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ビッチとはよく言ったもんだな  作者: きっと小春
第一部 弾丸黒子とはよく言ったもんだな編
2/35

自暴自棄とはよく言ったもんだな

呪いの説明回ですね。サラリと流して頂くのが良いかと…。後半は、一応ストーリーです。

 新しい【呪詛印】は、奪い取った能力が発動しない限り、体に【呪詛印】が刻まれないため、発見し難いのです。発動する条件が揃う、または発動した後に、体の何処かに入れ墨のような【呪詛印】が、浮かび上がります。

 

 浮かび上がった【呪詛印】を左手で触れると、その魔道具の名前と能力がわかります。しかし、一度でも発動しないと、能力はわかりません。それに、発動したときの条件などで、能力が変更されたり、追加される場合があります。しかし、一度発動してしまえば、【呪詛印】に触れた時、大体の効果はわかるのですが。


 【呪詛印】の所為で、修道女となった私には、私だけの課せられた仕事があります。勿論、【呪詛印】の所為ですが、朝一番で、突き刺すような冷水で体を清めています。その理由は、後で説明します。


 現在、15歳の私に刻まれている【呪詛印】は、全部で5つです。


 1つ目は、【手繰り寄せの壺】から奪い取った左手の掌に刻まれた『壺』です。


■追加

・魔道具の名称:手繰り寄せの壺

・魔道具の形状:壺

・魔道具の能力:壺に入った塩やオリーブオイル等を自動的に補充する

・刻まれた部位:左手の掌

・呪詛印の絵柄:壺

・発動時の能力:なし

・無意識の効果:周囲の魔道具の力を改変しつつ、その体に【呪詛印】として奪い取る


 2つ目は、【空模様と恋人】から奪い取った左肩に刻まれた『イカレタ竜の顔』です。能力は、『衣服により性格が変化する』です。例えば、全裸または下着姿であれば、全てに裏切られ誰も信用しない人間不信の性格に、修道着を着ていれば、神々を盲信的に信仰する性格に変わります。


■追加

・魔道具の名称:空模様と恋人

・魔道具の形状:絵画

・魔道具の能力:片思いの相手との関係性を占う

・刻まれた部位:左肩

・呪詛印の絵柄:イカレタ竜の顔

・発動時の能力:なし

・無意識の効果:衣服により性格が変化する。()は印象操作での効果。

        ・全裸または下着姿(襲ってくれ):人間不信

        ・修道着(神々しい):神々を盲信的に信仰する


 3つ目は、【ワーウルフの鏡】から奪い取った頭頂部の右耳の前方に刻まれた『飛び出た悪魔』です。この【呪詛印】はかなり見た目を変えてしまいました。頭頂部から狼の耳が、お尻から狼の尻尾が生えたのです。そして、茶色の耳と尻尾を除いた、全ての体毛が失われました。その能力は、『話し相手の感情を耳と尻尾で表現する』です。簡単に言うとゼスチャーですよね…。また厄介なのが印象操作です。これはちょっと綺麗だなが絶世の美女に、強面が魔王となるように大げさに印象が誇張されるのです。つまり汗が空気に触れ緑色のドロドロになる私は、視界に入れただけで嘔吐するような化物なのです。まぁ、イカ臭いので3mの効果範囲内に近づく人は…殆どいませんが…。


■追加

・魔道具の名称:ワーウルフの鏡

・魔道具の形状:鏡

・魔道具の能力:ワーウルフを召喚する

・刻まれた部位:頭頂部の右耳の前方

・呪詛印の絵柄:飛び出た悪魔

・発動時の能力:なし

・無意識の効果:全身の体毛が失われる

        側頭部の耳が消滅し、頭頂部から狼の耳が生える

        お尻から狼の尻尾が生える

        話し相手の感情を耳と尻尾で表現する

        印象操作(効果3m以内)


 4つ目は、【スライムの水晶】から奪い取った右胸の乳首の下に刻まれた『溢れ出る謎の液体』です。能力は、『汗が空気に触れると緑色のドロドロの液体に変質し、その液体に触れた布や革を溶かす』です。汗をかきやすい夏なら、すぐに衣服が溶け真っ裸になり、全身が緑色のドロドロなので見た目が最高に気味が悪いため、夏は、修道院に作られた特別な地下室で、孤独に過ごしています。


■追加

・魔道具の名称:スライムの水晶

・魔道具の形状:水晶

・魔道具の能力:傷ついた部位に水晶を当てて治療する

・刻まれた部位:右胸の乳首の下

・呪詛印の絵柄:溢れ出る謎の液体

・発動時の能力:なし

・無意識の効果:汗が空気に触れると緑色のドロドロの液体に変質する

        緑色のドロドロの液体に触れた布や革を溶かす


 5つ目は、【ダイオウイカの魔導箒】から奪い取った下腹部に刻まれた『生え広がる触手』です。この能力が人生を狂わせました。確かにおっぱいも大きく妖艶でいやらしい体つきですが…修道女で処女なのにビッチと呼ばれています。だってイカ臭いんです。男の人の精液が、そんな香りらしいのですが…。イカ臭い故に、男性も近づいてきません。だから、ビッチのわけないじゃないですか? そして不思議なことに、8mから30cmぐらいまではイカ臭いらしいのですが、30cm以内に入ると別の香りになって…気絶するほどの悪臭らしいのです。刺激臭ならぬ気絶臭と呼ばれています。


■追加

・魔道具の名称:ダイオウイカの魔導箒

・魔道具の形状:箒

・魔道具の能力:床を綺麗に清掃する

・刻まれた部位:下腹部

・呪詛印の絵柄:生え広がる触手

・発動時の能力:なし

・無意識の効果:体臭がイカ臭くなる。30cm以内は気絶臭


 緑色のドロドロの汗やイカ臭い体臭を抑えるため、早朝、昼間、夕方の3回、真冬でも水浴びを強制されています。一応、子爵フルゲェル・カラムの孫娘のため、人間として扱われてはいます。


 あぁ…。試練の神イル・ゴートよ。この試練を乗り越えた先に、どんな奇跡が待っているのでしょうか?


 そして、時は流れ…。15歳の誕生日。真夏で大量の汗をかく私は、特別な地下室で神に祈りを捧げています…。しかし、修道着を着ていない…全裸の私は、愚かなことに、誰も信用しない人間不信の性格に変わっています。性格は悪く、体毛は一切無く、狼の耳と尻尾、体臭はイカ臭く、汗は緑色のドロドロ…。こんな化物のような私に生きる意味があるのでしょうか?


 現実逃避で登った修道院の屋根の上で、見つけた森の先にある海。イカとは海の生き物。人生の最後は海で。お母さん、この世界は、私には辛すぎます。もう十分頑張ったよね? 会いに行って良いよね?


 現在、私が神に地下室で祈りを捧げているように、他のみなさんも修道院の大聖堂で、神に祈りを捧げています。私は一人、修道院を抜けることにしました。運が良いのか悪いのか、この地域は聖域と呼ばれ、魔物が出没することは無いのです。途中で、魔物に襲われても構わないのですが…。

 

 どうせ、途中で汗をかき、修道着が溶けてしまうので、私は、裸のまま走り出しました。

 


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