連鎖から…
束の間の柔らかな時間。
マケルは寮母にスーコを負の連鎖からの救出を懇願される。
その一部始終を見守っていた寮母はマケルを呼び、今まで騒がしかったが、食事が終わり静かになった大食堂のテーブルにつかせた。
「マケルさん、言葉は剣にもなり盾にもなります、人はそれを理解しているにも関わらず言葉で人を傷付け、そして人を守る為にまた言葉を使い愚かにもまた人を傷つけてしまいます…」
フリースタイルバトルが、どんな物かを大まかにしか掴んでいない寮母だが、スーコのやっている事は理解している様だ
「あの子が今やっているラップは、人様のそれとは別の…おそらく抜き身の刃の様な物。私はこの連鎖が恐ろしい…スーコをこの輪から離してあげたい、せめて本当の家族同様に見守り癒しを与えたい、私の様な老人が何かしてやれるなんて恐れ多いけれど、マケルさん…あの子が災いの輪に入ってしまわん事を、どうか祈って見守って下さい」
とマケルの手を握りながら懇願する様に言った。マケルは頷いたが本当はどうする事も出来ないのは分かっていた。
扉の影では、先程の男の子をベッドに運び終えたスーコが立っており、それを聞いていた。
マケルはタイミングよく入って来たスーコに案内され空いている部屋に通された。
「こんな空き部屋があるんだな」
とマケルがスーコに言うとスーコは
「ああ、元々U次とヒデが使ってた部屋だよ、もしかしたらヒデが様子を探りに来るかもな、ククク」
とからかい半分で答えた。マケルはヒデと聞いて明日見に行くバトルの事を考えて神妙な面持ちになった、すると
「なんだよ~怖い顔しちゃって~マケルぅ、一人で寂しいなら一緒に寝てやろうか?一緒に寝るの初めてじゃないじゃーん♡」
とマケルの腕にしがみついた、スーコはこの手の冗談が本当に好きだが、この時マケルはなぜか
「いいい一緒のへやへやへや…部屋でねるなら、俺は、ああああああっちのソファーでいいよ…」
と答えた、スーコは今までしがみついていた腕を振り払い、真っ赤な顔で
「ジョーダンに決まってんじゃん!なにエッチな事考えてんだよぉ!」
と言いながらマケルの腕をペチンと叩いた、マケルも真っ赤な顔になり
「だだだよねー、最初は不可抗力だしね~!って、エッチな事なんて考えてねーし!」
と言うと、マケルを見ずにスーコは真っ赤な顔のまま被せるように
「でも?マケルが?ホントにさみしいなら?こっちに布団?持って来ても?いいんだけど?」
とふわふわした返事をした、そこへナミがやって来て
「ねえねえ、スー姉はどこで寝るの?ティアラが来たからスー姉の部屋ないよ……と、あ~今そう言う感じか、お邪魔しちゃったね。お布団お持ちしまーす」
と言いながら、個々の部屋に別れた別棟の方に走っていった。
スーコは「おい!ナミ!ちょ!ナミ!」と言ったが、最早ナミの姿は無かった。




