ジャージ男とムゴンと言う男
首に仕掛けられた爆弾は本物なのか?
閉じ込められた密室からの解放、そして同じ境遇の敵か味方か分からない輩、ペアは5組……
スーコは小首をかしげ天井のスピーカーを見上げた。
するとスピーカーからガリガリとノイズがしたかと思うと、韻韻とおぼしき中国人訛りの女の声がした。
「なんで私ばっかり話しさせるか?!他のヤツは何にもしてないだからね!なに?マイク入ってる?」キーン
とマイクがハウリングを起こし、スピーカーの向こうで韻韻と誰かともめている、そしてマイクがONになっている事を知り
「おほん!おまえら解放!皆ペアだからな、あと首に仕掛けた爆弾は本物だから根性あるヤツは試したらいいあるよ!バンッ!なるだから」
と言った所で、誰かがカンペか何かを出すような音がした。
キュッキューッ!ガサガサ(マジックで何かを書く音)
「え?ロックを解除?分かってるよ、マジでお前は阿保か!ほら!」
と言った瞬間、電子ロック式の扉がシャー!っと、激しい摩擦音を立てたかと思うと、ゴグンと大きな金庫の様に開いた。
「全部で5ペアな、私たち優しいから首の爆弾は手術でも取れるし取っても怒らない、ただしペアの内片方が取れても片方が残ってればそれは爆弾として機能してる、じゃあ何でペアやねん!って思うだけどぉ~…ペアの方がバトルとかが熱くなるでしょ!って皆でそう言う話しになりました!ハッハッハッハ。
あ、あと爆弾は首の太い血管と脳と直結つした神経の側に埋め込んだから、めちゃ名医じゃ無きゃ取れなくて死ぬだからな」
スピーカーから韻韻の声がしなくなり、マケルは恐る恐る扉の外に出た。
すると廊下には大柄で屈強な男が、押韻学園の制服を着て立っていた、その横には寝起きで機嫌が悪そうな男が立っている、衣装はベルベットの様な素材のジャージ上下だ。
スーコはマケルの背中にしがみつき、おぶられる様にして前につんのめり、廊下を見渡した、すると先に隣の部屋から出ていた痩せたジャージ男が
「おやおや、こんな所で会えるとはな、スーコ久しぶりじゃねぇか、テメーがぶんどってったあんときの賞金、いつか返してもらおうと思ってたんだ。そうだ、お前もスーコにゃ怨みがあんだろ?ムゴン」
痩せたジャージ男は、ムゴンと呼んだ男に向かって同意を求めムゴンも頷いた。
こいつらスーコと知り合いか?とマケルは二人を睨んだ、それにしても下ろし立ての押韻学園の制服を着たムゴンと言う男、こんなに目立つのに見覚えが無い…。
するとスーコがムゴンとジャージの男を通り越して、廊下の先を見ながら叫んだ