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ビッチとはよく言ったもんだな  作者: きっと小春
第一部 弾丸黒子とはよく言ったもんだな編
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綿裏包針とはよく言ったもんだな

「何を言っているの? 馬車で走ろうが、空を飛ぼうが、これから街を出れば夜です。道を見失うに決まっていますよ。今晩は、私の家に泊まっていきなさい」


 なし崩し的に一族と関係を持たされるのは、勘弁して欲しいのです。きっぱりと断って、今から街を出ると宣言しました。カーファ姉様も、これ以上、引き止めても無駄と感じたのか、それとも別の手段を考えているのか、素直に街を出ることを許してくれました。


「なら、このアーベーニ家の短剣を持っていきなさい。街を出る時、門が閉まっていたり、並んでいた場合に、門番に見せれば融通してくれるはずよ」

「それは助かる」


 街の中から飛ぶ事も出来ましたが、目立つと碌な事にならない気がしましたので、徒歩で外壁を目指します。外壁内も内壁内も、ポーガレストの街並みは、ウルルと、それ程変わらないですね。


 外壁の門にたどり着くと、閉まってもいなければ、並んでいる人もいませんでした。どうやらアーベーニ家の短剣を出さなくても良さそうですね。


「魔女のお嬢さん。もう日没だ。魔物が少ないポーガレストだが、一人で大丈夫か?」

「問題ない。これでもハンターだ」

「そうか…。なら、気を付けていけよ。そんな格好で外を歩いていたら、襲われても文句は言えないぞ?」

「それも問題ない」


 だらか…露出していない胸元を見て言わないで…。もう、その反応には飽きました。


「そうか…。なら、気を付けていけよ。それと閉門の時間になる。外に出たら入れないからな」

「わかった」


 外壁の門から街の外に出ます。振り返らずに歩いていると、重々しい音が背中越しに伝わってきました。門が閉まったのでしょう。ですが、もう少しだけ街から離れて、イカ箒を召喚することにしました。


 来る時は馬車の中で熟睡していたので気が付きませんでしたが、ポーガレストは大きな湖に隣接して建てられた街なのですね。沈む夕日が湖に映し出され、辺り一面が赤く染まり、何とも幻想的な景色になっています。


「綺麗…」


 世界の事も、世の中のことも、過去のことも、何もかも…。何も知らない事に気が付きました。


「私は…何をしていたのだろう…」


 でも、今は、アリア様を助けるのです!! イカ箒を召喚します。4時間で下足が10本に回復しています。寝たからかな? 兎に角、イカ箒に乗って、飛び立ちます。


 下腹部にある【呪詛印】に触り、イカ箒の詳しい情報がないか確認します。やはり寝た方が速く回復するみたいですね。それと速度・高度・重量によって、下足の消費率が変わるみたいです。来る時は、かなり高い高度と全速力でしたからね。でも、今は夜なので、あまり高度を上げると道を見失う可能性があります。しかし、低すぎても魔物に襲われる事を考えると怖いですね。


 結局、高度は三階建ての家ぐらいで、速度は来るときの半分にしました。


 来る時は、全速力のイカ箒と馬車で約6時間でしたね。このイカ箒の速度でどのぐらいになるのでしょうか? でも馬車で往復するよりも、絶対に早いはずですよね。


 頼りになるのは、月明かりだけです。周りの風景は真っ黒。永遠と道を見ていると、眠くなるのですが、昼と夜に何も食べていなくて、ぎゅるるる〜と、空腹なので気が紛れます…。これでお腹いっぱいに食べたら、イカ箒から寝落ちしますよね。


***** ***** ***** ***** ***** 

「パルお姉ちゃん。ありがとう…」


 ギュッとアリア様に抱き付かれて、目を覚まします。ここは…お屋敷のベッド? はて? 記憶がないのですが…。でも、アリア様が元気なら、それで良いのです。


 胸に顔を埋めるアリア様の夏の木々のような青々した緑色の長い髪を撫でながら、しばらくは、このままでも良いなと…不老不死なら時間はたっぷりある…何回でも人生をやり直せる…と考えるのでした。


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