは昔から変わらない。友人や家族からも、一体何が入っているんだと訝しがられるが、必要なものしか入っていない。逆に聞くが、お前たちはそんな無防備で大丈夫なのか?
まずは、スマホの充電器とバッテリー。これは絶対に外せない。機械音痴の私にとって、これは唯一理解できる仲間だ。バッテリーは念のため2個入っている。災害が多い日本に暮らしているのだ。当然の備えだろう。
そして、板チョコなどのお菓子やカ○リーメイト一式。やはり食に不安があっては心の平安が保てない。一応三日は命を繋げる量が入っている。もちろん飲料水として、ペットボトルと水筒。ペットボトルは、いざとなれば、様々な容器として使えるので、マストだ。
さらに、財布を落としたりすられたりした時のために、私は常に複数個所にお金を分けてしまってある。一時期は、下着や靴底にも隠していたが、さすがに今はそこまではしていない。
あとは、コンパクトな辞書と読みかけの本が何冊か。特に辞書は、暴漢や強盗にナイフで攻撃されたときの盾として使えるはず。私は彼に絶対の信頼を寄せている。
これはあえて触れるまでもないことだが、替えの下着と歯ブラシセット、危険な虫や生き物に遭遇した時のための軍手。捕獲した後に入れておく袋。ピンセット。虫眼鏡、工具セットなどなど。
思わぬ怪我をした時のために、最低限のセットも当然用意してある。冒険に出かけるのに無傷で済むなんて甘い考えは持っていない。
考え始めればきりがないし、他にも書ききれないほどカバンには入っている。
だから私のカバンはいつもパンパンだ。
私は不思議に思う。なぜ、他の人たちは、カバンがスリムなのかと。一体なにを考えてそんな無防備な生活を送っているというのか?
一昨日、私の財布はパンパンで寿命が短いと書いたが、カバンも同じだ。
デザインよりも、容量と頑丈さ。それを重視していても、数年と持たない。絶対に壊れないカバンとかあったら、ぜひ欲しいと思う。
毎朝、出勤する私に、近所のおばさんは、「あら、旅行?」 といつも聞いてくる。まあ出社という冒険だから、あながち間違いでもあるまいと、「そんなところです~」 と微笑み返す。
いい加減慣れて欲しいのだが、もう何年も同じことを言うおばさんは、もしかすると鶏の獣人なのかもしれない。
今日も私はパンパンの重いカバンを持って歩く。
決して楽ではないけれど、この重さは安心の重さだ。
誰にも……家族にすら理解されないが、今日も私は幸せなのです。