不死不朽とはよく言ったもんだな
フィロア邸でメイドとして働き始め、三ヶ月が経ちました。お屋敷の裏側の畑で育てている薬草も種類が増え、解毒、解熱、傷薬、腹痛、頭痛などの薬が作れるようになりました。私も薬草師兼コックのオルドーさんに作り方を教わり、あれ? 将来は、薬草屋として独立もできるんじゃないのかな? と考えてしまう日々です。
しかし、畑の規模を大きくしすぎたためか、執事のロバートさんに見つかってしまいました。
「ふむ。中々、本格的な畑ですな。パル…貴方は、ここを辞めて、農家としても働けそうですな」
「勝手に畑を作って、ごめんなさい。クビにしないでくださいっ!」
「いえ…。そんなつもりで言ったのではなく、純粋に褒めているのですよ」
ついでにと、ハーブ畑も拡張することになりました。ハーブ畑のご指導は、勿論ロバートさんです。定番のカモミールから、ペバーミント、ラベンダー、ジンジャーなどなど、順次増やしてくださいと、笑顔でお願いされてしまいました。
今日は午後から久しぶりに、 魔道士ダリル様に呼ばれています。どうやら、女性の助手が手配できたのでしょう。自室に戻り、【呪詛印操作】で、メイド服と体のコーティングを解除すると、つるっぱげ&素っ裸になった私の体から、イカ臭い香り発散され…悪臭が部屋に充満していきます。一度、メイド服を作ると、しばらく…二週間ぐらいはそのままで過ごすため、新しい【呪詛印】が出来ていないか、体中を確かめます。湯浴みは、アリア様と一緒のときのみですから…。
残念なことにありました…。見つけてしまいました。お尻に2つも…。
まずは8つ目の【壊れた懐中時計】という【呪詛印】ですが、既に発動していたようです。なんと『不老』の能力が。つまり老化しない!? えっと…別に長生きしたいと思ってないのですが…。
■追加
・魔道具の名称:壊れた懐中時計
・魔道具の形状:懐中時計
・魔道具の能力:食品の長期保存に使用
・刻まれた部位:お尻(右側上部)
・呪詛印の絵柄:壊れた懐中時計
・発動時の能力:なし
・無意識の効果:不老
次の9つ目は【棺桶いらず】という【呪詛印】ですが、調べるまでも無いですよね…。『不死』の能力が。つまり死なない!? えっと…別に死んでもかまわないと思っているのですが…。う〜ん…。例えば、腕が切り落とされたら? また生えてくる? 腕がない状態で生きる? 生えてこないで生き続けるのは辛いのですが…。
■追加
・魔道具の名称:棺桶いらず
・魔道具の形状:棺桶
・魔道具の能力:医療用の一時的な延命処置
・刻まれた部位:お尻(右側下部)
・呪詛印の絵柄:壊れた棺桶
・発動時の能力:なし
・無意識の効果:不死
何処に…こんな魔道具があったんだろう? はぁ…。この事をダリル様に言ってしまって良いのでしょうか? 不老不死と言えば、それだけで…命が狙われそうですね。人体実験とか勘弁して欲しいですね。これは内緒にしておいた方が良いでしょう…。
体のコーティング、黒で統一された魔女ローブと耳を隠すための帽子を作ります。そして、部屋の小窓を開け、イカ臭い部屋の空気を換気しますよ。絶対に、忘れてはいけません。
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ダリル様の隣には、露出が多めの…私より小さな胸を精一杯に強調した…魔女ローブを着た女性が立っていました。
「彼女が助手のレイゼだ。彼女はハンターでもある。つまり君の研究サポートとハンター実習の両方を頼んである」
「よろしく。年齢は20よ。ハンター歴はまだ2年だけど、狩りは10回以上の経験があるわ」
2年で10回…。それって少ないの多いの?
「言葉を話す魔物に出逢ったことはあるか?」
「言葉を? いえ…出逢ったことはないわね。そもそも魔物は言葉なんて話さないわよ?」
「そ、そうか…」
シャーク師匠たちは、特別なのかな? いや…全員話していたけど…。
「それでは時間もないし…。悪いが、パル。隣の部屋でレイゼに【呪詛印】を調べさせてやりたい。服を脱いでもらえるかな?」
「わかった。しかし、裸になると、とても強い悪臭を放つ。私が許可するまで外で待て」
「その話は聞いているわ。準備が出来たら呼んでね」




