U次
代打ちバトルで命を落としたU次。
スーコはマケルにU次を紹介するが、顔がきちんと写った写真は警察に押収されていた。
スーコは詳しく話さなかったが、兄に等しいU次に訳してもらったリリックを心に刻み、音に没頭し今までバトルの相手を倒す事しか考えて来なかった、ヒデも今はあんな事になってしまっているが、それも自分の居場所を探し…皆を守るために行動した果ての姿だ。
「マケルの考えてる事は分かるぜ、アタシ達がほんとに誰かの為にラップをしてんのか?実は自分のため?…いや、最早ラップにとり憑かれてるんじゃねーか?ってな」
スーコはマケルの神妙な顔を見て言った。
「マケルが思っている通りかも知れねえ、アタシもヒデもU次も…自分の居場所がヒップホップにしか無かった、そう思ってたし他の世界を知らな過ぎた」
スーコは部屋の隅にポツンと置かれた戸棚から、一冊の写真フォルダーを取り出し、ペラペラとめくったが写真は数枚しか入っていない
「あ、これ。子供の頃のアタシとヒデ、ヒデにヘッドロックされてるのがU次。それとこれ…バトルの時に初めて勝った…U次」
と言葉を詰まらせながらスーコは写真をマケルに見せたが、どの写真もU次なる人物の顔が分からないかピンボケしている
「ちゃんと顔が写った写真は全部警察が持って行ったんだ、殺されちまったのはU次なのに…捜査に必要だからってな。ネガなんてねえし、この写真なんてバトルに来てた客が撮った写真を焼増ししてもらったんだ」




