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ビッチとはよく言ったもんだな  作者: きっと小春
第一部 弾丸黒子とはよく言ったもんだな編
13/35

九損一徳とはよく言ったもんだな

 17年間、ボッチな私には、怒涛の初対面コミュニケーションに対応できず、パニックになりながらも、3m以内に近づかないようにと説明できました。そして、強気な性格のおかげで、声をかけてきてくれた人達との会話を、どうにか全て無事に終わらせることが出来ました。心臓がドキドキしすぎて、死ぬかと思いました。


 「弓と剣の看板を目指して」と、魔道士ダリルに言われていたのですが、ようやく…それらしき店を発見するが…。鉄のドアは重々しくガッチリと閉じていて、一見さん完全お断りコースです。はぁ…入りたくないです。しかし、お仕事なのです。勇気を出して! 頑張れ私…。


 中に入ると、薄暗い部屋…ではなく、なんとピンクの壁に白いウサギが遊ぶ絵が描かれ…キノコの椅子と葉っぱのテーブルで、もう…なんなのこれ? って感じでした。


「ハンター登録は、ここで良いのか?」

「こんにちは! ハンター協会にようこそ。えっと新人さんですね…それにしても…随分と…アレな格好ですね」

「これは印象操作という魔法がかかっていて、3m離れれば…」

「あら? 普通ですね。でも、素材が良いですね。悔しいけど美人さんです」


 外の雰囲気とは大違いな…アットホームな雰囲気で、明るく元気なメガネ女子の受付嬢。


「魔道士ダリル様から紹介状だ」

「新人さんなのに全然緊張してないのですね。ふむふむ。魔女のパルさんですね。このところ、魔物の被害が多くて、ハンターさんの人数が増えるのは、とても助かります。登録までお時間がかかりますので、少々お待ちください」

「しかし、この内装は…」

「はい。私の趣味です。ハンターさんって、怖いイメージがあるじゃないですか! そんなことはないよーって、皆さんに知って頂くためです。はい」


 う〜ん。一般の人って、外観しか見ないよね? 中に入らないよね? まぁ、余計なことは言わない。


 しばらくすると、元気よく名前が呼ばれ、晴れてハンターに登録されました。


「パルさんって、印象操作以外は、どんな魔法が使えるのですか?」


 受付嬢さんが、ニコニコしながら、魔法について質問してきました。うん? 魔法なんて、使えませんよ? ただの呪いです…。


「あっ。ごめんなさい。答えられませんよね…。はははっ」


 どうやら勝手に納得してくれたみたいです。私はボロが出ないうちにハンター協会を後にする。しかし、本当にどうやって、魔物と戦うのかな? イカ箒? まさか…。それに…魔物って、悪い人なのかな? シャーク師匠やダイオウイカ先生みたいに、会話できたら…どうしよう!?


 日暮れ時の田舎街。魔物と言えども…心ある者と命のやり取りをすると、すごく悲しくなりました。まぁ、この瞬間まで命を取る側でしたが、よく考えたら…シャーク師匠にパクリと食べられたんですよ? 私…。殺される側でしたね。


 お土産を買うのも忘れて、お屋敷に帰ると、孫娘のアリア様が笑顔で出迎えてくれました。そのままギュッとアリア様を抱きしめ「パルお姉ちゃん、どうかしたの? 苦しいよ…」と言われるまで…力を込めてしまいました。


「パルお姉ちゃん。魔女の格好も似合うね。でも何だかエロい…」

「うん? 初めて見たのか? これはな…これは印象操作という…」


 アリア様にまで言い訳を…。しかし、外に出るときの服装も考えたほうが良いのかな?


「うん。わかった! でも、今日は、その服でいてよ」

「残念だが、いつものメイド服に戻る時間だ」


 ダリル様は、こんな可愛いアリア様を誰から守れと言っているのだろう? 結局は、私に何かと戦える力が必要なのですね。


 獲物を狩る狩人の視線が、アリア様の小さな手を握りお屋敷へ入る二人の姿を、捉えていた。


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