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ビッチとはよく言ったもんだな  作者: きっと小春
第一部 弾丸黒子とはよく言ったもんだな編
34/35

実践躬行とはよく言ったもんだな

 私は、ハンターのレイゼさんとその仲間に、高額の料金でアリア様の護衛を頼みました。


「3日以内に私が戻らない場合は、アリア様を連れて、この国を出ろ。目的地は、なるべく遠くの国だ」

「必ず戻って来いよ。必ずだ」


 ポーガレストの街にいるアーベーニ家のカーファ姉様を訪ねるためイカ箒に乗ります。アリア様には内緒なのです。これは…私の過去を知る最後のチャンスでもあるのですから。


 紅咳熱の特効薬を入手するためにポーガレストへ向かった時は、途中で燃料切れになりました。しかし、今度は、イカ箒の速度・高度などを調整しながら、燃料切れにならぬように飛行します。


 外壁の門にたどり着くと、早朝で門が閉まっていましたが、アーベーニ家の短剣を提示すると、何も言わずに外壁内へ入れてくれました。ついでに門番にアーベーニ家までの道順を尋ねると、親切に教えてくれます。ポーガレストで、アーベーニ家がどれほど権力を持っているのか、実感出来ますね。


 城壁内にあるアーベーニ家にたどり着くと、門番に「リーシャ・カラムが来たと伝えてくれ」と伝言を頼む。しばらく待つと、驚いたことにカーファ姉様が直接、迎えに来てくれた。


「リーシャ。突然どうしたの?」

「カラム家とレズナ家を裏で戦わせているアーベーニ家が、知っている真実を聞きに来た」

「リーシャ。(そんな噂はデタラメよ)」 ※()内はパルには聞こえていません。

「カーファ姉様。貴方達の陰謀で刻まれた【呪詛印】は、嘘を見破ることが出来るのだ」

「私にどうしろと?」

「真実が知りたいだけだ。復讐とか考えていない。この国を出ていく前に、真実を聞きに来た」

「教えられるわけ…ないじゃない…」

「ならば、力づくで調べるまでだ」

「この屋敷に、どれだけの護衛がいると思っているの!?」

「【呪詛印】の力を舐めるなよ? ウルルの貴族デビデ・ハーンたちを皆殺しにして来た」

「リーシャ…貴方…」

「そんな顔するな。全部、貴方達の所為だろ?」

「ち、違うわ…。全部じゃない…」

「埒が明かないな。最後の警告だ。真実を教えろ」

「わかったわ…」

「いい返事だ。それと…私に殺意を向けるなよ? 自動的に殺害する魔法が発動する」


 私は、カーファ姉様の部屋に通された。


「もう一度、言っておく。嘘は通じない。嘘を言った時点で、この屋敷にいる全員を殺す」

「……わ、わかったわ。でも、これだけは信じて。私は、嘘偽り無く話す。でも、私でさえ、知らない真実が有るかも知れないわ」

「事実はどうあれ、お前の言葉に嘘がなければ問題ない」


 カーファ姉様は、紅茶を一口飲むと、覚悟を決め語り始める。


「カラム家もレズナ家も、アーベーニ家でさえも、長い歴史の中で、お互いを計略で殺し合い…本来の目的は…もう誰にもわからないの。


 新人メイドのランを覚えているかしら? 彼女が、アーベーニ家の刺客だったのよ。ランは、メイド長サーシェと、貴方の父ハイル・ベネディクトを浮気させるように巧妙に仕向けたのよ。そして、サーシェが本気で愛を求めた時、同時進行でランもハイルと浮気していたことを、サーシェに泣きながら訴えたのよ。


 ランは、精神的に追い詰められたサーシェを魔術で混乱させると、魔道具を手に持たせ、ハイル・ベネディクトを襲撃させるように見せ掛けて…リーシャ。貴方を殺害させようとしたの。


 勿論、簡単には殺さないわ。貴方が魔力持ちだと事前にわかっていて、ランは、【呪詛印】が発動するように、魔道具を改修していたのよ。


 愛する旦那に裏切られ、娘は化物に生まれ変わり、精神的に追い詰められた貴方の母ニルスを、ランは簡単に自殺に追い込んだのよ。ついでにサーシェもね。


 怒り狂った子爵のフルゲェル・カラムは、娘を殺した張本人である貴方の父ハイルを暗殺してしまうの。


 そして、数年後にアーベーニ家の刺客をもう一度送り込んで、偽の証拠である当時の計画書を、ウルルの貴族であるダリル家の紋章入りの改ざん不可能な用紙に記して、屋敷の書庫に隠したのよ。


 その後、メイドを誘導して、その計画書を見つけさせた…。カラム家で起きた真相は、ここまでよ」


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